[kintone] メールはAIの下書きを推敲して送る時代! kintoneアプリでビジネスコミュニケーションを効率化
こんにちは、キン担ラボの本橋です。
メールをゼロから書き上げるのと、誰かが書いた文章を削ってまとめるのはどっちが手軽?というお話です。
孫正義「AIを使わないのは電気や自動車を使わないのと同じ」
10月4日のニュースで、ソフトバンク孫正義氏がAIを使わない人は損しているよ、と発言したお話が聞こえてきました。
現状ではまだまだ「意識してAIを使う」ケースがほとんどなので仕方ないとも言えます。みんなしてAIの使い方を模索している段階です。いまは誰もが毎日コンピューターを使っているのと同じように、次第にAIが日常に溶け込んでいって毎日AIを使うようになっていくのは間違いありません。
だとしても今この瞬間、AIを使う人と使わない人とで生産性が段違いなのも事実です。『みんなあんまりAIを使ってくれないんだよなー』なんて管理者の声が聞こえてきそうなくらい事実です。
使わない気持ちも分からないでもなくて、『AIに与えるプロンプト』という新しいスタイルの作文も必要なこともあり、慣れてない人にとってはハードルが高いうえになんだかよく分からなくて怖いのです。
そこで! ですよ!
『AIにメールの下書きを書いてもらうkintoneアプリ』を作ってみました。こんな使い方ができます。
このkintoneアプリを使ってみてよ、とチームメンバーに案内することで日常業務にAIを浸透させてみてはいかがでしょうか。
メール作成のストレスを解消!
親しい友人に宛てたメールならともかく、ビジネスメールを書き始めるのって筆が重くなりませんか? 早く書いたほうが良いことも理解しながらついつい後回しにしてしまいます。
メールに書きたい要件は分かっている、なんなら箇条書きで書き出してすらいるのに、そこからなかなか手が進まない。
そんなストレスを軽減するため、まず最初の段階では手直しする前提で表現過剰な下書きメールをChatGPTに書いてもらって、自分はそこを半分くらいに刈り込んでいくだけ、という作業にトランスフォーメーションしてしまいましょう。
われわれはkintoneを使っていますので、どんなことを書き出せばよいかという指示を含めてkintoneでアプリ化しておくことができます。ChatGPTに問い合わせるkintoneプラグインも無料公開しています。
kintoneには『これだけの情報を揃えて書いて』を要求するフォームを配置して、あとはChatGPTに問い合わせるだけ。
アプリの使い方を説明していきます。
1. メールに起こしたい要素を書き出す
すべての文章を書き起こすのは大変です。でも以下のフォームに埋めるだけなら手早くできそうじゃないですか?
宛名
メールの冒頭で呼びかける相手の名前です。
あとから書き換えるので仮名でも大丈夫です。
トピック
メールの主題です。
~の件について、と文面で触れます。
メールの用途
文面に持たせたい機能です。
先方への問い合わせなのか、いただいた問い合わせへの回答なのか、あるいはお礼メールなのか、思うように書いてください。
受信者に読み取ってもらいたい感情
込めたい気持ちを記述してください。
自由に、箇条書きでも構わないので詳しく書きましょう。
ぶっきらぼうな書き方でも、あとからAIが敬語に変換してくれます。
ビジネス(10)↔カジュアル(1)
通常のビジネスメールなら7くらいで大丈夫です。
最大限形式的なメールを書きたい場合は10を指定してください。
数字が小さいと絵文字とか使い始める場合があります。
2. AIに代書を依頼する
編集画面でこちらの『代書を依頼する』ボタンを押してください。
3. AIが書いた下書きを読む
4. 下書きを削って清書する
AIの下書きを手直していきます。表現をわざと過剰にして作文してもらっていますので、基本的にはガリガリ削っていくだけで読みやすい文章かつ自分の文体に書き換えられるかと思います。
最後に、お使いのメールアプリに清書をコピペしたら目をつぶって送信ボタンを押せば仕事はおしまいです!
そんなkintoneアプリをどう作ればよいのか、見ていきたいと思います。(アプリの中身には別に興味ないよ、という方は『AI Transformation(AIX)だそうですよ』までジャンプしてください)
kintoneアプリの作り方
作成済みアプリのアプリテンプレートとChattyToneプラグインの設定情報もこちらに置いておきます。ご自由にご利用ください。
ChattyToneプラグインのダウンロード&インストール方法と設定方法も別のnoteに詳しく説明しています。基本はプラグインをインストールして⇧の設定jsonファイルをアップロードすれば使えます。
プラグインの使い方はこちらのnoteもあわせてどうぞ。
アプリの説明
作成したkintoneアプリのフォーム配置はこちらの通り。
配置したフォーム部品の説明
フィールドコードはフィールド名と一致させています。(計算式で使います)
宛名
文字列(1行)
トピック
文字列(1行)
メールの用途
文字列(1行)
受信者に読み取ってもらいたい勘定
文字列(1行)
カジュアル度
数値
スペース
ボタン配置用のスペースです。
プラグインが利用しますのでID指定もお忘れなく。
メールの下書き
文字列(複数行)
清書
文字列(複数行)
システム利用グループ
一行プロンプト
文字列(1行)
ここがChatGPTに与えるプロンプトになります。自動計算で下記の計算式をセットしてください。
カジュアル度
文字列(1行)
一行プロンプトの計算式
全部繋げてスラッシュで区切っています。複数行文字列フィールドだと自動計算ができないので一行文字列フィールドにしました。
カジュアル度の計算式
プラグインの設定
ChatGPT用プロンプト
他はデフォルトで大丈夫です。OpenAI APIのAPI Keyだけはご自分でご用意頂く必要があります。リンク先をご参照ください。
AI Transformation(AIX)だそうですよ
デジタル・トランスフォーメーションでDXですが、この言葉だとデジタル化すればいいのかな?みたいに勘違いしがちです。
DXの要点はトランスフォーメーションすることなので、どっちかというとデジタルかどうかはどうでもよくてトランスフォーメーションが大事なわけです。デジタルだとトランスフォーメーションしやすいよ、くらいのニュアンスでしょうか。
DXから一歩進んで、Workflow Transformationだと自分の作業フローを変えましょうというお話になります。今回の『メールを書く』フローでいうと
メールを書く
文書を推敲する
送る
こんなに億劫だったワークフローが
AIが下書きを書く
推敲する
送る
という軽量なフローに変化しています。
もともとは『メール本文を書きあげる』が中心だった仕事でしたが、AIのお陰で『推敲する』を中心として省力化できました。これぞAIの力というわけです。
中嶋聡さんのvoicy
こうやってAIを活用して仕事を軽量化していくトランスフォーメーションのことを、AIトランスフォーメーション、AIXと呼ぶのだそうです。
中島聡さんの提唱です。
kintoneとAI
AIのパワーで仕事をどんどん軽量化していくためには、kintoneはAIととても相性の良いプラットフォームだと思っています。
ぜひkintoneとChattyToneプラグインを使ってAIXに挑戦してみてください。
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