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書評・書籍紹介

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書評・書籍紹介に関する投稿をクリップしたマガジン。
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#ビジネス書が好き

【書籍紹介】ビジョナリー・カンパニー・ゼロ 。「リーダーシップ」編

本書は、ビジョナリーカンパニーシリーズが登場する以前、著者のジム・コリンズ氏が初めて書いたビヨンド・アントレプレナーシップに大幅な加筆をした改訂版となります。 ビル・ラジアーの教え編、人材が最も重要な経営資源編に続き、今回はリーダーシップ編となります。 著者のジムコリンズ氏は、2012年から2年間、ウエストポイント、米陸軍士官学校でリーダーシップ研究に取り組む機会に恵まれ、そこで大きな学びを得ました。 ウエストポイントは優れた人格を持つリーダーの育成に取り組む、世界有数

【書籍紹介】「儲けの科学 The B2B Marketing」庭山一郎 著

B2Bマーケティングに関し、体系的に学べる書籍を探していたら、本書に辿りつきました。 著者の庭山一郎氏は、シンフォニーマーケティング社の創業者であり、日本におけるB2Bマーケティングの草分け的存在。グローバルMA(マーケティングオートメーション)ツールの代理店となっている関係で、米国のツールベンダーとの幅広いネットワークを有し、また、ABM(アカウントベースドマーケティング)を日本に広めた第一人者とも言われています。 本書で解説されている米国のB2Bマーケティングの歴史、

【書籍紹介】ビジョナリー・カンパニー・ゼロ 。「人材が最も重要な経営資源」編

本書は、ビジョナリーカンパニーシリーズが登場する以前、著者のジム・コリンズ氏が初めて書いたビヨンド・アントレプレナーシップに大幅な加筆をした改訂版となります。 前回の「ビル・ラジアーの教え編」に続き、今回は「人材が最も重要な経営資源編」となります。 著者のジム・コリンズ氏が、偉大な企業について、四半世紀にわたって研究した結果、偉大な企業をつくるためのもっとも重要なスキルは、人材について優れた意思決定をする能力であるという結論に至りました。それを受け、ビヨンド・アントレプレ

【書籍紹介】戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 芹澤連 著

本書は、これまでマーケティングの常識と考えられてきた多くの理論が実は事実に照らし合わせると必ずしも正しくないということを大量の実証データを元に解説する衝撃的な1冊です。 著者の芹澤氏は、日経クロストレンドのインタビューで以下の様に述べています。 バイロンシャープ教授は、エビデンスベーストマーケティングを以下のように定義しています。 マーケティングが対象とする消費者購買行動、広告コミュニケーション、価格戦略等において様々な規則性が存在します。代表的なものは、ダブルジョパデ

産業再生機構 冨山和彦氏が語る日本企業の病理と処方箋

冨山氏は、旧産業再生機構の最高執行責任者としてカネボウ再生に辣腕を奮った後、大手企業の社外取締役や政府の各種委員会の委員としてもご活躍されています。 数々の企業再生の現場での経験を通じ、現在の日本企業が抱える病理に関し、鋭い指摘をされています。1960年代に確立した日本型経営モデルは、既に時代遅れになっているにも関わらず、従来のモデルに固執し、現在の環境に相応しい形に対応できていないと指摘します。 冨山氏は、経営を担うリーダー層の脆弱化が一番の問題であると指摘します。問題

【書籍紹介】ビジョナリー・カンパニー・ゼロ 「ビル・ラジアーの教え」編

本書は、ビジョナリーカンパニーシリーズが登場する以前、著者のジム・コリンズ氏が初めて書いたビヨンド・アントレプレナーシップに大幅な加筆をした改訂版となります。 原型となったビヨンド・アントレプレナーシップに関し、ネットフリックスの創業者リードヘイスティングスが、「本書は誰よりもどの本よりも、私のリーダシップを一変させてくれた。10年以上この本を読み返した。起業家なら、86ページ分を暗記せよ」と大絶賛しています。 今回は、本書の共著者に名を連ね、ビジョナリーカンパニーシリー

【書籍紹介】「スタンフォードの権力のレッスン」 デボラ・グルーンフェルド著

本書は、スタンフォード大学の人気MBAコースを書籍化したもので、権力の本質とその効果的な使い方について深く掘り下げています。著者は、ジャーナリズムの修士号、心理学の博士号を持ち権力と組織行動を専門に研究するデボラ・グルーンフェルド氏です。 権力の定義と誤解本書では、権力を単なる自己利益のための資源として捉えるのではなく、あらゆる人間関係や役割の中に存在するリソースとして再定義しています。権力は、他者のためにどのように使うかが重要であり、個人の地位や権力の大きさではなく、他者

