数値化の鬼

◼️どんな本
本書のゴールは、あなたが「仕事ができる人」になることです。そのために数値化の鬼になろう。

ステップは
ステップ1「行動量」を増やす(第1章)
→ 自分の行動の数を正確に数えること
ステップ2「確率」のワナに気をつける(第2章)
→割り算による安心感のワナに気をつけること
ステップ3「変数」を見つける(第3章)
→ 仕事の中で何に集中するかを考えること
ステップ4「真の変数」に絞る(第4章)
→ ムダな変数を削り、さらに重要な変数に絞り込むこと
ステップ5「長い期間」から逆算する(第5章)
→ 短期的と長期的、2つの軸で物事を見ること

まずすることは「自分の1日の行動を数字で考えること」です。そして大きな目標を1日ごとに分解する。数値化してみると失敗を認められる。大事なのは数値化された評価を受け入れることと、自分の不足を数字として受け入れる。

成果を出す上で大事なこと(変数)に集中しよう
その変数を出すために予定を立てて極限まで行動しよう
変数は増やさず、真の変数1個のみに絞る
→not to doを作る

基準の高い組織にしないと生ぬるくなる

◼️目次

数値化の鬼
はじめにーいったん数字で考える思考法
数字以外のこと」は最後の最後に
いかなるときも、いったん「数字」で考える
「安心」のための数値化ではない
お互いの「誤解」をなくしてくれるもの
数字は「感情」を切り離してくれる
「言葉は過剰」「数字は不足」の世の中
数字のあとに「自分らしさ」が出てくる
数字はとことん「客観的」にしてくれる

序章「数値化の鬼」とは何か
数字に感じる「ネガティブ」を取り除こう
数字はつねに「未来」のためにある
評価せざるを得ない「結果」を出そう
数字がないから「不満」が生まれる
日頃から「数字のある会話」をしているだろうか
1日を「数字」で振り返ってみる
言い訳の多い「中堅社員」の共通点
数値化ができる人は「失敗」が当たり前になる
「自分に甘い人」の考え方のクセ
「気合い」でなんとかするな
「仕事ができる人」になる5つのステップとは「ニセモノの数値化」にダマされるな
序章の実践「数値化」をクセづける

第1章数を打つところから始まる「行動量」
の話
「仕事ができる人」の共通認識とは何か
ビジネスは「結果」ファーストで
やり方は人それぞれで「自由」
数値化とは「PDCA」を回すことである
識学流PDCAの考え方とは
数値化は「なんとなく」を許さない

「D」の回数を「行動量」とする
「数をこなす」こそ基本中の基本
数をこなす」ためのすぐやる仕組み
目標のための目標、「KPI」という概念
「行動制約」を明らかにする
「意味」は遅れて理解できる
「D」に素早く移れるマネジメント環境を整える
「やってればいいんでしょ」という安心材料は危険
優秀なプレーヤーが犯す「伝え方」のミス
優秀なマネジャーは「1つずつの式」にする
目標は「いつでも思い出せる数字」でないと意味がない
目標とは「地図」である
識学流の目標は「5つ以内」
それでも「数値化」が難しいとき
「自分のこと」しかしなくなる?
チームあっての個人」を徹底する
1章の実践「PDCA」をやってみる
第2章」あなたの動きを止めるもの「確率」の話
「伸び悩む人」に共通する考え方
「成長を諦めた人」の既得権益
現状維持では「沈む」時代
「確率のワナ」に注意しよう
「失敗」が怖くなってしまう数値化のクセ
「確率では勝ってる」という自己評価
出世しておかないと「評論家」になってしまう
目標の「%」には気をつける
組織と個人が「ブレーキ」を踏むとき
働かないおじさん」を生まないための仕組みづくり
「インセンティブ制度」にも弊害がある
「連続性」を評価しよう
評価にゼロはない。「プラスか、マイナスか」だ
ゼロ評価がないと人はどう考えるのか
「平均のウソ」にもダマされてはいけない
「平均だから大丈夫」という誘惑

