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漫画を描きたい!〜初級編〜

同人活動を始め漫画を真剣に描き出して早1年半、漫画の描き方について色々な本を読んだり動画を見たりして学んだことをまとめようと思う。

まず、漫画の歴史を簡単に振り返りつつ技法の進化を辿っていきます。

貸本時代

漫画は戦前貸本屋という今でいうレンタルビデオ屋のように本をレンタルするお店があった。その中に貸本漫画というものがあった。
漫画といっても1Pを2コマ割りにして絵が入っているようなどちらかというと絵本に近い感じであった。
そこで1pを細かくコマ割りをして時間の概念を漫画に取り入れたのが手塚治虫先生である。
漫画における時間というのはコマ運びを多くしたり少なくしたりすることで時間の経過を遅くしたり早くしたりする技法である。
これによりいわゆるストーリー漫画の形を手塚先生は生み出しました。

COMやガロ時代

COMというのは手塚先生が発行していた漫画雑誌でそこのエース格が石ノ森章太郎先生である。石ノ森先生は少女漫画の原点「龍神沼」や手塚先生の可愛らしい絵柄にカッコ良さが備わり後の作家に大きな影響を与えた。両先生の特徴は子どもに夢を与える為に描いていたこと。作品のほとんどがSFやファンタジーである。

ガロは青林堂が発行していた漫画雑誌でアート寄りの漫画作家が集まっていた。
最も有名なのが「カムイ伝」の白土三平先生、「ねじ式」のつげ義春先生である。差別と闘う白土先生、文学的要素を漫画に取り入れたつげ先生の漫画は当時の文学青年たちに興味を持たれた。ガロ系の特徴は黒ベタを沢山使い重たくした画風である。またトーンよりペンタッチを多く使っているところも特徴です。

劇画

貸本時代から存在した劇画漫画は、80年代辺りまで人気があった。
「ゴルゴ13」さいとうたかお先生、「子連れ狼」小島剛夕先生、小池一夫先生、「柔侠伝」バロン吉元先生などいた。
原作者の小池一夫先生は後に劇画村塾を立ち上げキャラを起てることや第一話で強烈なインパクトを残すことを伝授した。その辺りは現在も漫画家にも受け継がれている。

少年サンデー

60,70年代には「サブマリン707」小澤さとる先生や「鉄人28号」横山光輝先生、「巨人の星」川崎のぼる先生など巨匠が沢山いた。
しかもみな小学館の少年サンデーで漫画を描いていたので当時はジャンプはなかった為、少年誌の王道はサンデーだったと思われる。

梶原一騎

70〜80年代に大ブームを起こした梶原一騎先生原作漫画は今でも人気がある。
漫画好きの漫画家には描けなかったストーリーを体育会系の梶原先生が原作をすることにより素晴らしい作品を生み出した。「空手バカ一代」「あしたもジョー」「巨人の星」「四角いジャングル」「タイガーマスク」主にスポーツ漫画だが、大人の世界と男のロマンを描いた。
今では古い感性の作品なので異世界ものとして読むと面白いかもしれない。梶原先生の特徴は現実の話と捏造の話を上手く盛り込んでいたところである。元々小説家を目指していた梶原先生のストーリー作りのうまさは一読の価値ありである。

ニューウェーブ

ニューウェーブで漫画の新たな見せ方が誕生した。
萌え系の絵柄を作った「不条理日記」吾妻ひでお先生、そしてなんといっても「AKIRA」大友克洋先生の登場である。
大友先生は、漫画のコマ割りの中に映画的な見せ方を積極的に取り入れ背景の見せ方にこだわり空間作りに成功し、セリフのない間のコマを上手く入れたりなど後の漫画表現に影響をあたえた。

ジャンプ黄金期

メジャー週刊少年漫画の中では最も遅く発刊されたジャンプだが、80年代後期から90年代初期に最も売れる少年誌へと成長した。その理由は才能のある若手漫画家を積極的に取り込んだ為である。
また漫画表現はキャラ起てと大友先生の背景の見せ方により完成形に辿り着きつつあった。ちょうど漫画好きの少年たちはそれらを取り入れて最高の形にしていった。
「ドラゴンボール」「北斗の拳」「スラムダンク」ets…

2000年代

2000年代初期からは萌え系の作品がブームになる。
可愛らしいキャラクターの日常ものやラブコメ。2000年代以降からはいかに女の子を可愛く見せるかに表現が特化していった。
顔のアップを多用する作品も増え顔だけ漫画とか呼ばれるように…
いとう のいぢさんが生み出した絵柄はみんな真似するようになりスタンプ絵と呼ばれるようになる。
変則コマも出てくることが多くなり、極端なパース、構図の幅も格段に増えた。
「エアギア」大暮維人先生、「セキレイ」極楽院櫻子先生est…

「鋼の錬金術師」荒川弘先生、「いちご100%」河下 水希先生などの女性作家は比較的昔の漫画の影響を感じる。

また青年漫画ブームであったと思う。
長く続く不景気と暴対法により悪が闇に潜むようになった時代。
グロテスクなものや暴力漫画が多数あった。
「喧嘩商売」木多 康昭先生、「ホーリーランド」森恒二先生、「R16」桑原 真也先生、「殺し屋1」山本 英夫先生ets…

2010年以降

10年以降は、異世界ファンタジーものが増える。15年以降は電子書籍やSNSから書籍化される漫画、縦読みのWebtoonなど媒体が増える。
作品数も急激に増えジャンルも多様化する。
作画はデジタルで描くことが当たり前になり、写真素材を使う作家も増える。

一つ注目したいのが2000年代初期に出てきた変形コマや極端なパースなどは2020年代の「呪術廻戦」「チェーンソーマン」「鬼滅の刃」など人気作品にはあまり見受けられない。
表現は一周してまた昔の技法が取り入れられているように思う。

さいごに

漫画をこれから描きたい人は、自分がやりたい表現を見つけてそれに近い作家さんを探すと良いと思う。私もまだまだ勉強中です。
日常で面白いと思ったことのどの部分を切り取りどのように見せるかはその人の個性なので、変にこうしなければと思わない方がいいかもしれない。

私の同人作品もよろしくお願いします。
https://www.dlsite.com/home/circle/profile/=/maker_id/RG58333.html



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