マガジンのカバー画像

経済学・経済論

25
マクロ経済学や国際経済学、財政金融政策、貿易政策、産業政策などについて論じたコラムをまとめます。 2017年6月~9月分をまとめた第一巻はこちらhttps://note.mu/m… もっと読む
運営しているクリエイター

#経済政策

【読者サポートページ】 図解入門ビジネス 最新 MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本

こんにちは、望月慎(望月夜)@motidukinoyoruと申します。 (blog「批判的頭脳」、togetter、noteマガジン一覧) この度、2020/3/24より、拙著『図解入門ビジネス 最新 MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本』が秀和システムさんの方から発売の運びとなったわけですが、参考文献としてWebリンクを多用している関係上、「参考文献が見辛く、また確認しづらい」というご意見をいただきましたので、読者サポートページとして、参考文献の直接リンクや、著者による

野口旭氏『MMT(現代貨幣理論)の批判的検討』に関するMMT(er)の“弁明”

こんにちは、私は望月慎(望月夜)@motidukinoyoruと申します。(blog「批判的頭脳」、togetter、noteマガジン一覧) つい先日(2019/9/20)、AWニュースWeekly(ニコニコ動画・YouTube)の方で野口旭氏と対談させていただきました。 時間の関係で話せずに終わったことが多くあり、今回は、広く皆様の議論の叩き台となることを望んで、野口旭氏に放送前にお送りした書簡の内容を共有させていただこうと思います。(放送用に用意していたスライドも併せ

ニューケインジアンの金融政策無効論、MMTの金融政策無効論

こんにちは、私は望月夜、あらため、望月慎@motidukinoyoruと申します。(blog「批判的頭脳」、togetter、noteマガジン一覧) 以前(2019/7/23)、AWニュースWeekly(ニコニコ動画・YouTube)の方でModern Monetary Theory(MMT)について語るという議題で出演させていただいたのですが、次回、2019/9/20(金)にて2回目の出演を予定しております。 次回出演時は、以前時間が足りず語れなかった『MMTによって防

有料
300

Modern Monetary Theoryの概説(note版)

こんにちは、私は望月夜、あらため、望月慎@motidukinoyoruと申します。(blog「批判的頭脳」、togetter、noteマガジン一覧) *出版します:『図解入門ビジネス 最新 MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本』 今回は、立命館大学経済学会セミナーにて、望月夜名義で研究報告させていただいた、『Modern Monetary Theoryの概説』について、noteの形で紹介・解説させていただきたいと思います。 この報告は、後に論文(というより研究ノート)と

日本は本当に財政危機? ―世界各国の財政破綻例を見てみよう

以前、なぜ日本は財政破綻しないのか? というnoteで、大まかな(通俗的)財政破綻論の批判的検討と、実際の財政破綻パターンの確認を行いました。 今回は、より一層深く「財政破綻」の実像を知るために、世界各国のこれまでの財政破綻をピックアップして分析してみることにします。 目次は以下の通りです。 ①アルゼンチン、トルコ ②ロシア ③アジア通貨危機 ④そもそも何故、途上国・新興国は外貨建て債務を積み上げるのか? ⑤ギリシャ、アイルランド ⑥ジンバブエ、ベネズエラ ⑦自国通貨建

有料
300

ポリシーミックス、ヘリコプターマネー、政府紙幣発行論の違い

バブル崩壊以降の不況の中で、これまで数多くの財政政策論が提唱されてきました。 今回、それらの財政政策論のうち、三種類を分類&ピックアップして、その相違点を整理しながら解説したいと思います。 三つというのは、ポリシーミックス(金融政策+財政政策)、ヘリコプターマネー、政府紙幣発行論です。 これらの財政政策論は、財政拡張が前提であるものもあれば、必ずしも財政拡張が必要ではないものもあり、中央銀行の応分(同額)のマネタリーベースが行われるものもあれば、それが必要なわけではない

有料
300

中央銀行の存在意義と機能限界 後編

※※※「望月夜の経済学・経済論 第一巻」(11記事¥2800)発売中!(ただしこの記事は含まれていません)※※※ 中央銀行の役割・役割範囲については、いくつかのnoteで間接的に触れてきました。 例えば、なぜ異次元緩和が失敗に終わったのか(及びアベノミクス(ないしリフレ派)の理論、及びその欠陥(マニアック))では、中央銀行がマネーサプライおよび総需要に影響を持たなくなる経済状況(信用創造の罠)について論じました。「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?では、マネーサプラ

