4月6日放送 NHK高校講座 政治・経済 第1回 入門編 「政治・経済」の学び方

とうとう3科目目、政治・経済の入門編を聴きました。

公民三科目の中でも最もメジャー感の強い政治・経済です。キャスティングに関しては「先生と若者」という公民系の番組のパターンがあり、「政経もそのケースでしょ?早く私を楽しませてくださいよ。」と悠長に構えていましたら。。。

何と、政治・経済は講師の方がひたすら話し続けるというスタイルで来ました!

かくして先入観が崩壊し、慌てながら聴く形になりました。

こちらも結論から申し上げると、政治・経済は講師陣が熱血なスピリットを全面に押し出して語っていくというスタイルが特徴的です。その様は、あたかも背水の陣で選挙に打って出た立候補者の政見放送を聴いている模様でした。さすが政治・経済。

今回の講師は下記のお二人です。(敬称略)

篠田 健一郎(しのだ けんいちろう)
東京都立西高等学校指導教諭

松野 智樹(まつの ともき)
NHK学園高等学校教諭

篠田先生はベテラン、松野先生は若手の熱血漢という印象でしょうか。

まず篠田先生より「政治経済は難しいのか?」「世の中の動きに目を向けよう」というテーマでお話があります。

篠田先生の話をまとめると、

・政治・経済が取り上げるのは「今」。そして取り上げるのは「日本」や「世界」

・「世の中で起こっていること」を政治・経済では取り上げる。政治分野は「多くの人がこうして欲しい」と思う事をくみ上げ、提示し、それを政策としてまとめる「政党」や「政治家」、そして多くの人の声をくみ取る「役所」や人の声を届ける「マスメディア」についても考える。そして上記の要素の土台となるのは「民主主義」。この民主主義の成り立ちや民主政治の現在の在り方について考える。

・経済分野はモノ、お金、情報、人の流れを考える。そこから日本の経済状況、世界の経済状況を考えていく。(この間、篠田先生は日本の過去数年の日本の景気状況について言及がありました。堅調な日本経済だと言われつつ、個人の不安が増大しているこの矛盾した状況を何とか理解して欲しいというパッションが感じられました)

そんな篠田先生の解説の中で、無視できない部分がありました。それは現代社会と政治・経済の違いについて触れた部分です。そのまま抜粋しますと、

「同じ公民科でも現代社会と政治・経済とでは扱う相手は同じ今の世の中のことであっても、現代社会は皆さんを中心に考えていくものですが、政治・経済は更に客観的・論理的・体系的に学びを深めていくことが出来ます。」

これは裏を返すと、「現代社会は客観性、論理性、体系性に欠けた科目だ」と言っているようにも感じました。

現代社会 VS 政治・経済

思わぬところで、科目同士のプロレスの構図が浮き彫りになって来たのです。今後この構図は更に浮彫になってくるのでしょうか。。注目したいものです。

また、「世の中の動きに目を向けよう」のテーマになると篠田先生の語りの熱は更に帯び始めます。色々な視点でモノを考えること、色々な視点が必要な場合、色々な視点を踏まえながらそれがバラバラのままではまずい局面、それでどう合意形成をするのか・・・・

正直、高校生相手に本当に話しているのかが疑問になる部分は否めませんが、そんな疑問は野暮というもの。やはり選挙の候補者の如きパッションだからこその政治・経済という科目なのです。

バトンが松野先生に移ると、松野先生は「ラジオで勉強するために必要なこと」を語ってくれました。

「ラジオで孤独に聴くという営みは、簡単にドロップアウト出来てしまう」・・・松野先生の話を聴いて思ったことですが、政治・経済の番組が一番、そんな教育番組の宿命に真正面から向き合っている気がしました。そして定時制で聴いている人に対する意識も一番強いという印象です。

その意味では、松野先生の語りは名文句が多かったです。

「同じラジオ番組を聴いている仲間がいると思って下さい」

「ラジオ放送はエンジン。この番組から勉強するきっかけをつくって下さい」

「ラジオにはラジオの良さがある。音声に集中から場面場面を想像して下さい。そうすると想像力がつく。そして色々な観点から考えられるようになる。」

スポ根ドラマを見ているような、そんな心の熱さが私の胸を襲っていると番組は終了しました。

最後に、講師陣の紹介です。

今後はどんな熱血教師が登場するのか・・・いまから血が騒ぐ次第でございます。

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