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マイナカードを使ってみた

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

最近、評判の悪いマイナンバーカードを使う機会が二度あった。

4か月ほど前から足の裏が痛くなり、これはおかしいと思っていた。ただ、少し時間が経てば痛みが消えるだろうと、ずっと様子を見ていた。だが、症状は良くならず、心配になってきたので、1か月前に行きつけの整形外科へ5年ぶりに行った。

もちろん紙の健康保険証も持っていたが、受付でマイナカードを使ってみた。読み取り機に入れたが、うまく作動できないので手間がかかっていたら、後ろのオバ様が、「この方向に入れるんです」「それ押すんです」と教えてくれてすぐにクリアした。

操作を知ってしまえば、もう簡単だ。だが、紙の健康保険証より便利になったという実感は、当然だが何もない。

先日、息子が引っ越しするので、新しいアパートの賃貸契約の連帯保証人になってくれと言う。週末、賃貸契約書を持参してきた。よく見ると印鑑登録証明書も必要だ。

さっそく、印鑑証明を入手するためマイナカードを持って近所のコンビニに向かった。チラッと見て操作方法が難しそうなので、店員さんに方法を聞いてみた。店員さんは機械の前に来てくれて、操作方法を逐次教えてくれた。あっという間に印鑑証明が入手できた。

これは便利だ。役所が休みの週末に、歩いて数分の近所で、並ぶこともなく、役所と同じ手数料200円で印鑑証明が入手できる。この利便性を一度味わったら、もう役所へは行けない。とはいえ、印鑑証明は人生でそう何度も必要とするものでもないが、、、

政府は、マイナカードを使えば役所での手続きが楽なるとか、健康保険証の代わりに使えばカルテが共通化され過度の投薬が防げるとか、のメリットを宣伝するが、これが本当のマイナカード導入の理由だろうか?

民間会社で新たな仕組みや設備を導入する場合、稟議書(企画書)を書いて経営者の承認を得るのが普通の会社の方法だ。

その企画書の中で、必ず明確に書かないといけないのは、投資によってどれだけの効果が期待できるのかということだ。つまり費用対効果を明確にすることだ。

その前提になるのが、現状の分析を行って問題点を明確にすることで、その問題のためにどれだけ無駄な費用が発生しているか、無駄な作業や工数が発生しているかを具体的に明示することが必要だ。

例えば、製造メーカーの稟議書では、〇〇工程の手作業について現状4名必要だが、3000万の自動機械を導入して3名削減して1名にします。投資費用は1年で回収します。というような具体的説明がなければ3000万円の投資は承認されない。

デジタル大臣の説明をいくら聞いても、どんな問題点があって、マイナカードでどう解決されるのか、費用VS効果の話がわからない。いや最も知りたいことの説明を避けているようにさえ見える。

国民の利便性は増すとか、重複投薬を減らせるいう説明は当たり触りがない理由で、今どうしてもデジタル化をしなければならない本当の問題点(理由)を説明していない。紙の保険証に問題を感じていない国民にとっては、マイナカードのような新しい仕組みは不要なのだ。

いまだにマイナカード普及のためには国民への更なる説明が必要だ、と言われるが、必要なのは説明の量ではなく、質なのだ。とテレビを見ながら妄想に駆られている。
<了>



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