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書評・書籍紹介

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書評・書籍紹介に関する投稿をクリップしたマガジン。
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#マーケティングの仕事

【書籍紹介】「儲けの科学 The B2B Marketing」庭山一郎 著

B2Bマーケティングに関し、体系的に学べる書籍を探していたら、本書に辿りつきました。 著者の庭山一郎氏は、シンフォニーマーケティング社の創業者であり、日本におけるB2Bマーケティングの草分け的存在。グローバルMA(マーケティングオートメーション)ツールの代理店となっている関係で、米国のツールベンダーとの幅広いネットワークを有し、また、ABM(アカウントベースドマーケティング)を日本に広めた第一人者とも言われています。 本書で解説されている米国のB2Bマーケティングの歴史、

【書籍紹介】戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 芹澤連 著

本書は、これまでマーケティングの常識と考えられてきた多くの理論が実は事実に照らし合わせると必ずしも正しくないということを大量の実証データを元に解説する衝撃的な1冊です。 著者の芹澤氏は、日経クロストレンドのインタビューで以下の様に述べています。 バイロンシャープ教授は、エビデンスベーストマーケティングを以下のように定義しています。 マーケティングが対象とする消費者購買行動、広告コミュニケーション、価格戦略等において様々な規則性が存在します。代表的なものは、ダブルジョパデ

書籍紹介「ランチェスター戦略。弱者逆転の法則」福永雅文 著

動画版は、こちら。 本書は、戦国マーケティング株式会社の代表を務める、ランチェスター戦略コンサルタント福永雅文氏によって書かれた解説書です。 ランチェスター戦略とは第一次世界大戦中にイギリスの技術者FWランチェスターが提唱した戦争における戦闘の勝ち負けの法則です。この法則は第二次世界大戦のとき、アメリカ軍の作戦研究班によって応用され、戦争全体の勝ち負けの法則としてクープマンモデルに発展します。日本との戦争においても使用されたと言われています。 日本においてはコンサルタン

【書籍紹介】失敗から学ぶマーケティング 森行生 著

動画版は、こちら。 本書は、マーケティングコンサルタント歴30年超の森行生氏が執筆した、マーケティングの失敗パターンと成功確率を上げるための理論を体系化した書籍です。 基本的には、イノベーター理論とプロダクトライフサイクル理論の組み合わせで話が展開します。正しいタイミングと順番でターゲット消費者を捉えて、ライフサイクルに合った打ち手を実施することが重要。多くの失敗事例は、これができていないことに起因していると解説します。 キーワードは差別優位性。ここで重要なのは優位性と

【動画版】成果を出す広報企画の作り方

動画は、こちら。 本書は、広報のプロフェッショナルである片岡英彦氏が執筆した、広報活動の実践的なガイドブックです。本書は、変化する広報環境に対応し、具体的な成果を出すための広報企画の立案方法を詳細に解説しています。 本書の構成と内容本書では、以下の内容がカバーされています。 テレビディレクターに取材したいと思われる企画。 ユーザーが見たくなる動画を広報に活用する企画。 商品、サービス広報の企画と提案に必要な要素。 企業広報の戦略立案と態度変容。 パブリシティ活動

【書籍紹介】「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」森岡毅 著

動画版は、こちら。 本書は、元USJの最高マーケティング責任者である森岡毅氏によるマーケティング入門書です。USJのV字回復の事例を基に、マーケティングの本質と実践的な手法を解説しています。 本書の核心は消費者視点というマーケティングの基本姿勢です。タイトルの「USJを劇的に変えたたった1つの考え方」でも、USJが作り手視点から消費者視点の会社に変わったことがV字回復の原動力だったことを表しています。具体的には、部門間や個人間の利害やしがらみをぶった切ってでも消費者価値と

