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話題のbard, Bing AI, chatGPT Web検索プラグインを比較してみた

こんにちは、tanakanです。何かと複雑な使い方が取り沙汰されがちな生成AIですが、個人利用・業務利用のどちらにおいても「賢い検索ツール」として使いたいな・・と思う方も少なくないのではないでしょうか?今回は、話題となっている3つの生成AIツール「bard (Googleの生成AI)」「Bing AI (Microsoft, chatGPTベース)」「chatGPT Web検索プラグイン」を実際に使って比較してみたので、ご紹介したいと思います。

今回使ったツール:chatGPT(GPT-4), bard, Bing AI

chatGPTを検索目的で使ったことのある人の割合

とある企業の調査によると、「何かを調べたい時に何を使うか?」という質問に対して、7割の人が「検索エンジン」、5割の人が「SNS」と答えたのに対し、「chatGPT」と回答した人が2割弱もいたそうです。

出典:ChatGPTと検索エンジンのユーザー検索行動に関するアンケート調査|2023年5月実施|ナイル株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

このように、生成AIを現在の検索ツールの進化系として捉える人も一定数いるという可能性が窺えます。

なぜ、chatGPTでWeb検索をしてはいけないのか?

では、なぜ、chatGPTでWeb検索をしてはいけないのでしょうか?多くの皆さんはすでにご存知だと思いますが、現在のGPT-4は2021年9月までの情報を学習して作られています。つまり、2021年以降の新しい情報については、(原理上は)答えられません。

また、chatGPTは、ユーザーとの対話を通じて学習を行うため、情報源やデータの正確性が不確かな場合があります。特に、誤った情報やデマを学習することで、それらが拡散するリスクもあります。そのため、Web検索の目的で使うのは向いていないと言われてきました。

chatGPT Web browsing機能発表!

そんななか、今回発表されたのがchatGPTの「Web browsing」機能です。この機能では、chatGPTがインターネットを検索・閲覧することで、最近の話題や出来事に関する質問にも答えられるようになる機能です。

Web browsing: Try a new version of ChatGPT that knows when and how to browse the internet to answer questions about recent topics and events.
出典:ChatGPT — Release Notes | OpenAI Help Center

ただし、chatGPTの「Web browsing」機能はBeta版となります。chatGPTが正確な情報を答えられるようになったとは限りませんのでご注意ください。また、この機能は2023年5月時点では、ChatGPT Plusを契約しているユーザーに限られていますので、この点も注意が必要です。

chatGPT Web browsing機能の使い方

それでは早速、chatGPTのWeb browsing機能を利用していきます。chatGPTをブラウザで立ち上げ、設定画面にアクセスすると、以下のように「Beta features > Web browsing」というメニューが表示されています。ここをOnにしていきます。

Web browsing機能の利用設定①

次に、プロンプトを入力する画面で「GPT-4 > Browsing」を選択します。これで準備は完了です!

Web browsing機能の利用設定②

chatGPT Web browsing機能を使ってみる

それでは早速、検索をしていきます。最新情報ということなので、ど定番の天気予報を聞いていきたいと思います。とはいえ、ただ天気予報を聞くだけでは生成AIの意味がないので「その天気になる理由」をセットで聞いてみたいと思います。

Web browsing機能が動作する様子

すると、画面のようにGPT-4が何やらサイトにアクセスして操作をしている様子が表示されます。Click failedとなることもあるので、実際の検索結果を上からクリックしていくような人間の動作を彷彿とさせるものがあります。

ただ、イケてないな・・と思ったのは、この処理が終わるのに1分弱かかったところです。このあたりは、まだまだBeta版ということなのでしょうか。

chatGPTの検索結果

・・ということで、結果が生成されました。良い点としては、生成結果に対して出典が番号で表示されているところ。chatGPTは出典不明の嘘情報が混ざっているという話がよく聞かれますが、出典を明示してくれる辺りはBing AIに通ずるものがあり、安心感が高まります。

他方で、まだまだこれからだなと思ったところとしては、クロールしているWebサイトが海外の天気予報サイトだということ。やはりどうしても、海外の天気予報サイトだと精度が落ちる部分もあるので、この辺りはOpen AIが日本市場に力を入れるという話もあるので、ローカライズを期待したいところです。

また、生成AIの本領と言っても良い「その天気になる理由」については、複雑な要素が絡み合っていて技術的な説明が必要(だから、お前にいってもわかならいだろ?)と逃げられてしまいました。まぁ、確かにそうかと思いつつ、ちょっと残念なところでした。

Bing AI, bardはどうなのか?

それでは、ここからはBing AIとbardの結果を簡単にご紹介します。まずはBing AIから。

Bing AIの検索結果

はい。まずBing AIは10秒とかからず結果を表示してくれました。また、出典のリンクが表示されているのはもちろんのこと、tenki.jpやweathernews.jpなど、私たちにも馴染みのあるサイトから情報を取ってくれています。

しかも、なんとchatGPTが回答を避けた「その天気になる理由」についても、バッチリと答えてくれています。Bing AIやるじゃん!

最後に、bard (Googleの生成AI)の結果がこちら。こちらも出典のリンクはないものの、結果と理由を出してくれています。驚いたのは、bardはこの結果を、1秒かかったかかからないくらいのスピードで表示したということ。Beta版なので生成結果自体は改良されていくと思いますし、後発と言われてはいますが、この表示スピードの速さは、今後の生成AI普及のなかで大きなアドバンテージとなりそう。

まとめ

以上、話題のbard, Bing AI, chatGPT Web検索プラグインについてまとめてみました。

最後に、chatGPTの言い訳を改めて見てみましょう。

天気予報は、大気モデルと天気ステーション、衛星、その他のソースから収集したデータに基づいて作られます。これらのモデルは、気圧系、温度、湿度、風のパターンなど、さまざまな要素を考慮します。しかし、特定の場所の特定の日の予報の詳細な理由を提供することは通常できません。これは、現在のグローバルおよびローカルな大気条件と、それがどのように変化すると予想されるかについての深い、技術的な説明を必要とするからです。

最初に言われた時は、そうだよなぁと納得しかけましたが、要はわかりませんっていうのを難しく言ってるだけじゃないか!!

・・ということで、どこかの偉い先生が、chatGPTはすごい賢いバカ というようなことを仰っていましたが、ほんとそれよなぁとしみじみ感じました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。本記事の一部でも、ご参考になっていれば幸いです。ご意見・ご感想、ディスカッションも大歓迎です。Twitterもやっているのでフォロー頂けると、励みになります。


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