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【妄想】もしも不思議な宝くじが当たったら。

2024年1月。
昨年末に購入した年末ジャンボ宝くじが当たった。

宝くじを買うこと自体が数年ぶりだった。
今までの回収率は約3割だったのに。
いきなりの当選。
一等前後賞合わせて10億円。
しかも今回は不思議なもので、
10億円使いきっても、無限にお金が追加されるらしい。
そして、才能も、与えられるらしい。

高額当選した賞金を受け取るためには銀行に行かなければいけない。
振込してくれよ、とも思うけど本人確認や諸々の注意点の案内(という名の運用提案)も兼ねているのだろう。
例外なく運用を勧められる。
私も金融機関職員なので…と伝えると、
まぁまぁそれは!お忙しいでしょうから!
と食い下がってきたが、検討します、とだけ言って口座に振込してもらった。

帰りにATMで通帳記入してみたけど、やっぱり残高が10億円増えていた。
宝くじは非課税って本当だったんだ。

これからどうしようか。
とりあえずスタバでスターバックスラテを買ってみる。
いつも購入するのに躊躇するトールサイズを選んだ。

午前休で賞金を受け取ったので、午後出社。
上司には(金額は隠して)宝くじ高額当選したので受け取りに行ってきます、と伝えていたので、
運用何勧められた〜?とニヤニヤしながら近寄ってきた。
そんな高額当たってませんて!子供の教育費の足しにしますわ!
とひたすら嘘をつき、
会社に向かいしな買ったお菓子(アンリのフィナンシェ、エシレと悩んだけど個包装が必要だと思ってこちら)を配った。

スタッフさん達にももう知られていて、良かったわね〜!!と言われた。
そうなんですよ!今だけ少しお金持ちですわ!大した金額当たってないですけど!お裾分けです!
と、ここでも嘘をつきながらお菓子を配った。
金額、そのうちどこからかバレるんだろうな。

仲の良い同僚には会社辞めるの〜?と言われた。
さぁどうだろうな〜仕事辞めたら絶対太るからな〜ってそんなに高額じゃないって!!笑
とか言いながら、心の中で今の部署に異動してから体重が5キロ超増えたことを思い出した。

10億円。
しかも無限に追加がくる。
才能も与えられる。
宝くじ財団(一般財団法人日本宝くじ協会)どうなってるんだ。

家に帰って夫には受け取ってきたよーという。
夫には当たったことを正直に伝えてある(どうせ嘘をついてもバレる)。
おーそうかどうだった?と聞かれ、
なんにも、運用勧められたよ。まぁそのうち考えるけど、とりあえず何か買おうか?と聞き、
車かなー?と言われたので、次に夫と予定の合う週末(1ヶ月後位)にディーラーに行くことになった。

でも別に今欲しい車はイメージがわかない。
私達に必要な車は、スーパーカーでも空飛ぶ車でもなんでもない。
できるだけ運転が楽で、できれば堅牢で、子供達と一緒に楽しく安全に過ごすことができる車だ。
今のミニバンでちょうどいい、もう少し大きくなると運転できなさそう。
何より今の車が気に入っている。

そして夫よ、家はどうする、と心の中で思う。
けどそれは開けてはならないパンドラの箱。
今はそのままにしておこう。

子供達はお金の価値がまだわからないので、
ママすごい宝くじ当たっちゃったよ、とは伝えてあるけど、
???な顔をされた。
欲しがっていたプリキュアの武器はサンタさんにもらったばかりだし。
この子達へは、おいおい考えよう。
この子達の口座に移動してしまうと税務署に見つかって贈与税取られるだろうし。
今は自分の口座に入れておこう。

夜、このまま使いきれなそうだな、と思って、
えいや!と100万円、ネットから寄付をしてみた。
残り9億9,900万円。

***

旅に出ることにした。
長年憧れていたバルセロナに行くことにした。
ガウディの建築を巡る旅。サクラダファミリア、カサミラ、カサバトリョ。
どういうわけかすごく空いていて、サクラダファミリアでステンドグラスから差し込む光の変化を一日中ぼうっと眺めていた。