数字の中身」にうるさい人になろう
「自然の法則」を乗り越える
2章の実践」「数字のウソ」を見抜く
第3章やるべきこと、やらなくてもいいことー「変数」の話
「変えられるもの」と「変えられないもの」を見分ける
2つの「頭の悪さ」とは
どこに「X」が隠れているのか
「変数」こそが仕事の成果につながる
プロセスの「型」を身につける
仕事の「中身」を細かく砕く
「なぜ?」を繰り返して変数を明らかにする
いち早く「変数」に気づけるプレーヤーになる
「行動レベル」にまで分ける
「答え」を与えられても意味がない
「変数じゃないもの」に固執しない
「やった気になること」を排除せよ
意味を「後付け」していないだろうか
「変数だったかどうか」を確認する
うまくいったら攻める、失敗したら考える
他人の成功論はすべて「変数」ではなく「仮説」
すべては「個人的な体験談」
上司からの「プロセス介入」も「仮説」である
仮説という前提で「シェア」しよう
「変数」が「変数」でなくなるとき
「もっといい変数はないか」という視点
3章の実践「変数」を見つける
第4章 過去の成功を捨て続ける
「真の変数の話
「変数」は放っておくとどんどん増えていく
「やらないこと」を先に決める
変数を減らす「2つのアプローチ」
「KPIを変える」という手段
変数の中から「1つ」に絞り込む
マネジメントの「難易度」を上げるな
とりあえず「真の変数」を1つ決める
できるマネジャーは「変数」を減らす
「それは変数ではない」というフィードバック
「変えられないこと」を言い訳にさせない
「社内の変数」を減らしているか
社内の「偏り」に気づく
人の「バラツキ」を取り除く
「カリスマ」への依存は危険な状態
「環境のせい」にする経営者は経営者失格だ
コントロールできるもの、できないもの
とにかく迷ったら「変数」で考える
分けて、分けて、さらに分ける「重要なこと」から着手する
4章の実践「変数」を減らす
第5章遠くの自分から逆算する\「長い期間」
の話
「短期的」と「長期的」の2つの視点
「時間を味方につける」という言葉の本質
長期的にみると数字は「一定ではない」
短期的には損だけど、長期的には得なこと
「5年後はどうか」をセットで考える
長期的に考えるプレーヤーとは安心感を持つか、危機感を持つか
「短期から長期、長期から短期」へ逆算する
逆算すると「つながり」ができる
長期的に考えざるを得ない「環境づくり」
評価に組み込む「時間軸」
数字が「遅れてついてくる」というプレーヤーを信じられるか
「次なるトップ」を生み出すために
5章の実践 「長い期間」で考える
終章|数値化の限界
数字がすべてではない」のステージに行くために
「成長している実感」こそ最大の目的
「ハングリー精神」を作り出すには限られた時間内に「本業」で力を出せ
「やりがい」「達成感」は最後の楽しみに
おわりに


覚えておきたい箇所

なぜ、数値化をするのか、それを考えていきましょう。
それは、「未来」に目を向けるためです。
数字は、いま、自分には何が足りていないのか、どういう課題があるのか。それを「見える化」しているだけです。
もちろん、過去のあなたに対する評価は下されます。しかし、「じゃあ、次はどうするか?」が常にセットなのを忘れてはいけません。そこまでを考え切って初めて数字は意味を持ちます。
数字として表せるものは、さっさと受け入れて客観的に分析するしかありません。そして、次につなげるのです。そうやって改善していき、次こそはうまくいったとしたら、どうでしょう。途端に「数字」が好きになり、「数字」に向き合うのが楽しくなります。好循環をいち早く起こすのが、プレーヤー期間には求められることです。

部下の立場では、上司が評価せざるを得ない結果を出すことが最優先事項です。 
話を受け入れたプレーヤーは、自分の目標達成のために動くようになります。つまり、心を鬼にするようになる。すると、ある1つの共通点が現れます。それは、「会話の中に数字が出てくる」のです。

そこで、まずやってみてほしいのが、「自分の1日の行動を数字で考えること」です
ここで大事なことは、大きな目標を「1日ごと」に分解することです。1日ごとの数値化を「自分のため」にやるのです。

数値化できるようになると、失敗を認めることができます。大事なことは、失敗を失敗と認めて、次につなげることです。失敗は貴重な情報です。それを数値化して受け入れれば、絶対に次につなげることができます

ここで大事なことは、大きな目標を「1日ごと」に分解することです。1日ごとの数値化を「自分のため」にやるのです。
自分がどれだけやったのかを嘘りなく表すこと。まさに、心を鬼にできるかどうかが試されます。

数値化できるようになると、失敗を認めることができます。大事なことは、失敗を失敗と認めて、次につなげることです。失敗は貴重な情報です。
それを数値化して受け入れれば、絶対に次につなげることができます。

