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アメリカンニューシネマをもっとみんなに知って欲しい

みなさんアメリカンニューシネマをご存知でしょうか?

忘れ去られてしまってると思ったので映画好きの人に知って欲しいです。

アメリカンニューシネマとは、1960年代後期から1970年代半ばに渡ってアメリカで反体制的な人物を映画作家達によって描かれた作品の事です。

作品でいうと「俺たちに明日はない」から始まり「ロッキー」で終わりを迎えました。

映画作家とは、監督と違い演出や脚本や音楽に至るまで全ての編集権を持っている製作者の事をいいます。

なので作家の思想が作品に強く出ています。


商業的に成功を収める事を基本としている現在の映画は監督の意思だけでは、作品を作る事ができません。
スポンサーの気に入る様に変更したり、出来るだけ誰にでも分かりやすく全年齢にウケる作品作りを心がけなければなりません。

この時代ならではの作品の素晴らしさを知って欲しいです。

まずは時代背景について話したいと思います。


1950年代のアメリカの映画事情

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1950年代までアメリカにあったスタジオ・システムにより映画会社は、世界をマーケットにし幅広い要求に応えられるような長編映画の制作をしていました。

スタジオの豪華なセットにスター俳優が必ず出演します。
作品の芸術性や構成についてまで品質管理をしていたのです。制作から配給や劇場の公開まで支配し巨大な利益を得ていました。

しかしこの独占的な経営が裁判の判決により映画会社と劇場は切り離されさらにテレビの普及によりスタジオシステムは崩壊しました。


1960年代のアメリカの社会

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1960年代アメリカは沢山の問題を抱えていました。
黒人人種差別問題、ケネディ暗殺、カウンターカルチャー、性の問題、ヒッピー、ベトナム戦争。

若者は今まで保守的だったアメリカ社会のあり方に疑問を持つようになります。現実の悲惨と輝かしい映画の世界とのギャップを感じる若者は自分たちの感じるリアリティーを映画で描きました。


アメリカンニューシネマの特徴

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・若者が社会に反発する
・リアリティーのある乾いた暴力描写
・反体制的で逃避する人物
・若者の行き場のない気持ち
・主人公が悲劇的な最後を迎える

活躍した映画作家と作品
・フランシス・フォード・コッポラ「地獄の黙示録」
・マーティン・スコセッシ「タクシードライバー」
・シドニー・ルメット「狼たちの午後」
・マイケル・チミノ「ディア・ハンター」
・スタンリー・キューブリック「時計仕掛けのオレンジ」
・アーサー・ペン「俺たちに明日はない」
・ドン・シーゲル「ダーティハリー」
・ウィリアム・フリードキン「フレンチコネクション」
・サム・ペキンパー「ワイルドバンチ

私的おすすめアメリカンニューシネマの作品

アメリカンニューシネマの作品は私にとってバイブルでありかなり影響を受けました。


なぜ私が惹かれていったかというと私が今まで見てきた善悪がはっきりしたキャラクターや分かりやすいストーリー、主人公がハッピーエンドを迎える映画と違ったからです。
冷たい目で撮られた主人公達の生き様に今まで感じたことのない嫌な気分にさせられました。


初めて見た作品は「明日に向かって撃て」でした。ポールニューマンとロバートレッド・フォードの2枚目俳優が悲劇的な最後を迎えた所に衝撃を受けました。
ちなみにポールニューマンは不良でありながら素敵な笑顔で女性に優しく素直でまっすぐなキャラクターを演じることが多いので好きです。「ハスラー」や「暴力脱獄」も素晴らしいです。


上記の作品は有名なのでもうすでに見たことがある人は多いと思います。なのであまりメジャーになっていないけど面白い作品を紹介したいと思います。

アメリカンニューシネマは虚しい・切ない気持ちなることが多いですが、この「ソルジャー・ボーイ」は比較的明るくアクションシーンも主役がこども達であることもあり応援したくなるので好きです。

ボスのCMでおなじみのトミー・リー・ジョーンズが妻が殺された復讐をするお話です。ギャングに襲われ自身も腕がなくなり、手を鉤爪が代わりをする。まさにカッコイイです。

まとめ

アメリカンニューシネマに興味を持っていただければ嬉しいです。
これからも映画について記事を書いていこうと思います。最後に私がこの時代の映画について深く知ることができた本について紹介したいと思います。

町山智弘さんの映画評論は凄く分かりやすいです。ご自身がアメリカに住まれていることもありアメリカの歴史や情勢について詳しく、作品の背景にあった時代や事柄について教えてくれます。

1965年から1976年にかけて上映された映画について多数の評論家による評論集です。「この映画見てみよう!」そんな気持ちにさせてくれます。

70年代のアメリカ映画103本紹介されています。まずはこの時代にどんな映画があったのか見てみたい方にお勧めします。

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映画についての記事は他にも書いていますのでどうぞご覧ください。

絵も描いていますのでご興味あれば見てください。


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