【書籍紹介】「会社は頭から腐る」冨山和彦 著

本書は、企業経営における根本的な問題を掘り下げ、特に経営者の役割とその影響について考察した書籍です。著者である冨山和彦氏が自身の産業再生機構での経験を基に、企業再生の現場で直面した課題や成功事例を通じて、経営の本質を明らかにしています。 1. 経営の本質 本書の冒頭では、経営の本質についての考察がなされます。著者は、経営が悪化した企業に共通する特徴として、一流の現場を持ちながら、経営が三流であるという点を挙げています。これは、現場の優秀さと経営の質が必ずしも一致しないこと

【書籍紹介】「リーンイン:女性、仕事、リーダーへの意欲」シェリル・サンドバーグ著

本書は、Facebook(現Meta)のCOOであるシェリル・サンドバーグ氏によって2013年に書かれた、女性のキャリアと職場におけるリーダーシップに関する著書です。ビジネス界における女性の地位向上と、職場での平等を推進するための指針として広く読まれ、世界中で話題となりました。 著者についてシェリル・サンドバーグ氏は、テクノロジー業界で最も影響力のある女性の一人として知られています。ハーバード大学を卒業後、Google社の副社長を経て、2008年からFacebook(現Me

【書籍紹介】「50歳からは、これしかやらない」 大塚寿 著

本書は、シリーズ28万部のベストセラーとなった「40代を後悔しない50のリスト」の著者である元リクルートの大塚寿さんによる50代以降のキャリア戦略本です。 本書で一番言いたいことを要約するとこうなります。と本書は始まります。 50代で後悔していることトップ10定年後の人生設計をしておくべきだった。 仕事のモチベーションが沸かなくなった。 組織の名前ではないアイデンティティを確立できなかった。 新しい趣味が暇つぶしにしかならなかった。 働かないおじさん、おばさんにな

書籍紹介「ランチェスター戦略。弱者逆転の法則」福永雅文 著

動画版は、こちら。 本書は、戦国マーケティング株式会社の代表を務める、ランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏によって書かれた解説書です。 ランチェスター戦略とは第一次世界大戦中にイギリスの技術者FWランチェスターが提唱した戦争における戦闘の勝ち負けの法則です。この法則は第二次世界大戦のとき、アメリカ軍の作戦研究班によって応用され、戦争全体の勝ち負けの法則としてクープマンモデルに発展します。日本との戦争においても使用されたと言われています。 日本においてはコンサルタン

【書籍紹介】失敗から学ぶマーケティング 森行生 著

動画版は、こちら。 本書は、マーケティングコンサルタント歴30年超の森行生氏が執筆した、マーケティングの失敗パターンと成功確率を上げるための理論を体系化した書籍です。 基本的には、イノベーター理論とプロダクトライフサイクル理論の組み合わせで話が展開します。正しいタイミングと順番でターゲット消費者を捉えて、ライフサイクルに合った打ち手を実施することが重要。多くの失敗事例は、これができていないことに起因していると解説します。 キーワードは差別優位性。ここで重要なのは優位性と

【書籍紹介】インテントセールス 小笠原羽恭 著

動画版は、こちら。 本書は、セールスマーカー社の代表を務め、日本におけるインテントセールスの第一人者と言われる小笠原さんによる著作です。 インテントセールスとはインテントセールスとは、顧客のWeb上での行動データであるインテントデータを分析し、購買意欲の高い見込み客を特定して効率的にアプローチする営業手法です。具体的には、企業のWeb検索や問い合わせなどの行動履歴データから、興味関心の対象や検討の段階を推測し、相手に合わせた最適なチャネルとメッセージでアプローチします。

【書籍紹介】決定版 戦略プロフェッショナル 三枝匡 著

動画版は、こちら。 本書は、経営コンサルタントとして著名な三枝匡氏が自身の実体験をもとに執筆した企業変革ドラマです。本書は、事業戦略の立案と実行のプロセスを具体的に描き出し、戦略的思考の重要性を説いています。 物語の概要本書は、著者自身をモデルにした主人公が、20代から30代にかけて戦略経営者を目指して歩み始める様子を描いています。大企業就職から始まり、ボストンコンサルティンググループへの転職、MBA取得、そして30代早々に日米の合弁会社、新日本メディカルに米国側の責任者