それをせずに自己認識の甘さによるデメリットは、「よく頑張った」「なんかダメだった」と、曖昧な評価を認めてしまっていることです。
そういう甘い見積もりをするのは、やめましょう。
失敗は失敗として正しく認識してこそ、次からは改善できる。そのために「数値化の鬼」となりましょう。ただ、ざっくりとでも数値化して、自分の行ないを客観的に把握するクセがあるかないかの差は大きいです。
ここで伝えたかったことは、とにかく自分に甘い評価を下すクセをなくすことです。
1日にできる自分の限界を正しく認識することです。


ここまでの話を整理すると、次の2つに集約されます。
「数値化された評価を受け入れる」
「自分の不足を数字として受け入れる」

この2つさえ理解できれば、「主体的」な数値化のノウハウで自分の仕事に取り組むことができます。そして、いよいよ本題です。
ステップ1「行動量」を増やす(第1章)
→ 自分の行動の数を正確に数えること
ステップ2「確率」のワナに気をつける(第2章)
→割り算による安心感のワナに気をつけること
ステップ3「変数」を見つける(第3章)
→ 仕事の中で何に集中するかを考えること
ステップ4「真の変数」に絞る(第4章)
→ ムダな変数を削り、さらに重要な変数に絞り込むこと
ステップ5「長い期間」から逆算する(第5章)
→ 短期的と長期的、2つの軸で物事を見ること体力をつける」「忍耐力を上げる」「集中力を鍛える」なども同じです。
これらは、数値化に見せかけた「ニセモノの数字」です。
理系出身の人や、数字に強い人は、こういう表現には敏感です。「その『会話力』って具体的に何を表している数字ですか?」「『忍耐力』は気合いで上がるものなんでしょうか?」
と、即座に考えることができます。
しかし、根っからの文系人間や感覚的に生きてきた人ほど、「ニセモノの数字」を使いたがります。

本書のゴールは、あなたが「仕事ができる人」になることです。ここでいう「仕事ができる人」というのは、「評価者からの評価を得られる人」です。一般企業の社員であれば、上司が評価者です。経営者であれば、マーケットのお客さまが評価者です。からもっと詳しく言うと、「上司と部下の間で認識のズレのない評価を得られる人」です。ビジネスの世界では、結果を出している人が勝つのです。ビジネスの世界では、結果を出している人が勝つのです。つまり、目的地さえ決めてしまえば、そこまでの行き方は自由なのです。自分で業務内容を改善して、初めて人は成長するということです。個人に与えられた「年間や半年の目標」を「1日」に分解しました。
これは、「PDCA」というフレームワークを使ってさらに説明することができます。
「PDCA」とは、次の4つの略です。
「P(プラン): 計画」数値化された目標
→ 例「400ページの本を読み切る」など
「D(ドゥ):行動」計画を基にした具体的なプロセスや行動
→ 例「1日20ページずつを読む」など
「C(チェック): 評価」上司が与える評価、あるいは自らによる振り返り
→例「1日の終わりに、読んだページ数を確認する」など
「A(アクション):改善」評価を基にした反省と次の改善点
識学においては、「P」に時間をかけないことが重要としています。
それなのに、計画を立てただけで満足し、「明日から頑張ろう」と思う人が多すぎます。
計画は、実際に行動が伴って初めて意味を持ちます。
数値化は「なんとなく」を許さない
日々、数値化をしておけば、「今年は何か変化が起こっているぞ」という違和感にいち早く気づけます。

