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ぐにょりぐちゃりと音を立て、人生は進む。

いつもは楽しく旅行や恋愛のことを書いてますが、今回はテーマが重いです。
また自殺に関する話題が出るので、触れたくない方は読み進めないことをおすすめします。

7月21日から7月31日。
これは私の人生なのか?と、これが私の人生なんだ、を繰り返した10日間の記録。


📚



【7月21日(金)】
父が亡くなった。
患っていた病によりこの先を不安視した、自死だった。

私も母もまさか、という感じだった。
人生で初めて警察署の奥に足を踏み入れた。

その日はホテルに泊まった。
駅前の東横イン、無駄に眺めが良かった。

自分のことを責め、泣き続ける母に私も言葉が見つからず、ふと気を緩んだら後を追われてしまうような気がして、
一睡もぜずに朝4時ごろまで歌を歌った。
なぜそうしたのかよく分からない。

23年生きてきて、1番長い夜だった。

【7月22日(土)】
父の実家へ。
突然のことに、当たり前だが祖母も泣いていた。

人をここまで地に落とせる命の有無というものを、私も同じように持っていることがなんだか怖くなった。

その日も母とビジネスホテルに泊まった。


【7月23日(日)】
2日ぶりに家に帰った。

布団や歯ブラシ、好きで集めていたCDや雑誌。
ついさっきまで父がいた日々がそこにあった。


【7月24日(月)】
夜、転職の第一志望の会社の一次面接があった。

そこまで明確なきっかけがなく始めてしまった転職活動だったけど、
これは良いタイミングなのではないかと思った。

いつ死ぬか分からない人生、好きに囲まれて生きよう。


【7月25日(火)】
家にいた。
暑い日だった。
なぜかあまり記憶がない。


【7月26日(水)】
家にいた。
お昼ご飯を家の近くのデニーズで食べた。
季節限定でやっている桃のパフェは父も好きだったものだ。


【7月27日(木)】
再び父の実家へ。
葬儀の話が進む。
淡々と決めていく母は強かった。


【7月28日(金)】
24日にあった第一志望の会社の一次面接が通り、二次面接があった。

その後は父の実家に再び行き、昔のアルバムを見た。
集合写真を見たら、クラスで1番のイケメンだったので母と2人でびっくりした。
でも高校生の時の父はなんだかちょっとイキっていて、私たちが知る人とは違って見えた。



【7月29日(土)】
この日はずっと楽しみにしていた日だった。
約2年前から好きでずっと聴いている男性2人組ポッドキャストのはじめてイベント。
念願の2人に会える日。

が、まさかのお通夜とかぶった。
お父さんのお通夜vs次いつ会えるか分からないポッドキャスト配信者のイベント 
そことそこが戦うとは。

母が行っておいで、と言ってくれたので
今日は笑おう、そして「死んだ父親の通夜に行かない娘として、必ず何か行動して悔いなく帰る」
そう決めて、行くことにした。
道中、イベント後に主役の2人をご飯に誘うことを決意。楽しげなイベントに確固たる覚悟を持って向かう私。変な気分だった。
(断られたらもちろんそれは受け入れるつもりで)

結果イベントはめちゃくちゃ楽しく、ご飯も快くok頂いた…!
念願の2人に会えて沢山お話できたこと、久しぶりに笑えたことがとてもとても嬉しかった。
お2人、そして一緒に行ってくれた友人には大大大感謝だ。

ご飯後は葬儀場へ行き、父の前で今日あったことを母に話した。
「そんなに楽しかったなら、お通夜に来られなくてもお父さん怒ってないよ」と母に言われてほっとした。
夜2時ごろ、渦巻型の線香に火をつけ葬儀場の控え室で寝ようと思ったら、足元にG。
最強に虫嫌いの私と母。
この部屋ではもう寝られない!となり、父が眠る斎場で寝た。
椅子の座面をつなげて寝たので背中バキバキである。

一晩中一緒にいて欲しくて、寝る部屋にGを派遣したのでは…と母。
ちょっと、いつからGの遣いになったのお父さん。

【7月30日(日)】
父の告別式。
ラーメン好きな父のためにこだわりのインスタントラーメンと、
常時家にあってよく食べていた柿の種や塩煎餅を棺に入れた。
よく食前に煎餅を食べて、ご飯食べられなくなっちゃうよ!と母に怒られている子供みたいな光景があったけど、もう見られないのかと思った。

祭壇は母が指定した白いお花と青々とした葉物のみで彩られ、すごく綺麗だった。


お花とラーメンに囲まれた父を一生忘れない。


【7月31日(月)】
仕事に復帰した。
初っ端から炎天下での屋外作業だったので体力的にも辛いのに、
更に取引先のとんでもミスが発生し、その日終わる作業が次の日に延長になった。
へとへと。

そしてパソコンやオフィスの中には、父が亡くなることなんて全く予知していない私がいて
辛くなった。

もう早く辞めようと思った。


🍜


1ヶ月くらいの長さに感じた10日間。
何が起きても生きていくしかないんだなと思った。


死というものは、暖簾をくぐるくらい簡単に選べてしまうものなのでは、と思う。
私も今これを読んでいるあなたも、その暖簾をくぐる条件が集まってない(死にたいと思っていない)だけで、条件が揃ってしまえばその暖簾は簡単にくぐれてしまう。
思ったよりも近くにあるんだよ、死って。


これからは母と一緒に、父が行きたかったところに行って食べたかったものを食べるつもりだ。
私は私で、恋人としたいことリストは何が何でも叶えなきゃいけない気がする。




幸せになろう。




💐

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