見出し画像

モタ狼日記22日目〜OM-1と裏蓋修理〜

本日の日記は忘備録であるとともに、後世のために少しでもなればと思い書き記す。

そして、カメラ好きや修理フェチでない限りは面白みのない記事だと思うのでご了承下さい。

長くなりそうなので先に言っておく。この話は解決している!すっかり解決したのだ!同じ悩みを持った方がいれば安心して見てほしい!(今回の症例はレアケースだとは思うが…)


1ヶ月ほど前から私は手持ちのフィルムカメラのある症状に悩まされていた。


それは、


「OM-1の裏蓋が勝手に開いてしまう」


これはフィルムカメラには一大事件なのだ。前回の日記でも書いたのだが、フィルムカメラはフィルム装填時に裏蓋を開けてしまうと、感光(フィルムに光が当たってしまうこと)してしまい撮った写真たちがオジャンになるのだ…グッバイメモリーズである…木綿のハンカチーフで拭いた涙のリクエストのひとつでもしたいところだ。


酷いネタを書いてしまった。話を戻そう。

とにかくこの重大不具合を直さないことには安心して写真を撮れない。ということで、まずはネットで症例を調べてみる。この世にGoogle先生にわからないことなんてほぼ無いのだ。素晴らしい時代になった。




無い…どこにも無い…一般サイトだけでなくSNS等でもワードを変えたりして調べまくったのだが全くと言っていいほど当てはまる症例が無い…なんてことだ…

まあ確かに、再ブームが来ていたとはいえフィルムカメラ自体古いものだ。持ち主がネットに疎かったり、SNSが流行る前にすでに直ってるものばかりなのかもしれない。

では二手目にして最終手段、懇意にしているカメラ屋に頼もう!という事で、訪ねてみるも…結果は今ひとつ…モルトの具合やらネジの締まり具合やら色々調べてもらったのだがやはり家に帰るとパカッとひとりでに空いている…

綺麗な同機種と見比べてみたこともあった。全く…全く違いがわからない…問題無さそうじゃないか…



こうしてネットからもカメラのプロからも見放された可哀想なOM-1と人間…

気力も尽きてきた…が!!やはり自分のカメラだ!愛着もあるし直して安心したい!!

ついにカメラの分解という禁断のエリアに着手する。



そして!ついに!!原因を突き止める!!!

画像5

※わかりやすいように明度加工してます

この矢印の部分の爪パーツが、裏蓋の部分の爪とツガイになっていて開閉できるようになっているのだが、何故か若干浮いてしまっているために爪同士が噛み合わず外れやすくなっていたのだ。


画像3

普通は爪部分が浮かないように、上から金属のパーツで押さえつけられている。


画像4

金属パーツを外してみた。ちなみにネジやワッシャーは精密器具の部類に入るので数ミリしかない…蟻みたいだ…


画像2

上部分のパーツを外してみた。さっきよりもわかりやすいかと思う。矢印部分の黒いやつが爪パーツである。上部の鉤鼻のようなところで裏蓋部分の爪パーツを引っ掛ける。


しかし、何故ここが浮いていたか。そこが今回のポイントである。


フィルムカメラというもの

自身が所有しているOM-1もだが、フィルムカメラは基本的に何十年も前に作られたものが多い。そのため、幾人もの手に渡っていることがほとんどだろう。今回のカメラも中古で購入したものなので今まで何人オーナーがいたかわからない。その中にはきっと不具合を感じてなのかどうなのかはわからないが、自らの手で弄ってみた人もいたのだろう。

今回、不具合のあったOM-1では、前述した金属パーツと爪部分とカメラ本体をひとつにするためネジで固定してあるのだが、2箇所あるねじ穴のうち1箇所が広げられていたのだ。

理由は定かではないが、それのせいで純正のネジでは細すぎてネジが空回りし固定することが出来なかったのだ。


しかし、かといって太いネジを使うと今度はワッシャーの穴を通らない。ではワッシャーの穴を広げてみようかと思ったのだがワッシャーが蟻のように小さすぎるため固定が難しく、ドリルの回転力でどっかにいってしまいそうで断念。(その大きさのワッシャーを買うのがベストなのだが、私の住む地域で一番大きなホームセンターでも売っていたのは最小で2mmのワッシャー。今回は1.8mmのワッシャーが必要だった)


はて、困ったものだと思っていた時にふとひらめく。

今回使おうとしているネジは純正ネジよりも太め。

ということは、、ワッシャーいらないのでは。


というのも、そもそも今回のワッシャーの役割は、もちろんネジの締め過ぎにより本体部分が傷つくことを防ぐためでもあるが、もう一つは爪部分を引っ掛けるため。


もう一度さっきの写真を見てみよう。

画像5

赤矢印の先が爪パーツで銀色の丸いのがワッシャー。そして新たに追記した黄矢印のところに見える銀色部分がネジ穴だ。

要するに、ネジで爪パーツを必要位置に固定して、開閉時に上下する爪パーツがふらつかないよう誘導しているのがワッシャーなのだ。(なので爪パーツの空洞部分の横幅とワッシャーの大きさが一致している)

ならば、純正より太めのネジを使うのならワッシャー不要じゃん!と思い付けてみると、なんと!横幅ピッタリである!そして…


問題無く開閉ができる!!なんなら綺麗なOM-1よりもキッチリ閉まっている気がする!開ける時もカチッと気持ちが良い!


解決である!!!



とまあ、今回は太めネジと爪パーツの空洞部分の幅が同じだったので解決できたが、それが違う場合はやはりネジと合致する大きさのワッシャーを探す/細工するか、良い具合の太さのネジを探す必要があったのでまた一苦労しただろう。


そして今回の件で症例が全く見当たらなかったのは、何故かネジ穴を広く改造しているのにネジはそのまま純正の大きさのものを使い続けた前オーナーの謎思考のせいだったので、そりゃあレアケースだよなと。何がしたくてネジ穴広げたんだ…

しかし物を直すという良い経験にはなったし、なによりまたOM-1が活躍できる嬉しさがある!色々試すのは大事である。

今回の日記が、どこかの誰かの役に立つことはほぼ無いだろうが、同じ悩みを抱える人の参考になる日が来れば幸いだ。以上。


また明日

ニート唯一の収入…