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【1人用DCG開発】ゲームの演出はピザでいえばトマトソースである

演出を実装する目的

ゲームに演出を実装する目的は大きく2点あると考えている。
(1)アクションの結果をわかりやすくプレイヤーに提示するため。
 例えば、攻撃モーションが無いとどのユニットが、どれに攻撃して、どこから反撃を受けたかがわかりにくい。また、演出を入れることによって、アクションの結果が良いのか悪いのかを判断できる場合もある。
(2)演出によって、ユーザに爽快感を与えるため。
 特別なアクションには特別な効果を入れることで、通常とは異なる快感を提供する。例えば、なかなか出せない切り札となるカードを使うことで勝利する場合に特別な演出を行うと、勝利の快感を増幅できる効果が期待できる。
今回も他のゲームを参考にしながら、実装を行っていく。

演出:カードを引く

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シャドウバースは、右側のカード置き場から、ひょいっと取ってきて、カードを正方向にして一瞬止まってプレイヤーに視認させる。その後、手札に入っていく。実際のカードで山札からめくる動作に似た感じになっている。中身を空中で一旦見るということでは、麻雀でツモるときの動作に似ている。
速度は結構ゆっくりだが、1回のアクションで複数枚一気に取るので、テンポ的には気にならない。

自分のゲームでは、内部的に山札から1枚ずつ取るようになっていて、複数枚一気に取るということを考えていなかった。
この仕組みを演出のためにいまさら変えることもできないので、カード取得をゆっくりではなく、高速化する方向にした。
左側が山札で、右側が捨て札になっている。カードがどこからきて、どこへ行くのかを可視化するのは自分のゲームにとっては必要だったので、そこは視覚化したい。
結果、少しだけ山型アーチの軌跡で1枚ずつ移動することした。1枚あたり12F、0.2秒で移動させる。手札は5枚ドローを予定しているので、1.0秒くらいであれば問題ないだろう。

演出:カードをプレイ

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プレイヤーがこのカードを使ったということを明示することが目的。
シャドウバースの場合、カードを回転させて左上または中央に登場させ、一瞬静止。その後、場に残るか、スペルの場合は消えてしまう。
Slay The Spireの場合は、プレイしたらカードが静止せずに、即捨て札行きとなる。「相手がカードをプレイする」という概念がないので、こういう実装なのだろう。

自分のゲームでは、プレイ時にカードを捨て札へ移動して、その後回転から場に残るか、消える。
最初はプレイ演出の後に、カード捨て札に移動移動していたが、違和感があったため変更。プレイ時演出も、アニメーションをバリバリに入れていたが、視認性とテンポが悪くなってしまったため、最小限にした。
特別なカードをプレイしたときには追加演出を入れようとは思っているが、基本は必要最低限に。
そうすることで、特別な演出が引き立つようにしている。

演出:カードパワーアップ

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シャドウバースの場合、自分で進化権を使って進化するとカードが拡大して、回転して光って着地。フォロワーによっては専用演出もある。ゲームで形勢を逆転する場合もある状況なので、ド派手な演出となっている。
モーションが全体で3秒前後あり、非常に長くなっている。
これはプレイヤーに落ち着いて操作させるためにあえて長く作っているのかもしれないが、やはり長い。バージョンアップしても、このモーションに変化がないということは意図しているのだと思う。

自分のゲームでは、カードを中央に高速移動して、画面全体をズームさせている。進化後は枠を変えて、カード背景をアニメーションさせて「これは進化してますよ」感を出している。
演出時間は現バージョンだと1.6秒。これでも削った方だが、細かい動きを入れるとその分どうしても長くなってしまう。

演出:ユニットの攻撃

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シャドウバースは、フォロワーを選択して攻撃させようとすると、ほんの少し上下に浮遊する。攻撃時には、攻撃側と防御側が少し浮き、攻撃側が高速回転した後、フォロワー固有の攻撃モーションを行う。
攻撃モーション自体は高速だが、トリガによって何らかの効果が発生する場合は、トリガカードのモーション(例えばフォロワーの旗アイコンが光る)を発動した後に攻撃モーションを実行するといった、割り込み処理を行ってる。

自分のゲームは、シャドウバースにだいぶ似てしまったが、浮遊→攻撃の形にした。再現クオリティが低いので似ていても問題ないと信じる。
攻撃側の攻撃完了を待たずに、防御側の攻撃モーションを開始したいが、非同期で処理を行うとバグってしまうので断念した。
カードの効果による割り込み処理は現時点では入れていない。基本的な攻撃モーションは実装したので一旦終了とし、あとで余裕があれば、演出を追加していく。

自分のゲームに実装した結果

自分のゲームの実装はこんな感じになった。
まだ改良の余地はある。

実装の正解を求めて

レイアウト以上に演出は正解がないので難しい。
正解はないといっても「こうしてはいけない」といった誤りは存在する。
そこを意識して見極めていくことが重要だ。
ピザにとってトマトソースは重要であるが、トマトソースを作ってみても「味が決まらない」ということがある。
何を足して何を引いていくか、それを探っていくのがゲーム制作の面白さだと思っている。

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