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株主優待券の値打ち

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

先日、きちりホールディングスの株主総会に出席した。きちりは高級居酒屋チェーンのKICHIRIを運営する会社である。4年前に株主優待が目的で株を購入した。

ところが、その株主優待が昨年11月に変更されることが発表された。従来は、100株で半年に1回、3000円の食事券が1枚貰えた。変更後は、30%の割引券が2枚になった。割引券は最大1万円で1枚使えるので、割引額は最大6000円になる。

先日の株主総会では、この株主優待の変更について質問が集中した。優待券の方が嬉しいのに、なぜ割引券に変更したのか? というのが大半の意見だった。ネットの中でも、株主優待拡充ではなく、優待改悪だと話題になっていた。

これに対し、会社側からは一般的な株主優待についての考え方の説明があったが、質問された方々は納得された様子には見えなかった。

ところが、最後の方で株主の一人から、「よく利用するので割引券の方が良い」という意見があった。私は一瞬自分の耳を疑ったが、よく考えると株主優待をどう使うかによって評価は分かれるのは、当然と思う。

つまり、KICHIRIで飲食するのが好きで、よく友人たちと利用する人にとっては、最大6000円割引されるのでお得だ。逆に、KICHIRIを普段あまり利用しないが、優待のタダ券があれば行くという人にとっては割引券の価値は低い。わざわざお金を払ってまで行くところではないと思っている人たちだ。

きちりの株価は、昨年11月には650円ぐらいだったが、株主優待変更発表の直後に、550円以下になり、今年2月までにずるずると350円まで下がった。優待券の値打ちが下がったと思う人が多かったということも一因だと思う。

私は、他の会社の割引優待券も所有している。サンマルクの2割引きの株主優待は大変ありがたかった。

20年ほど前に、家の近くにサンマルクのレストランが開業し、人気だったので行ってみた。ピアノの生演奏の店は初めてで雰囲気がよかった。何よりも食べ放題の焼きたてのパンが美味しかった。それを契機に、株主になり2割引きの優待券を貰うようになった。

サンマルクからは誕生日を記念して特別メニューの案内が来た。そのハガキを受け取ると家族4人で、お腹が一杯になるまで焼きたてパンを楽しんだ。

数年前にそのレストランは閉店したので、今では割引優待券はもっぱらサンマルクカフェで利用している。

レストラン以外では、アシックスの割引優待券も有難く思っている。保有株数や年数によって割引率は異なるが、2割引きや3割引きでスニーカーが買えるのは嬉しい。

スニーカーはいろいろなブランドを試してみたが、私の足にはアシックスが一番フィットするので、10年前からスニーカーはアシックスと決めている。

私にとって今回の株主優待変更の教訓は、そんなに好きでもない物やサービスの株主優待の株は買うべきではないということ。優待金額に惑わされてはいけないということ。

つまり、株主優待の値打ちを決めるのは自分自身なのだということを思い知らされた。<了>





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