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リモート映画『アワータイム』制作日誌①[企画編]

先日、元町映画館YouTubeチャンネルにて公開されましたリモート映画『アワータイム』もうご覧くださったでしょうか?

『アワータイム』
【出演】
DEG・上野伸弥・津田晴香・YUSUKE(3SET-BOB)
ひと:みちゃん・職業怪人カメレオール・竹下かおり

【スタッフ】
監督:大矢哲紀(映画チア部)
企画・脚本:石田涼(元町映画館)

【あらすじ】
オンライン飲み会で集まった幼馴染の男女4人。はじめは近況の報告やたわいもない話で盛り上がる4人だったが、突然そこに、見知らぬ人物が乱入。楽しかったはずのオンライン飲み会は予想もしなかった方向に転がっていく...。


ってな感じで神戸のミニシアター【元町映画館】、そして学生のための学生による映画宣伝隊【映画チア部】が手を組み、リモート映画を制作!!映画を映す側、そして応援する側から仕掛けた映画を撮るという行為。どうです?面白いでしょう?

申し遅れました、わたしが元町映画館の石田です。本作の企画・脚本その他諸々を担当しております。元町映画館のSNSなどでは(り)として投稿したりなんかも。

挨拶はこれくらいにして今回こちらのnoteを使って、どういう風に企画が立ち上がり、どういう風に作品として成り立っていったのか。そういったことをつらつらと書き留めていきたいと思ってます。


遡ること4月15日より、元町映画館は休館となりました。

休館後数日は劇場に足を運んでやる作業もあったのですが、気づけばそれもすぐになくなり外出自粛の日々。ミニシアターエイド基金のCFはどんどんと額が膨らみ、京阪神13館応援Tシャツの売上額も確定、劇場にも個別に支援金が集まる。そんな状況の中、わたしは家でぼーっと過ごしてました。

恥ずかしかったです。率直に。生きていくことが。

みなさまが「ミニシアターをなくしたくない」と思って支援してくれたお金で給料が保証される身分、なにもしなくても1、2ヶ月は生活できそうだけど、本当にそれでいいのか、と。そんな感じのことがぐるぐると頭を駆け巡って、落ち込んではなんかちょっと取り戻して。ずっとその繰り返しでした。

そんな中で行定勲監督のリモート映画『きょうのできごと a day in the home』を見ました。とにかくめちゃくちゃおもしろかったです。わたしの大好きなものが詰まってました。

そして、「これならできるかも」と単純に思いました。ディスってるわけでなく、このフォーマットでなら自分にも映画を作ることができるのではないか?そう思ったのです。

わたしは学生時代、映像系の専門学校に通っておりテレビ番組、映画の作り方なんかははさらーっと習ってきた経験がありまして。映画制作の授業で撮影とか照明なんかもやったのですが、カットを割るだとか画角がどうだとかそういうことに制作者としてまったく興味が持てないことが学生時代のうちにわかりました。対してシナリオを書くことだけは好きでした。シナリオの授業だけはめちゃくちゃ本気でやってました。

リモート映画ならある程度、学生時代にわたしが興味をもてなかった部分をすっ飛ばして映画が制作できるかも。そして映画館が映画を作るなんて聞いたことないし、話題になるかもしれない。

そんな風に考えを巡らせてるうちに、思いついたのが「映画チア部の大矢くんを巻き込もう」ということでした。彼とは昨年映画チア部で制作した「KOBE OF THE DEAD」(大矢くんが監督、わたしは事前準備から現場まで手伝っただけかと思いきや助監督としてクレジットされてました笑)での関係があります。彼は映画チア部の活動の中でもびっくりするようなポンコツっぷりを披露するのですが、映画の現場での監督としての動きは本当に素晴らしかったのです。

そう、それだ!それしかない!

と、とりあえず大矢くんに連絡しました。(ここでそのLINEをスクショして貼ろうと思ったのですが、最近大矢くんと連絡を取りすぎて遡れませんでした)

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(なので大矢くんから提供してもらいました。左がわたし。右が大矢くん)

こんなLINEを送っておきながら正直、わたし自身が一番リモート映画に対して懐疑的だったと思います。

だって今まで映画館で見てきた映画たちにリモート映画が勝てるわけなんてないんです。先ほど書いたように映画が映画としてあるための過程を一部吹っ飛ばす行為です、リモートで映画を撮るというのは。それを映画館がやってしまっていいのか。そんなことを思いながらも返事を待ちました(大矢くんの返事は即答で「やる!」ということだったので細かい流れはばっさり割愛します笑)

その場で大矢くんが監督、わたしが脚本という形で分担してやっていく方向性も決めました。

このようにしてリモート映画制作プロジェクトは始動。この時点で2020年4月28日でした。


(つづく)






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