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ジャパネット2代目が挑む脱カリスマ経営 権限移譲を行い組織力を底上げする王道経営

ジャパネットたかたと言えば、創業社長の高田明氏の絶妙な話術と甲高い声で成功した企業。というのが大方の人の認識ではないでしょうか?私も、そう思っていました。

アサヒ新聞デジタルの記事によると、現社長旭人(あきと)氏が父から社長を継承したのが、2015年、当時、35歳とのこと。

『会社の先行きを不安視する声が届いていた』とサラっと書いてありますが、相当な重圧であったと想像します。

佐世保市にスタジオを構え、アドリブを交えた生放送で消費者を魅了した。ビジネス向けに売り出されていたICレコーダーを「家族間での連絡用に」と紹介し、若者向けと言われていた電動歯ブラシを高齢者に売り込み、ヒットさせた。「カリスマ社長」として知られ、仕入れる商品の種類や数も自分で決めていた

出典:朝日新聞デジタル

確かに、これを再現するのは不可能に近い。そこで現社長が選んだ戦略は、

「感性よりも理論で」と戦略を練った。社員の力を引き出す仕組み作りに奔走し、番組の司会は社員に任せた。子会社を増やして権限を分散し、経営を担える幹部を育てた。課長級の250人と直接メールを交わし、チーム力を高めることに力を注ぐ

出典:朝日新聞デジタル

この戦略が奏功し、結果も出ている様だ。

社長交代から7年。21年の売上高は2500億円と6割も増えた。今年3月にはBS放送局「BSJapanext(ビーエスジャパネクスト)」を開く。通販番組に加え、旅やクイズの番組をお茶の間に届ける。旭人氏が進める「脱カリスマ」経営が根を張りつつある。

出典:朝日新聞デジタル

もちろん現社長の努力と才覚による部分が大きいと思いますが、一方で創業社長の引退後の姿勢も大きな要素と思います。

その私が今、ジャパネットの経営とどのように関わっているのか。実は、社長を交代した後は経営に一切口を出していないんです。

もちろん、時には「こうした方がいいな」と思うこともありますよ。しかし、私が何かを言えば迷いが出てしまうでしょう。息子とはジャパネットで十数年間も一緒に働きましたし、信用しています。だから、経営について何も言わないようにしています。

出典:日経ビジネス

後任に何も言わない様にする。言うが易しですが、実践はかなかな難しいです。社長経験ではなくとも、業務引継ぎ後、後任者につい色々言いたくなるという、あの感情です。

あと、一旦、介入してしまうと、社員が「どっちを見て仕事すれば良いのか?」と迷いが生じる。最悪なのは、両方に事前根回しすることが常態化すること。

創業者の高田明氏が有名になる以前の話は、存じ上げなかったのですが、下記記事が分かりやすいです。

この記事を読むと、元から話術の天才であった訳ではなく、家庭や得意先に何度も出向いて、商品説明を繰り返す中、どうしたら伝わりやすいか?を現場で磨いていった。それが、通販で開花したということの様です。「声」だけは天性のものかも知れませんが。

私が大事にしたのは、ビデオ撮影に興味を持っているお客様に、どうやって使えばいいのかを紹介すること。高齢のお客様のところでお孫さんが楽しく遊ぶ姿を撮影したり、ペットを飼うお客様を訪問して犬や猫の様子を撮影したりしてみせました。その場でビデオカメラをテレビに接続して撮影した映像を映すと、飛ぶように売れましたね。

出典:日経ビジネス

話を、現社長旭人氏に戻します。朝日デジタル記事の後段に書かれている「長崎スタジアムシティ」の話。40万人の商圏に対し、700億円投入して大丈夫か?と『採算を危ぶむ声は根強くある』

経済原則のセオリーからいくと、そうなのでしょうが、本業で損失が賄え、会社が揺らぐ様なことがなければ、それは、ひとつの選択なのだと思います。

長崎でめざすのは、平日も週末も人が集う新たな街だ。ジャパネットが強みとする「見つけて、磨いて、伝える」手法を活用する。よい商品を発掘し、時にはメーカーと共に改良し、魅力を消費者に伝えて購入してもらう。それを街づくりで実践する。スポーツやレジャーと通販を組み合わせ、訪れる人を満足させるアイデアは尽きない。「やるほどに可能性を感じている」

出典:朝日新聞デジタル

こういう志・大義に共感する人達が集まり、知恵とお金を出し合い、実現に向けて突き進んでいく。という明るい未来が待っていることを切に願います。

今の過度な東京への一極集中では、今後、日本経済が立ちいかないことは、皆、薄々感じているのではないでしょうか?

ヘッダー画像出典:朝日新聞デジタル

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