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夢分析とヒプノセラピー episode🥀15

前回は夢と夢分析について、ごく簡単にその概要について説明しました。今回は、夢分析とヒプノセラピーの関わりについて、私自身の考えを少しお話ししてみたいと思います。

私が夢分析と出会ったのは、学生時代でした。実際の臨床の場面で夢をどう扱うのか、教授のクライアントさんの実例を研究できる授業に出席し、その面白さに目覚めたのが始まりです。以来20年近く、夢の記録と分析を続けています。

夢分析とヒプノセラピーの第一の共通点は、なんといっても、無意識(潜在意識)そのものを扱っているということ。無意識は、意識できないから無意識と呼ばれていますが、その意識できない無意識の内容を、意識に浮かび上がらせ(様々な象徴を含みながらも)意識させることが、『心』に取り組むことにおいて、その全体性を視野に入れる時、大変重要となっています。

夢分析、ヒプノセラピー、両者とも、無意識の意識化がその柱となっています。自分の無意識に光を当てる行為、つまり、隠された、沈殿しているもの、常に背後にあって影響を与えているもの、そこに光を当てることで自分自身をより深く理解しようとする、一種の自己探求の道とも言えるかもしれません。そのような意味では、夢分析とヒプノセラピーは双子のようなもので、私自身は催眠セッションで湧き上がってくるイメージを、目覚めたまま見る夢のようなものですよ、と説明したりしています。

また、夢と催眠セッションで湧き出てくるイメージが具体的に密接な関係を持つことがあると感じています。何か重要な意味が隠されているような気がするけど、どう理解したら良いのかよく分からない…という夢の続きを、ヒプノセラピーのセッションの中で体験したことがあるからです。

まだセラピストになる前の修行中、実習生同士で催眠セッションをかけ合うという実習をしていた時のことです。ずっと心に引っかかっていた夢で、何年もそれが何を意味するのか分からないまま、内容はよく覚えていました。セッションでは、まずその夢の場面に入り、追体験し、夢の展開に合わせて、自然とその後の展開をも体験することになりました。

催眠セッションのおかげで、その夢の内容の意味、夢を見た意味が明らかにされ、自分が何を恐れているのかを理解することができました。そして結果として、そのセッションが次の大事なセッションへの序章となり、夢が心の準備の役割を担ったと気付きました。このような体験をしてからは、夢で見たもののイメージと催眠セッションで湧いてくるイメージ、両方とも同じように大切に扱うことを意識するようになりました。

潜在意識はとても不思議です。あの手この手で、私の心をある方向性へと向けさせようとしているように感じることがしばしばあります。その方向性とはいつも、より深く理解し、より深く知り、より深く学び、より深く気づく、その、より深くという垂直のベクトルで表せられるもののような気がします。

『わたし』という時、意識、顕在意識だけを指すのではなく、無意識、潜在意識をも含めた『わたし』、両者の繋がりを重んじ、自分の内側にまだ知らないものを大いに含むという意味において、謙虚に、誠実に向き合うもの、それが『わたし』ではないかと感じています。

夢は、その『わたし』を知る手がかりを提供してくれる、潜在意識からのプレゼントと言えるのかもしれません。最初はなかなか理解しづらくても、根気よく記録し続けていれば、沢山の気づきを与えてくれます。誰にでも平等に与えられている、この内的資源を日々に生かし始めると、心強い相棒ができたような気持ちにもなります。楽しみながらイメージの世界と付き合ってゆくことで人生がより豊かになると感じているので、どなたにもおすすめしたいと思います。

セラピールーム アウロラ

渡邊真理乃

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