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リモート映画『アワータイム』制作日誌⑦[編集編]

今日は石田です。今までの記事で一番長いですがよろしくお願いします...。大矢くんの記事との落差がすごいな...。

5/9夜に本番のワンテイク収録を終え、そのまま編集に。脚本段階で大智(DEGさん)の誕生日が本編の公開日という小ネタ(気づいてくれました??笑 本編公開の5/11の20時に合わせてオンライン飲み会も20時から始まってるんです)を仕込んでいたためになにがあっても公開日はずらせないという状況。

すでに打ち合わせ段階からDEGさんの「オーバーフェンス」、YUSUKEくんのバンド、3SET-BOBの「それでもまだ」を使うというのは決めていたので、5/9の昼にはオープニングの日記のシーン、エンドロールのタイトルの入りや曲のタイミングを決めたものを仮で作っていました。

この仮で作っていたもの+読み合わせを通して事前に尺調整。オープニング(1:30)→ワンテイク部乱入前(7:30)→ワンテイク部乱入後(4:00)→エンドロール(1:30)=14:30という尺がワンテイク収録前に出ていました。企画立案当初の想定の本編尺は20:00。逆算して乱入は1人2:30〜3:00と設定。完成尺は長くなっても21、22分ほどでおさまるだろうと思っていました。しかし今本編として出しているものは25分です。ただ単純に乱入が盛り上がりすぎました。

改めてですが、本番の乱入パートに関してはわたしたちスタッフもメインの4人がどういう反応をするかまったくわからない状況。わたしはZOOM内チャットで経過時間を乱入キャストに報告しながらタイムキープ、乱入者の退場はわたしがZOOMの機能を使い手動で追い出すという大役を担っていたため、本番のキャストの皆さんのリアクションを落ち着いて見れなかった部分も。

なので編集の時に、「この人、こんなこと言ってたんだ…!」と気づいた部分も多々あります。せっかくなのでここで簡単に振り返ってみたいと思います!

・10:00〜
「ひょっとしたらひと:みちゃんが乱入キャストかも…」と予想していたらしい上野くんのリアクション。
・11:43〜
DEGさんのキレキレのツッコミに対し「そうですよねー」と思わず敬語で返してしまう津田さん。
・14:26〜
人間じゃないカメレオールさんに対して完全に硬直。その後ボソッと放ったYUSUKEくんの「星が違う…」
・15:20〜
カメレオールさんの"指"が気になって、ひたすらツッコミ続けるDEGさん。

ここらへんはわたしのお気に入りです。他にもいっぱい見所はあるのでぜひ探してみてください!笑

あと、ひと:みちゃん、カメレオールさん、竹下さんの登場のきっかけセリフは全部津田さんに任せています。ひと:みちゃんは幼馴染4人の話の流れそのままに入ってきてもらうのですが、カメレオールさん、竹下さんの画面への入りはアドリブの流れの中にあります。ここは津田さんに「話題をぶった切ってでもこのセリフだけは確実に言ってくれ」ときっかけのセリフを用意しました。アドリブのパートでは津田さんの素直なリアクションを期待していただけに、流れを作る役割を任せて、津田さん自身の良さが消えたらどうしよう...とかいろいろ考えましたが本番のデータを確認しても心配は必要なかったですね。きっちりと脚本を作って読み合わせを重ねている乱入前と乱入後も、「相槌やリアクション、言い回しは自由にやりやすいように加えていってください」とお願いし実際に読んでもらって、キャストのみなさんから出たものを積極的に採用。どんどん脚本に書き加えていくやり方でした。読み合わせ中に楽しくなりすぎ、本から逸れて話が繋がらなくなった津田さんへ、一度だけ注意したこともあります。笑 津田晴香の暴走を食い止める意味でも人選には間違いはなかったかと思います。笑

さてさて、編集に話を戻しますがワンテイク部分の画面は当初編集するつもりでした。(そのあたりの詳しい話はDr.ストレンジ・キネマラブ内でわたしが話しています。)

画面構成に関しては上記の動画で触れられてる通り、最初は画面をスイッチングするための素材も用意していました。しかし1人1人の素のリアクションや言葉が面白いため、何度も観て楽しめるようにとスイッチングなしのそのままの画面を本編として公開しています(元々オープニングとエンドロールはわたし、ワンテイク部は大矢くんの編集と割り振っていたので、スイッチング済みのデータを作ってもらってたんですがこのような理由によりごっそり落としました!ごめんね!笑)

