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ウリセン編最終回 あたいと、さようならゲイ風俗のもちぎさん



あたいがゲイ風俗に入店して、
4年半が経った頃だった。


うちのゲイ風俗で最も在籍歴の長いボーイがほとんど出勤しなくなり、店に出てきてる子の中ではとうとうあたいが一番古株のボーイとなっていた。
(といっても最年長ではない)

4年以上もいれば付き合いの長い同僚たちが就職したり、飲食店や夜の店を開いたり、学校に通い始めたり、ゲイバーで働き始めたり、海外に行ったり、実家や地元に帰ったり、性別が変わったり、取ったキンタマを見せてもらったりと、たくさん旅立っていた。

そしてそれを見送るあたいも、23歳になっていた。


当時のあたいを指名してくれるお客様は、もはや数年数ヶ月の長い付き合いがある方々ばかり。
9割方がリピーター様だったと思う。

その仕事の内容も、店舗内の個室でサッと済ますだけではなく、ホテルやお客様のご自宅、あるいは旅行などの遠方へ行く貸切指名(24時間コース)などの長時間のものが割合多かった。

ちなみに24時間コースで手取り6万円弱。
これ一本で家賃がほぼ払えるので、かなり助かった。しかもお客様といればご飯も3食食べられる。食費も浮くのだ。
(ただしネコと暮らしてたので、長くても一泊半。それ以上の貸し切りの場合は前もって友人に家の鍵を渡していた)


そんなエブリデイでなんとかやれていたので、あたいは半年後の大学卒業を見据え、消化試合のように日々を過ごしていた。



そんなある日。
仕事を終えて個室を清掃し控え室に戻ると、誰もいないガランとした空間に、店長だけがぽつりと窓際に立ってタバコを吸っている姿があった。

「おう、もちぎ、お疲れさま」

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7,620字

長く続いたウリセン(ゲイ風俗編)最終章です。3年間を振り返ったコラムなども書き下ろしで入れてます。

今ならあたいの投げキッス付きよ👄