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さいはてにあめがふる―道北旅行記①

6/15(土)

 朝は苦手です。
 朝起きたときがいちばん疲れていて、落ちない石鹸のぬめりのような、実体のあるのかないのかわからない疲労感と一緒にベッドから這い出るのが常でした。
 旅に出る朝でさえも遅い旅立ちにしたかったので、羽田空港へは11時前くらいに到着ししました。乗る飛行機はもっとあと、正午過ぎの便です。

 土曜日の羽田空港は賑やかです。平日に来たって賑やかなところなので、休日に来ればなおのことです。
 お土産屋の店員さんはにこやかな笑顔を貼り付けて、通り掛かる人へそれぞれの商品を勧めています。こんな1等地へ店を出すくらいですから、きっとどれも有名なものなのでしょう。
 とらやの羊羹を見てみたら、とてもとてもなお値段でした。

 お弁当屋さんで穴子寿司の弁当を買ったあと、それを手に乗り込むのは北の大地へ向かう飛行機です。いつもターミナルの端から出発するので、長い通路を搭乗口までどこまでもどこまでも歩いていきます。搭乗口が遠くなるのは私がAIRDOばかり使うからかもしれませんが、どうなのでしょう。行き先でしょうか。
 実のところ、旅の気分が高まるので遠くの搭乗口も嫌いではないのです。
 それに、これから向かう先だって最果てなのですから。

 機内でお弁当を食べてぼーっとしていたら、あっという間に北海道の旭川空港へ到着しました。
 ここでレンタカーを借り、本日の宿泊地へと向かいます。

 車で野を越え山越えたところで夕方となり、海へ出ました。ここは夕日が綺麗なことで有名な留萌市の黄金岬という海岸なのですが、この日は残念ながら雲が多く、燃える黄金は望めそうにありません。

 雨の降っていないだけよしとしましょう。

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