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小さく生んで、大きく育てる。

こんにちは、tanakanです。この記事では、サービスデザインやプロダクト改善において「小さく生んで、大きく育てる」という考え方が大切であるという話をしていこうと思います。


小さく生んで、大きく育てる

「小さく生んで、大きく育てる」という言葉は、多くの場面で聞かれますが、サービスデザインやプロダクト開発においてもこのアプローチが有効です。特に、デジタルプロダクトにおいては、このアプローチとの親和性が極めて高いです。
プロダクトはリリースした瞬間がゴールではなく、むしろそこからが本番。リリース後、ちょっとした文言やレイアウトの変更で、プロダクトの効果が大きく伸びることもあります。

プロダクトはリリース後が本番

こと、デジタルプロダクトの企画開発においては、初めから完璧な状態を目指すのではなく、まずは小さなバージョンをリリースし、定性・定量のフィードバックを基に高速に改善していくことが求められます。例えば、AmazonやPayPayは、高速リリース・高速改善に取り組むことで、非常に高い効果を生み出すプロダクトを実現しています。

Amazonの事例

2012年、Amazon.comでは11秒ごとに新しいコードがデプロイされ、最も多いときで1時間に1079回デプロイが行われたと発表しました。この驚異的なリリース回数は、細かい改善を積み重ねていくことで、ユーザー体験を絶えず向上させている結果と言えます。

出典:Publickey "Amazonは1時間に最大1000回もデプロイする。クラウドネイティブなデプロイとはどういうものか? AWS re:Invent基調講演" アクセス日時: 2024年7月24日

PayPayの事例

モバイル決済サービスのPayPayも、高速リリース・高速改善を実施している企業の一例です。PayPayは、リリース後のユーザーフィードバックを迅速に反映し、頻繁にアップデートを行っています。

具体的には、週1のスプリント開発で毎週リリースを行なっており、2019年はアプリをAndroid・iOSを合わせて合計120回以上リリースを行ったと言われています。

出典:logmi Tech "開発速度を落とさずにどう品質を担保したのか
スマホ決済「PayPay」Androidアプリ開発の裏側
" アクセス日時: 2024年7月24日

ここで注目したいのは、両者とも、非常に大規模でユーザー数が多く、さまざまな機能⁨⁩を有するサイト・アプリでありながら、こうした高速リリース・高速改善を実現しているというところ。サイトの大きさや複雑さは、高速改善が出来ない理由にはならないということです。

具体的な取り組み方法

具体的な取り組み方法についてです。特にここで言及したいのは、リリース後数日といった短期間で、様子を見ながらチューニングを行うことが、プロダクトの効果や成否に大きく影響するということです。

しかし、何かを変更しようとしても、毎回開発リリースが必要となると効果検証のPDCAのサイクルが非常に長くなってしまいます。そのため、リリース後に自由にチューニングできる箇所を用意しておくことが重要です。
また、文言やクリエイティブは企画の腕の見せ所ですので、消費者心理に基づいたフレームワークや、ABテストツールなどの活用も有効です。

フレームワークの活用

人間の意思決定の特性や非合理性(消費者心理)を理解し、それをマーケティングやデザインに応用したフレームワークは多く存在します。
例えば、プロダクトの価格表示に関するものとして、「端数価格効果」と呼ばれる手法があります。これは「2,000円」よりも「1,980円」のほうがより買いたくなると言われることで、一般的にも有名ですよね。このように消費者心理に基づいた仮説を立てることで、より効果的にユーザーに行動を促すことができます。

ABテストツールの活用

ABテストは、異なるバージョンのプロダクトや機能を比較して、どちらがより効果的かを検証する方法です。例えば、複数のデザインや文言のパターンを比較検証し、どちらがより多くのコンバージョンを生むかを確認することが出来ます。これにより、データに基づいた意思決定が可能となり、プロダクトの改善を効率的に行うことができます。

さいごに

プロダクトのリリースには、企画からテストまで多くの人が関わり、さまざまな工程を経るので本当に大変です。どうしてもリリースをすることに意識が向き、リリースしたら終わりと考えがちです。しかし、せっかく頑張ってリリースしたのに、失敗に終わるのは非常に残念です。

リリースしてからの取り組み方によって、効果が大きく変化することを理解して、適切な取り組みを行ってください。小さく生んで、大きく育てる。この考え方を常に意識し、プロダクトをより良いものに成長させていきましょう。


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