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マッドお局、怒りのデスカンファ(お局看護師の独り言)

 どうもこんにちは。
 病棟一の戦闘民族だったお局です。
 他職種も同席したカンファレンス、委員会、詰所会などの場所で討論という名の喧嘩をした相手は、院長を筆頭に上司や他部署、同僚、患者など数知れず。
 院長に食ってかかるとか、ほんとマッドだったなと思いますけど、しょうがないです。現場の人間や患者を守るためです。

 そんな私もただのキュートで可憐な白衣の天使なんですけどね。
 異論は認めます。
 しかも、年取って丸くなったので、今は穏やかなつぶらな瞳の白衣の天使だよ!
 ええ、異論は認めます。

 今までの記事で書いてきた内容を読んでいただいた方はご存知の通りかと思われますが、病棟では日々いろんな戦いが繰り広げられています。

 認知機能の低下や精神疾患、アル中、せん妄などのメダパニ状態にある方による暴言暴力という物理攻撃。

 「なんで英語話せるスタッフが常勤してないの!うちの夫は日本語話せないんだから英語話せる人連れてきて!」
「うちの母は認知症じゃありません!抑制なんて人権侵害認められません!でも、うちの母が転倒したのはそちらの対応が悪いせいです!」
とおっしゃられるモンスターと呼ばれる患者やその家族による理不尽なクレームという精神攻撃。

「ベッドあるでしょ、入院くるからとってね。え?疾患が他科?見れない?見れるでしょ」という勤務終了30分前の内線命令。

 他部署からのクレーム、お願い、仕事のなすりつけあい、嘘情報による撹乱という裏切り。

 もう疲れたよパトラッシュ、と倒れ込んだ先でチラ見えするのは未完成の委員会議事録や勉強会の資料。

 インシデント、アクシデントをやらかしては、てへとか言いがちな後輩看護師に後ろからも撃たれ、指揮官である医師からの、何やってんだ!という叱責にぺこぺこと頭を下げます。

 看護師は強い、って世間では言われますよね。けどそんなの当たり前じゃないですか。強くならざるを得ないんです。
 命をやりとりをしてるんだ、こっちは!常にアドレナリン出まくりだぜ!

 上気道炎、37度の熱でがたがた言うような甘ちゃんは帰って寝てろ!
 え?寝てたら39度超えた?胸が痛い?咳が止まらん?痰が緑?
 それは肺炎とかなんかやばいやつだ!レントゲンとった!?肺真っ白やんけ!CRP30、白血球20000だと?それはスカウターも壊れる数値だ!入院適応だ、有無を言うな、今すぐゴーベッドだ!若くても死ぬぞ!

 なに?仕事がある?ペットがいる?だから、どうしても家に戻らないといけない?
 それならもう仕方ない、すぐ戻ってくるんだぞ!待ってるから!
 って言ったのに夜になるまで帰ってこないとか。
 心配するのでやめてくださいね。言ってた時間に戻れないなら連絡ください。

 スタッフもだ!
 具合悪いなら出勤するな!ここはなんとかする!
 とか言ってる側が、薬をじゃりじゃり内服していたり、控室で点滴を打っている先輩が前線へと復帰していくのを見ながら育った世代が私たちの世代です。

 目の前で倒れた先輩、2人います。一人はPSVTといわれる発作性上室頻拍です。マラソンランナーなら感覚がわかるかもですね。
 突然、心臓がめちゃくちゃ猛ダッシュを始めるやつです。申し送り中に、胸を押さえてううっ!ってなりました。

 もう一人の先輩は脳梗塞でした。
 患者さんのベッドとベッドの間に倒れているのを発見されたとか。
 それぞれ無事に社会復帰してます。よかったです。

 職場が病院なので、倒れた人に対する対処は早いです。いいことです。私が緊急入院した時も職場が病院でよかった!って思いましたね。

 けど、他の同僚の談ですが、ACLSと呼ばれる救急研修中に脳幹出血おこした人は、そこに救命のプロがたくさんいてもさすがに助けられなかった、って言ってましたね。
 ああ、無常。命とはかくも儚いものか、と思わされることもたくさんあります。

 でも、具合悪いなら帰れ!って言ってる側が具合悪いのに帰らない職場なんて、後輩の子も帰れないじゃないですか。なので、私は具合が悪ければ容赦なく帰ります!休みます!
 それと残業してないで帰れ!って言っても先輩が残業してると他の子たちが帰れないので、わたしは自分の仕事が終わってたらさっさと帰る派です。

 自分が夜勤で働いてる時とかに日勤の子が仕事が終わらないんです、って言ってたりした時はなんの仕事が残ってるのか確認して、夜にできそうなやつなら置いて帰れ!って言います。
 記録が終わらないんですーってのはしゃーないですね。みんな残業にまみれてます。
 労働環境の改善を!と言っても人がいなきゃどうしようもないですね。
 だから、ねえ、みんな、看護学校に入って、一緒に看護師になってよ。

 というわけで、病棟看護師を何年も続けられることができるのはある意味才能だと思っています。
 夜勤帯で何かあって休憩がとれなければ18時間、働き続ける強靭な肉体に宿る鋼の魂!理不尽なことや患者さんを危険に晒すようなことを言われたら上司や院長にも食ってかかる漢気!

 腰が。メンタルが。家庭が。育児が、介護が。体力が。
(みんな比較的腰やらかす率高め)
 そういってみんな戦線を離脱していきます。
 みんな待って!私を置いていかないで!
 って言ってたんですけど、私も復帰できるか微妙なところです。現場に残っているみんなにお先に失礼!っていうことになるかもです。
 復帰って、やってみないとわからない。そう、大復帰実験でね。

 メンタルやらかした人の再発率85%っていう文献みまして。あ、だめだこりゃって気持ちにすでになってたりもするんですが。
 逃げちゃだめだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……っていう懐かしの呪詛を唱えながら歯を食いしばって復帰してみたいと思います。

 転職サイト眺めてたりするとか、秘密だよ。お姉さんとの約束だよ!
 何かいい仕事あったら紹介してくれる人とかいないかな。チラッ。

 そんな私の気持ちは置いといて、そんな看護師の一日ってこんなだよ、っていうのを記事にしてみることにします。
 途中で表題のデスカンファ出てきます。

 看護師版、24!
 某局の番組で74時間いろんな現場でカメラを回し続けるってのありますけど、うちの病院回してみてほしいですね。
 きっと現場の人間は楽しくみます。一般の人はどんびきかもですが。
 実際、仕事しててめちゃくちゃ時間に追われます。頭の中で、ちっちっちっちっ……ってタイムアタックしていたりします。

 ここに書くのは私が今まで働いてきたいくつかの病院を総合した感じで書いているので、病院によっては全然システムや時間管理違ったりします。
 大体看護師の1日ってこんな感じだよ!ってことがわかってもらえたらなーと思います。

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