【書籍紹介】書く仕事がしたい 佐藤友美 著

動画版は、こちら。 ライター、コラムニストとして活躍され、ライター養成講座の講師もされている佐藤ゆみさんの著書。 いわゆる文章の書き方を指南したものではなく、ライターとはどういう仕事で、どういう能力や準備が必要で、どうすればライターになれて、どのくらい稼げるのか? ご自身のライター講座で、受講生から頻繁に聞かれる質問。これは需要があるのでは?と着想を得たそうです。 文才がないとライターになれないのでは?誰しも、真っ先に考えるこの問いに対し、バッサリ切り込みます。 著

【書籍紹介】自分の会社をつくるということ 経沢香保子 著

動画版は、こちら。 著者の経沢さんは26歳の時に女性の強みを活かしたマーケティング会社トレンダーズを設立。その後の上場も含め、当時、若手女性起業家として注目を集めました。その後、トレンダーズからは手を引き、ベビーシッター派遣サービスを提供するキッズラインを設立。現在は、同社の社長をされています。 本書は2005年発売と20年前の本となりますが、現在でもバリバリに通用する経営の手法や心構えが満載です。 著者は、当時、女性起業家を養成する起業塾も運営されていたことから、女性

【書籍紹介】ファンベース 佐藤尚之著

動画版は、こちら。 本書は、元電通のプランナーであり、「明日の広告」、「明日のプランニング」等の著者でもある佐藤尚之さんによる著作。 著者が提唱するファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方です。 著者の佐藤さんは、この様に説明しています。 SNSの普及と共に、バズらせて話題化することで広告費を効率化することができると注目されました。ところが、どんなにバズっても一過性で終わることが多く、時が経つと簡単に忘れ去られる。

【書籍紹介】100円のコーラを1,000円で売る方法 永井孝尚著<後編>

動画版は、こちら。 前編では、本書で紹介されている10の理論の内、1~5について紹介しました。 後編では、6~10についてご紹介します。 6.競争優位に立つためのポジショニング:スキンケア商品を売り込まないエステサロン 久美は、過去、得意先の社長から「会計で、会社の経営状況の見える化ができるといいんだけどね」と何度も言われていたことを思い出しました。 そんなことを考えながら休日にエステの施術を受けていた際に「無料のスキンケアカウンセリングを受けないか?」と誘われます

【書籍紹介】100円のコーラを1,000円で売る方法 永井孝尚著<前編>

動画版は、こちら。 先日、Perplexityに「マーケティング初学者向けお薦め本」を聞いた際に初めて本書を知りました。 著者の永井孝尚さんは、日本IBM社でマーケティングマネジャーとして活躍された後、独立。現在はマーケティングコンサルタントをされています。 本書は、物語仕立てになっていること。そして、キャッチ―なタイトルから、かなりライトな内容を想像していましたが、良い意味で裏切られました。 マーケティング理論としてのカバー範囲が広く、かつ、いわゆる教科書的な内容で

【書籍紹介】「ドリルを売るには穴を売れ」佐藤義典 著

動画版は、こちら。 この数週間、マーケティング初学者向けのお勧め本について、色々とリサーチをしています。その中で、複数の方が「ドリルを売るには穴を売れ」を勧めていたので、早速、読んでみました。 まえがきにて、本書を執筆するに至った背景が以下の通り語られています。 それならば、自分で書こうと本書が生まれたとのこと。 確かに、厳選されたマーケティング理論やフレームワークが、基礎的な説明とセットで小説風に仕立てたケーススタディの形で紹介されており、初学者でも理解しやすい。か

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【書籍紹介】なぜか売れるの公式 理央周著

著者の理央周さんは、アマゾンジャパン、フィリップモリス、マスターカード等の外資系企業でマーケターとして活躍され、現在はマーケティングコンサルタントをされています。大学で教鞭を取られていた経験もお持ちです。 本書の中で、マーケティングとは「自然に売れる仕組みを作る」ことであり、「①何を、②誰に、③どうやって」売るのかを組み立てることであると解説されています。 これは、ビジネス書にも言えます。本書のターゲットはマーケティングの初学者。具体的には、以下の通り説明されています。