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NFTは世界をどう塗り替えるのか? 投機的NFTから社会創造のためのNFTへ

昨晩実施されたセッション。私も所属するメタグリ研究所を運営されている甲斐さん(農情人)がパネリストとして登壇されました。

あとのお二方は、御朱印NFTの仕掛け人、秋山実愛さん(明和観光)及びNFTメタバース会社創業者の岩崎洋平さん。

岩崎さんのご経歴はキラキラ過ぎて目が眩みそうです(笑)。

東京大学在学中に旧司法試験に合格し、西村あさひ法律事務 所・内田鮫島法律事務所で弁護士勤務。スタンフォード大学から、 MBA・MSを取得。在学中にモアシス社を起業し、シリコンバレーで 資金調達。キュリオン社で、副社長・日本代表。両者はM&Aで Exit。ヴェオリアで副社長。現在は、NFTメタバースのスタートアッ プAnifieの創業者社長。スタンフォード大学ビジネススクールで、人 気授業 「Paths to Power」で毎年Protagonistとして講師。

Anifieが目指す世界は「1つのNFTがいろいろなメタバース上で動かせるようなクロスプラットフォーム」。

以下はセッションの中でも語られていましたが、私にとっては新しい視点でした。これまでは、日本は法整備が遅れており、商売に支障が出るのでシンガポールやドバイに脱出という文脈が多かったので。

「米国のデジタルアセットは古い判例をもとに規制されていて、規制の網が大きく、どう転ぶか分からないというリスクがあります。しかし日本はこの規制が非常によく整備されていて、きちんと押さえればリスクを予測しながらデジタルアセットのマネタイズが可能です」

「日本経済は世界で自信をなくして久しいですが、それでも世界第3位の経済大国です。第2位の中国は暗号資産すら禁止していることを考えれば、いまNFTメタバースの事業化を世界に先駆けて成し遂げることが、日本にとって大きなチャンスにつながるでしょう」

秋山さんが仕掛けた「竹神社御朱印NFT」の詳細は、こちら。

「ミントって何ですか?」という発言があったくらいNFTにあまり詳しくない方が仕掛け人。不思議に思ったのですが、上記の記事を見て納得。博報堂さんのプロジェクトなのですね。

「スクショとデジタルデータの違いもわからないシニア世代が、喜んで御朱印NFTをエアドロしていく」という話は興味深いです。秋山さんは頻繁に現場に出向き、エアドロをサポートされているそうです。

これらの方々にとっての御朱印NFTはトレーディングの対象ではなく、まさにデジタル御朱印。従来の御朱印帳がデジタルになったという感覚。

「お孫さんが見つけてウォレットに繋いで発掘したら、物凄い価値になっていた」ということは、まず起きないでしょうが(笑)、NFTと気づかずに所有しているというアプローチは斬新です。

プラットフォームとして採用されているのがNFT Studio。私は、今回、初めて知りました。ポリゴンベースの和製マーケットプレイスとのこと。

今回の御朱印NFTの展開には支障がないですが、今後、トレーディングを通じた価格上昇を目指すとなるとハードルが髙そうです。

個人的は、同じくCrypto Games社が関わっているHartiの方に可能性を感じます。普通にスマホアプリとしてダウンロードするだけでウォレットが簡単に作成でき、QRコードでNFTのエアドロを受けたり、保有NFTを読み取って電子チケット代わりに使用したり。何よりイーサリアムメインネット上に構築されていることが魅力。メタマスクから/にNFTを転送することも可能。

初心者がいきなりメタマスクを作ったり、仮想通貨取引所で口座開設しイーサを購入したりはハードルが髙すぎるので、まずはスマホアプリ感覚でウォレットを作り、エアドロでNFTをもらうところから始める。

その後、興味が沸いてきたら、口座とメタマスクを作り、イーサを入金し、NFTトレードを始める。という順番が現実的と考えます。ちなみに、Hartiでは独自ウォレット作成だけでなく、メタマスクを取り込むことも可能です。

話をセッションに戻します。御朱印NFTの流れから、甲斐さんが「神社toミント」(by 古事記project)の紹介をしてくださいました。秋山さんは、全くご存じなかった模様。

甲斐さんのパートは、毎度お馴染みのNFTの解説及びどの様な事業を目指しているかに関する実にわかりやすいプレゼンテーション。

メタグリ研究所詳細については、note記事とウェブサイトをご覧ください。

一方、どうやったらコミュニティを活性化させられるのか?登録はしたけれど、全く会話やイベントに参加しないメンバーを動機づけるのか?と悩みを吐露。

それに対し、岩崎さんが適切なアドバイス。コミュニティは通常、登録→様子見/学習→積極参加→アンバサダー化の軌跡を辿るので、いきなり大勢の人で盛り上がるものではないと。実に説得力がありました。

焦らず、異なる興味や期待を持った人々に対し、「参加したい」と思わせる機会を少しづつ提供していく。この様に、根気よく取り組んでいくしか道はなさそうです。

最後に、フィールド、NFTに関する理解度、取り組み姿勢が全く異なる3名を違和感なく調和させ、聴きごたえ満載のセッションに仕上げた博報堂の森永さんの手腕には、ただただ感服です。質問や合いの手が、いちいち鋭かったです。

<関連書籍紹介>

甲斐さんが書かれたNFT解説書。投機的NFTではなく、どう事業に活かしていくかの視点で書かれた有益でお薦めの一冊です。


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