無敵の被害者にならない
昔、フルーツバスケットという漫画を読んでました。
異性に抱きしめられると十二支に変身してしまう一族と、その一族と関わることになった心優しい苦労人の女の子のお話。
印象に残っているシーンがあって、キョウっていう猫に変身するキャラクターがいるんですけど、キョウがユキっていう鼠に変身するキャラに対してずっと憎しみを持っていて。何かにつけ、お前のせいだ!って言うんですよね。
それに対して、誰の発言だったかまでは忘れたんですけど「ユキのせいじゃないと、困るんだろ?ずっとそうしてろ」って核心をつくシーンがあって。
子ども心には このシーンの意味が 分かるような分からないような感じになった記憶があります。キョウはこんなに可哀想なのに、なんでそんなこと言うんだろって。大人になるにつれて、なんとなく分かるようになりました。
被害者面してれば、努力しなくていい。無敵の被害者になってしまう。
つらいときにそのポジションに少し留まるのはいいけど、そこからいつかは抜け出して、自分の幸せを掴めたらいいと思う。既製品の幸せに拘らなければ、それはできる。
もうひとつ、印象的なシーンがある。モミジっていう兎に変身するキャラが、母親が病んでいて愛情を受けられずに育つんですけど、「辛いことがあるからって、それが満たされないからって僕が幸せになれないなんてことはない。勝手に不幸って決めないで」(台詞はうろ覚え)って強く前を向くシーン。
自分の人生の中に、客観的に見たら不幸な要素が詰まっていたり、欠落している部分があっても、「そこが満たされなくても」自分の幸せは見つけられるんだっていう言葉が沁みましたね。
最近、被害者意識について考えることが多いので、思い出したのでした。こんなことをされた可哀想な私、こんなに辛いことがあった可哀想な私、に拘るのをやめて、自分が持っているもので周りに何ができるか考えていきたい。
いい漫画だったなあ。今読んだら、また違う感想も持てるかも。
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