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元型とヒプノセラピー ヒプノセラピー🥀episode8

元型とヒプノセラピー

ヒプノセラピーでは、催眠によって顕在意識と潜在意識の間にある膜を薄くし、潜在意識の中にあるもの(記憶、イメージ、印象等)を生々しく体験することを主としています。忘れていた幼少期の記憶、過去生の記憶を引き出すことが多いですが、それは実際の記憶というよりも、本人の潜在意識の中にある記憶、物語を指しています。しかし、セッションでは、ただそれを体験するというだけではなく、その物語を通して自分の選択や過ちに気づき、体験から引き出された本当の思いや願いを口にし、そこから得られる学びを深めることが最も重要です。学びをこれからの生き方に生かすためです。


つまり、セラピーでは、セラピストが何か答えや癒しや救いを導き出すのではなく、クライエント本人が自分自身の心の深いところから、それらを引き出すことが基本であり原則であるとされます。セラピストは寄り添いそのお手伝いをするだけです。セッションで大事な、クライエント本人による気づきと学びを引き出すのに利用できる、様々なイメージワークがありますが、ユングのいうところの元型イメージの応用と言えるワークも多々あります。


元型イメージは、捉え所のない無意識の意識化に役立ちます。例えば『老賢人』と聞けば、時代、場所、年齢、性別に関係なく人類共通のイメージが存在します。もちろん個人的なイメージも付随するものですが、より普遍的なイメージというものが存在します。賢く、年老いた、導き手となり得る、聖なる人物。そのような人物は、神話にも登場しますし、昨今のファンタジー小説や映画にも度々出てきます。そのイメージの大元が、私たちの集合的無意識にあると考えると、人々がそういった人物が登場する物語を好む理由も分かる気がします。


象徴としての元型イメージを『今、心の中で起きていること』と理解して体験すること、ここにある種の癒しの働きがあるとしています。(このような体験を元型体験と呼んだりします。)そして、元型の働きによって、無意識の内容が意識にもたらされて、心がより全体的になること、そして、そのようにして心は本来、自ら全体的になろうとする(癒され健康になる)働きを持っていることをユングは主張し、その働きを超越機能と呼びました。


ヒプノセラピーで行っていることは、まさしくこの部分だと言えるのではないかと思います。次回、この辺りについて具体的にお話ししたいと思います。


セラピールームアウロラ
渡邊真理乃
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