「D」の回数を「行動量」とする

新入社員や若いプレーヤーに多く見られるのが、「P(計画)」から「D (行動)」へ移るときのタイムロスです。この「D」の回数こそが、第1章の重要なキーワードとなる「行動量」という概念です。
行動量は、その名のとおり、「何回やったのか」「1日に何時間できたのか」という「量」を表す数字です。プレーヤーにとっては、行動量を極限まで上げていき、高いレベルで維持することが何より求められることです。
しかし、人は「量」より「質」を求める生き物です。時間というフレームで考えるのは、残業してダラダラ長時間やるのでは意味がないからです。それでも行動まで時間がかかるのは、3つの理由が考えられます。
1つ目は、「何をすればいいかが明確じゃないから」です。2つ目は、「失敗したくないから」です。3つ目は、「上司やリーダーの言うことが納得できないから」です
上の人の指示に疑問を持っている状態ですね。ただし、2つ目の理由ともつながってくるのですが、根本的な「理解」や「腹落ち」は遅れてやってくるものです。
実際にやってみて、「そういうことだったのか」と気づくのが正しい順番です。
その場合は、まずは「言われたとおりにやってみる」ことです。
数をこなす」こそ基本中の基本
著名なヒットメーカーや有名デザイナーも、話を聞いてみると、驚くほどの量をこなしていることがわかります。だから、まずは誰よりも数をこなす。
目標のための目標、KPI」という概念
「KPI」は数値化されていないと意味がありません。識学的には、日々の行動に迷いがないレベルにまで「KPIに分解できていること」が重要です。ちなみに、私の知り合いの保険営業の人は、できる人ほどプレーヤー時代の手帳は真っ黒でした。例外はありません。漠然と悩んでいるときは、「ファクト(事実)」が何なのかを確認することです。いったん機械や医者の言うとおりにしてみる。
そんな「正直な人間」にこそ、今後は価値が残っていくのだと思います。
「意味」は遅れて理解できる
疑問に思うことを1つ1つ確かめている人より、与えられたことを素直にやる人のほうが仕事は上達します。
まずは、体に覚えさせてしまう。そして、成長したあとに、それを疑ってみる。
しかし、入社1年目の新人や、部署異動をしてきた人、あるいは、どうしても結果が出ない人がいるなら、やり方を変える必要があります。
こういう部下を持った場合は、最初のうちはプロセスを管理する必要があります。本来であれば、その目標だけを伝えて、部下には自分なりに頑張ってもらうしかありません。
しかし、どうしても難しそうであれば、その目標のための目標、つまりKPIを設定する必要があります。なぜなら、ここでも「手段」と「目的」が入れ替わってしまう危険性があるからです。そうです。部下からすると、「KPI」のほうが「大きな目標」であるかのように誤解してしまうのです。
優秀だったプレーヤーは、「伝え方」が上手ではないことが多いです。おそらく、頭の中には成功法則があるのでしょうが、それを噛み砕いて再現性のあるような形で伝えることができないのです。しかし、優秀だったプレーヤーが管理職になると、その想像力が足りなくなるのです。
自分自身はKPIへの分解ができていたのに、マネジャーになった瞬間に、そのことを伝えられなくなります。行動すべきことを分解して、何が「P(目標)」で、何が「D(行動)」なのかを伝えられると、部下は動けます。計画を立てるだけで働いている気になっていないか。
心理的な問題で「行動量」が減っていないか。
1日ごと、1週間ごとの数値化と見直しをしているかどうか。

目標は「いつでも思い出せる数字」でないと意味がない
なら、あなたにとって大事な目標が、新年の抱負と同じようになっているからです。
つまり、目標を立てた後1~2週間は覚えていて、ひと月も経てば忘れるような状態と同じだからです。そうやって失敗は繰り返されます。
「目標を覚えていないのに日々の仕事をしている」という状態は、地図を持たずに目的地に向かってウロウロしているようなものです。
識学流の目標は「5つ以内」
しかも、すべて「売上」「回数」「タスクのポイント化」など、第三者が見ても明らかな数値だけです。

チームあっての個人。これは誰もが、受け入れないといけません。識学では、個人は自分の数字だけを達成するのではなく、「あくまでチームや所属部署の成績を上げるために存在する」という意識を徹底します。
数字のない改善に意味はありません。
期限内に何時間できたのか」と、行動量を増やすことだけを考えます。

そのためにも、「数値化」は必須の能力です。
日々の行動に迷いがなくなるレベルにまで「KPIに分解できていること」が重要です。


「伸び悩む人」に共通する考え方
識学では、「すべての人は成長する」という考え方が根底にあります。そこでやってしまうのが、「確率」の考えなのです。達成率、契約率、成功率など、「%(率)」にこだわるようになります。量」よりも「質」が上回り、「質を上げること」が目的になってしまうことは大問題です。

大事なのは、平常心で毎日、毎週、毎月の業務に取り組むことです。つまり、「積み重ね」です

平均だから大丈夫」という誘惑

数字の中身」にうるさい人になろう
優秀な経営者は、子どものように徹底的に数字を詰めるからです。頭の中で一瞬でも、数字で考えることが大事です。そして、疑問に思ったり、納得できないときは、数字を詰める。