この動画の中でもちらっと触れられてるのですが、音の編集作業で大きな役割を担ってくれた片山大輔さん。読み合わせ段階から音の問題がかなり心配だったため、あらかじめ片山さんに相談していました。1回目の読み合わせ終了時にテスト収録していたものを片山さんに送って一度作業をしてもらい、素材データと作業後のデータにどのくらい違いがでるかをチェック。結果、片山さんの作業によりかなり音問題が改善されたため、本番のデータがあがり次第即データを送って音の作業をしてもらうという流れで編集は進みます(その間にわたしは画面の編集へ)。これはあとあと聞いた話ですが、片山さんが使っているソフトに「AIで音声を認識して自動で音量バランスの調整やノイズの除去を行う」ものがあったらしいのですが、そのAIを持ってしても上野くんのトイレットペーパーマイクの音は判別不可能。AIすらも迷わせるシロモノだったそうな…。笑 本編として出してるものも相当聞き取りづらい箇所があるかと思いますが、元の素材は本当に何を言ってるかわかりません。何度も言うようですが片山さんのおかげでかなり改善されてます。

あとはオープニングの日記パートですかね。プロットの段階から日記ではじまるというのは決めていて、そこにDEGさんの曲を合わせられたらいいなというのは当初からありました。いろんな曲を聴いて「オーバーフェンス」を使うことに決めたのもわたしです。歌ってる動画も撮って欲しいとDEGさんにお願いし、編集で画面にはめ込みながら作っていきました。

(「オーバーフェンス」フル尺のMVもぜひご覧ください)

悩んだのは画面配置。どうしても2つの素材(歌っているところと日記)を使うとZOOMの分割画面っぽくなってしまい、これが得策なのか大矢くんと議論を繰り重ねました。最終的には、最初にわたしが頭の中で思い描いていた通りの編集にはなりましたが、ここが最後まで悩んだところです。

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(今回の制作期間中、わたしが大矢くんに対して唯一語気を荒げたやりとり。ちなみに「KOBE OF THE DEAD」の撮影日は遅刻してきた大矢くんに朝8時からブチ切れたわたし。)

公開後ありがたいことに媒体の取材を受ける機会もあり、この作品についてわたしは「この話は過去と現在だけで構成している。わたしはネガティブな人間だから今の状況で未来のことは考える気にはなれない。未来を考えたくない自分を許容したいし肯定もしたかった」と言った内容のことを言ってみたりしてます(なんか自分で改めて文章化すると恥ずかしいですね)。この作品は3SET-BOBの「それでもまだ」がエンドロールでかかって、初めて「未来」という単語が出てきます。大事にしたい「今日」を積み上げていけば、「明日」もたぶんそれなりにやっていけるんじゃないかな。この曲でこの作品が終わることがわたしにとっての希望でもあります。

(エンドロールで使っているのは1番のAメロBメロ→サビなんですが、本当は2番の AメロBメロを使いたかった。曲の構成的に不可能だったので泣く泣く諦めたのです。よかったらフル尺で聞いてみてください!)

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(公開日の5/11昼には一度、関係者各位にプレビュー用URLを送信。これはわたしの手が滑って「はるかのとびら」のリンクを送ってしまったときのLINEの画面)

こんな感じで、このときはふざけてしまうくらい余裕だったのですが、結局このあと音楽が乗る部分の音量バランスの再調整に入り、公開時間の20:00の1時間前くらいの19:00に完成版のデータがYouTubeにアップし終わるというギリギリっぷり

そんなこんなで公開の5/11の20:00を迎えるのでありました...。

(つづく)


『アワータイム』


【出演】
DEG・上野伸弥・津田晴香・YUSUKE(3SET-BOB)
ひと:みちゃん・職業怪人カメレオール・竹下かおり

【スタッフ】
監督:大矢哲紀(映画チア部)
企画・脚本:石田涼(元町映画館)

【あらすじ】
オンライン飲み会で集まった幼馴染の男女4人。はじめは近況の報告やたわいもない話で盛り上がる4人だったが、突然そこに、見知らぬ人物が乱入。楽しかったはずのオンライン飲み会は予想もしなかった方向に転がっていく...。



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