ニューヨークにも行くことにした。
ウォール街を歩いて、うへぁってなった。
フランスのパリにも行ってみた。
美術館に行き、街を散策した。
イタリアのミラノにも、ベネツィアにも。
美味しいものを食べ、教会を巡った。
祈りの場というのは、神聖で整然としていて美しい。
エジプトに行き、ピラミッドにも登った。
インドネシアのボロブドゥールにも行った。
中国の敦煌遺跡にも行った。
暖かい国ではイルカや海ガメとたくさん泳いだ。
寒い国ではオーロラを見て、雪山を少し登った。

観光地はどこも華やかで素敵だけど、
お買い物をしてお金を使うことよりも、
旅先で自然を見てぼんやりするのが、いちばん、楽しい。
街を歩いて、街の音を聞き、街の人と話し、街の成り立ちを考えるのが、楽しい。

燕岳から見たモルゲンロートのような、
瀬戸内海で見たキラキラした海面のような、
高知の山の上のキャンプ場で見た天国みたいな空とか、
あと北海道で車の中でみんなでミスチルを熱唱したこととか、
(そういえば沖縄の車の中でもGLAY歌ったな。ずっと歌ってる)
あーあとはタイはカオサンのパッタイ!お粥!バナナパンケーキ!チャンビア!
ハワイ島で見た満月と夜明け。海の中から見た海面のゆらめき。
イスタンブールのブルーモスクの光。
カッパドキアで気球から見た朝日。
一瞬一瞬のきらめき。
思えば遠くまできたもんだ。

***

旅から戻っても仕事は続けている。
45歳で辞めようと思っているので、それまでの社会勉強だ。
才能まで与えられたので、メキメキと仕事はできるようになった。
昇格もしたし給与も上がった。
上司からは異動と昇進の話をされている。
けどどうしても子供との時間がとりたくて(くだらない会議に参加するのが嫌で)悩んでいる(うちの会社は個人の意向はあまり反映されないのでそのうちどうにかなるのだと思う)。

1日は24時間。1年は365日しかない。
いくら才能があったって、効率を良くしたって自分の時間は増えない。

ちなみに与えられた才能を使ってシステムの改善提言もした。
けどお金がないからという理由で採用されなかった。
だからさぁ!!!と思うけど、どうしようもないらしい。
別に私はこの会社の株主ってわけではないしな。

これからどうしようか。
残り9億円。

***

会社を辞めるまでの間、副業をすることにした。
(弊社、副業OKなのです)
個人事業で始めたが、メキメキと業績が上がったので会社を立ち上げることにした。
(そんなに事業が簡単にうまくいくと全く思わないけど、才能も、ともすればタイミングも与えられている設定なので、社長様方失礼します)
株式会社○○
実は心の中でずっと考えていた屋号。

何の仕事をしてるかって?
(ここが超産みの苦しみ)
自分がお金をかけたいことが経費計上できる仕事でしょ?
(そこからのアプローチはアリなのか?)
私が旅に出ることで、街の人たちが豊かになる仕事。
人の、街の、自然のキラキラをできるだけ生かしながら回復していく仕事。

あとは箱を作りたい。容れ物が好き。
自分の雑誌を発刊したい。新聞を作りたい。
(これなんて職業???自由業???)
一つに決めたくないんだよ。容れ物をひたすら作って世の中を楽しくキラキラ(ここでいうキラキラは都市開発のように全て無くして新しいものに塗り替えるのではなく、そのものの良さを生かす方向)にして、一つのところに土着せず、流浪の民になりたい。
自分の足で立って、歩いていきたい。

どこまで費やすのか、と言うのはあるけれど。
残りの9億円の使い道。
消費するんじゃなくて、何か物をコレクションしたりするのでもなく、投資したり事業に使いたいな。

そしてお金が増えたら財団から追加されないんだからそれでいいじゃん。
(宝くじ財団頑張れ、お金は私ではなく献血車や車椅子用の車、公園の整備等の他のことに使ってくれ)

という、新年早々の妄想。

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