有料
300

中央銀行の存在意義と機能限界 前編

※※※「望月夜の経済学・経済論 第一巻」(11記事¥2800)発売中!(ただしこの記事は含まれていません)※※※ 中央銀行の役割・役割範囲については、いくつかのnoteで間接的に触れてきました。 例えば、なぜ異次元緩和が失敗に終わったのか(及びアベノミクス(ないしリフレ派)の理論、及びその欠陥(マニアック))では、中央銀行がマネーサプライおよび総需要に影響を持たなくなる経済状況(信用創造の罠)について論じました。「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?では、マネーサプラ

有料
300

財金協調型の名目GDP水準目標政策のすすめ

※※※「望月夜の経済学・経済論 第一巻」(11記事¥2800)発売中!(ただしこの記事は含まれていません)※※※ いわゆるインフレ目標政策については、安倍政権のアベノミクスにおいて注目を浴びたため、経済政策に関心のある層ではよく知られていることと思います。 当noteにおいても、なぜ異次元緩和が失敗に終わったのか、及びアベノミクス(ないしリフレ派)の理論、及びその欠陥(マニアック)の方で、マクロ経済政策におけるインフレ目標政策の理論的構造について解説しました。 これに対

有料
300

雇用増加の下でも賃金が停滞する理由

安倍政権への政権交代が起きる前後(2012年末頃)から、雇用量については大幅な改善が見られています。 (アベノミクスで雇用が増えたと言えるのか?より引用) (労働力調査(基本集計)平成28年(2016年)平均(速報)結果の要約より引用) ただし、その一方で、賃金(実質賃金)は下落・停滞傾向です。 (島倉原氏のTwitterより引用) 尤も、実質賃金の場合は、新規雇用者が増える場合、(一般的に、新規雇用は既存雇用に比べて賃金が低いので)全体の(平均)実質賃金に低下圧力

有料
300

ケインズ経済学モデル概説…IS-LM、マンデルフレミングモデル、AS-AD

「ケインズは死んだ」と喧伝されるようになって、既に長い年月が経過しています。(ロバート・ルーカスが『ケインズ経済学の死』というスピーチをしたのは、1970年代のことだそうですので、死が宣告されてから実に40年もの年月が経過していることになります) ケインズの死として表現される事象には色々なものがありますが、大まかに言えば 「『名目総需要が経済において問題になる』という考えが、新しい理論において否定された」 「したがって、金融財政政策が経済に対して有効であるという考えも否

有料
300

財政政策の指針 ―公共的側面と総需要的側面―

読者からの質問で、「では、望ましい財政政策とは一体何なのか」というものがありました。 そこで、「財政政策は、どのような観点、哲学で決定されていくべきなのか」ということについて、簡潔に述べていきたいと思います。 ①財政政策の公共的側面 ②財政政策の総需要的側面 ご関心のある方はぜひご購読願います。 ※※※このコラムは、望月夜の経済学・経済論 第一巻(11記事 ¥2800)、望月夜の財政論まとめ(7記事 ¥1600)にも収録されています。※※※

有料
200

なぜ異次元緩和は失敗に終わったのか

2013年3月に黒田東彦総裁が就任して以来、いわゆる『異次元緩和』は4年以上に渡って続けられてきました。 2013年3月は130兆円ほどであったベースマネーは、2014年3月に210兆弱、2015年3月に280兆強、2016年3月に360兆強、2017年3月には実に436兆円にまで拡大しました。まさに「異次元」の緩和であったといえます。 (マネタリーベース額面の推移 日本銀行「主要時系列統計データ表」より) 一方で、目標として掲げられた「2%インフレターゲット」の方は、

有料
300

自由貿易の栄光と黄昏

自由貿易それ自体を非難することは、経済論議上、事実上のタブーとなっています。 実際、日本で名の知れた経済学者の中で、公然と自由貿易を批判した人はほとんど居ませんし、世界レベルでも少数派です。 数少ない批判者も、その多くは「自由貿易が全くダメというわけではないけれども……」といった及び腰の批判に終始する人々が大多数です。 一方で、いわゆる経済学者以外では、自由貿易それ自体への批判は珍しくありません。尤も、反自由貿易を唱えた瞬間に『素人』レッテルを貼られて議論の場からの退場

有料
300