「変えられるもの」と「変えられないもの」を見分ける
目の前で起こっていることの裏側にある「数字」を見つけなくてはなりません。結果を裏付ける数字があるはずです。ただし、そのすべてを考えるべきかというとそうではありません。
「考えるべきこと」と「考えてもムダなこと」に分かれます。
それを見分けるために必要な概念が、本章のキーワードである「変数」なのです。世の中には、2つの頭の悪さがあります。
1つは、「すべて自分の思いどおりになる」と思っていることです。
もう1つは、「自分の力では何をやっても思いどおりにならない」と思っていることです。
どちらも間違っています。本来なら、「変えられること」を変えようと努力し、「変えられないこと」は早々に見切りをつけることが大事です。

変数」こそが仕事の成果につながる
このように、結果を出すためには、「変数が何か」「どこに変数が隠れているのか」ということを、試行錯誤して見つけ出さないといけません。
ここが仕事の成果に直結します。
まずはプレーヤーとして、自分の仕事の変数を見つけられること。
次に、マネジャーや経営者として、マイナスにつながる変数を減らすこと。
いくら努力しても変えられない部分、つまり「定数」は、さっさと諦めることです。

プロセスの「型」を身につける
プレーヤーの人が「変数」を見つけ出すためには、プロセスを試行錯誤する必要があります。上司から思いつくままに口出しされながら教えられるより、一度、自分でやってみたほうが学べることが多いはずです。
とはいえ、そのカンどころに個人差が出てしまいます。
センスのいい人はいち早く「変数」を見つけ、どんどん仕事が上達します。

センスがない人は置いていかれます。まず、仕事の工程を細かく分けるところから始めます。
第1章では、「目標」から「KPI」を考え、それを実行してもらいました。
「変数」を見つけるためには、やることを時系列で整理するのがポイントです。行動量」を増やすためには、最初の工程を増やすことです。
とにかくアポをたくさん入れることに集中します。

ここから、さらに成長する人は、それぞれの工程での問題点を整理します。

なぜ?」を繰り返して変数を明らかにする
これに自分自身で気づくためには、シンプルな方法ですが、「なぜ?」を繰り返すことが大事です

いち早く「変数」に気づけるプレーヤーになる
工程を分けて、数字をかぞえて、「なぜ?」を繰り返す。
頭の中で妄想するのではなく、実際に行動した数字から考えていくのがポイントです。いくら脳内でシミュレーションしても意味があり
ません。
急成長するプレーヤーは、1人残らず、こうした仕事の進め方をしています。
なんとなくうまくいってきた人ほど、「〇〇力」という言葉を使って逃げます。
まさに、数値化と反対の概念です。
再現性があるのは、「型」なのです。

「行動レベル」にまで分ける
前項の例では、2件の契約を取るという目標の手前に、次のような目標が設定できました。さらに、数値化したKPIに分解すれば、1日にやるべきことが明らかになります。プレーヤーとして、ここまで行動に分解していれば、もう迷うことはありません。
変数が明らかになれば、あとは第1~2章で述べたように「D」を増やしていくだけですね。

「変数だったかどうか」を確認する
やったことが変数だったかどうか。
それを見極めるのが、「PDCA」の「C(評価)」と「A(改善)」です。KPIがちゃんとできていたかどうかは、自分の心を鬼にして「自分自身」で振り返ります。やったことに勝手に意味づけをするのではなく、明らかに結果や成果につながったことを見つけ出す。目標の成果につながる行動を『何回』とっただろうか」
「目標の成果につながる仕事を『何時間』やっただろうか」これらを数字にして確認すれば、自分に甘くする余地が減ります。

そして、必ずセットで「次はどうするか?」の仮説を考えることです。
これが、最後の「A(改善)」の段階です。

うまくいったら攻める、失敗したら考える
・うまくいっていたのなら、その調子でもっと攻める
・失敗したり未達だったりしたのなら、他にどんな方法があるかを考えるここで、他者の評価を受け入れなかったり、自己評価が高すぎる人、失敗を失敗と認めない人は、成長が止まります。大事なことは、それぞれのフェーズで数値化がされて、「数値化の鬼」として自分の行動を客観視できることです。
自分の感情が入り込まないように数字をそのまま受け入れるのです。
「数値化の鬼」の本質が、徐々にあなたの考えに浸透してきたのではないでしょうか。
こうして「PDCA」のフレームワークが頭に叩き込めると、自分の目の前の仕事に圧倒的に集中できるはずです。

