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インサイダー情報のニュース

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

先日のニュース。三菱UFJ銀行の行員が、株式公開買い付けの情報を公開前に親族に漏らした。親族・関係者がその会社の株を売買して数百万円の利益を得たらしい。

なぜこんな前近代的な事件が今でも起こるのだろう? 超一流企業の三菱UFJの社員ならインサイダー情報に関する社員教育を十分に受けていて、厳しい監視体制もあると思うのに、、、。

若い時に、商社の人と食事をしたことがある。町工場で働く私にとって商社の人の話はアンテナが高く、儲け話に敏感で、いつも儲けることばかり考えている人間に思えた。別世界の人たちという印象だった。

金融関係の会社で働く人は、金融リテラシーが高いから、資産を増やす話を職業柄豊富に持ち合わせている。私の知るA氏の娘は大手銀行に勤めている。A氏は娘のアドバイスに従い外貨建て生命保険、、、という高額商品を購入したそうだ。専門家の娘によれば金利面、税制面など総合的にかなりお得なんだそうだ。

マンションを販売する不動産会社に勤務するB氏は、ただ客に販売するだけでなく、自分でもマンションを購入し賃貸収入を得ているそうだ。B氏は不動産の専門家だから、賃貸収入、金利、税制優遇、将来の値上がりなど総合的に勘案し儲け話が分かるのだろう。

株式投資をしていると株主へのアンケートが届く。よくある質問が、「当社の株式を購入されたきっかけは何ですか?」というのがあり、選択肢の一つに「証券会社の勧め」というのがある。

証券会社の専門家は情報通だから儲け話に詳しいに違いない。一般人が専門家の勧めに従って株を買うという行為は分からなくはないが、危うい。インサイダーという言葉が使われる以前からある証券業界の闇部を私は感じてしまう。

証券会社の社員は自分では個別株を購入できないらしい。また取引には会社の許可がいるらしい。だが、裏を返せば親戚・知人などの名義を使えば自由に売買できるということでもある。

今回のインサイダーのニュース。さっと流れて、さっと忘れ去られていくような気がする。証券取引等監査委員会が強制捜査に入って、関わった行員が懲戒解雇になる。それで終わってしまっては日本の株式市場は良くならない。

専門家の儲け話と、インサイダー情報は、メディアの報道では似たような案件として扱われているように思えてならないが、実は全く異なる性質のもので重要度が違う。

インサイダー情報は、その情報が生まれる時から情報に接する人間を限定固定し、企業がその信用をかけてトップシークレットとして守秘管理しなければならないもの。

日本の証券口座は全てマイナンバーと紐づいているのだから、デジタル技術で不正取引を監視することぐらい容易ではないかと思う。透明性、公正・公平さを担保するすることが株式市場で最も大切だと思うのだが、今日の報道からは関係する会社の覚悟が見えない。

私が20年ほど前から保有する株が、最近公開買い付け(TOB)になった。ちょっとした宝くじに当たったような気分だ。だけど、売買手数料として5千円以上取られてしまった。もう全面的にネット証券に引っ越そうかと考えている。
<了>


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