第1章では「行動量」の重要性を理解してもらい、第2章では行動量を下げないために「確率のワナ」があるという話をしました。
これは、あくまで上司から評価される「大きな目標」が目的であることを見失わないための考え方でした。
そして、本章では「変数」を説明しました。

「明らかに変数ではないもの」を「変数ではないと認める」という話をしました。
ただ、もっともタチの悪いものについては、あまり触れていません。
それが、「変数ではある」けれど、「重要度の低い変数」です。
「もっといい変数はないか」という視点
変数であることには間違いない。だけど、もっと大事な変数があるはずだ」
そうやって自分に厳しくする視点が必要なのです。
まさにこれが、本書でもっとも伝えたい「数値化の鬼」のポイントです。

変数を考えるときに、もっとも気をつけないといけないのは、「変数は放っておくと増える」という点です。KPIが多すぎたり、社内の変数が多かったりすると、余計なことを考える時間が増えてしまうのです。
そこで必要なのが、「変数を捨てる」という考え方です。

「やらないこと」を先に決める
ある有名な投資家は、「やりたいこと」をまず10個書くそうです。
そして、10個を書き切ったら、その中で上位の3つを「今すぐやるべきこと」にし、残りの7つを「やらないこと」にします。
3つの「To Doリスト」と、7つの「Not To Do リスト」が出来上がります。
ここで重要なのは、やりたいことの中で「7つを捨てる」ということのほうです。
そうすることによって、最重要事項である上位3つに集中できるからです。そこまで絞って、ようやくやり遂げることができます。

変数を減らす「2つのアプローチ」
変数を減らすためには、2つのことが考えられます。
1つ目が、個人として「他に変数がないかを考え、前例を手放すこと」。
2つ目は、チームとして上司やリーダーから「それは変数ではない、と指示をすること」。自覚的であれば、「他に方法はないだろうか」「もっと効率的にできないだろうか」と、自分に厳しくすることができます。「売上が上がっていない」「利益に影響していない」という事実を受け止めることができると、変数だと考えていた要素が変数でないことに気づけます。

「KPIを変える」という手段
自分の行ないを自分で観察するためには、数字を見るしかありません。そうやって、つねに危機意識を持たせ、「変数を見直さざるを得ない」という環境をつくり出します。その考えでも、「仕事の基準が高くないと生ぬるい組織になる」という条件がついています。

とりあえず「真の変数」を1つ決める
変数を見つけ出す過程で、最終的には「1つに絞ること」を忘れないことが大事です。それが、変数の中の変数、つまり「真の変数」です。

できるマネジャーは「変数」を減らす

第1~3章の内容を順番に押さえながら、あなたの仕事の「変数」を見つけ、さらに過去の「変数」を疑い、捨て、新しく仮説を立てる………..。
その繰り返しが、個人の成長を生みます。
それ以上でも以下でもありませんし、これ以上の近道も王道もありません。

ここで新たに「時間」という数字の概念を加えるのが、本章のテーマです。
時間が大事だというのは、今日の「1分」や「1時間」のことだけを指すわけではありません。
「短い期間」と「長い期間」の2つの価値があるのです。それらに共通して必要なのが、「長期的に見て未来のトクを選ぶ」ということです。ビジネスでは、短期的には損をしているように見えても、長期的にトクをすることがよく起こります。

まずは、短期的に見ます。
行動量が増えているか、1日にやるべきことができているか、日々の売上や数字の変化を見ているか。それを数値化して把握するんでしたね。
次に、長期的に見ます。
半年や1年後に果たしているべき目標は何か。あるいは、5年後や
10年後に自分はどうなっているべきか。それを考えてみます。
そして、最後には必ず長期的な視点から「逆算」をします。「5年後の姿」と「今日のKPI」はつながっています。

「簡単すぎてつまらない」からです。
仕事も同じです。
簡単なことの繰り返しは、すぐに飽きてしまい、退屈になります。
苦痛ですらあるでしょう。難しいことには夢中になる要素があります。起業家に限らず、会社員であっても、「満ち足りなさ」を持った人は、勝手に頑張り始めます。

彼らは、目標を達成できていないという「数字」に向き合い続けました。
あるいは、上司と約束したKPIをクリアできていないことを表す「数字」からも逃げることがありませんでした。
その結果、大きく成長し、「仕事ができる人」へと変わることができたのです。

ポイント
なぜを繰り返す





















感想


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?