【読書メモ】医師が教える!マグネシウムのすごい力
マグネシウム足りてますか?
【ご挨拶】
私は、日々の学習のために、さまざまな本を読んでいます。
しかし、「あの内容はどこに書いてあったかな?」と忘れてしまったり、「この本はおすすめですよ」と紹介するときにうろ覚えだったりと、いくつかの問題に直面してきました。
本の内容を説明するとき、どのように説明するかを想像しながらまとめています。
自分の意見も含まれていますし、解釈が間違っていることもあるかもしれません。どうぞお手柔らかにお願いいたします。
発売日 : 2019/3/23
発売日:2018/12/27
【この記事のまとめ】
厚生労働省・米国のNIHによる報告をもとにまとめたマグネシウム
【マグネシウムの4つの役割】
骨の形成と歯の形成
筋肉の弛緩
血圧の維持
ATP生成の酵素の活性化
【日本人のマグネシウム摂取量】
推奨:🚹280-310mg🚺270-310mg
🚹121-217mg不足
🚺71-85mg不足
マグネシウム(Mg)
【マグネシウムの欠乏による症状】
▶吐き気・嘔吐
▶眠気
▶脱力感
▶筋肉の痙攣(こむら返り)
▶食欲不振
[長期に及ぶと…]
▶骨粗鬆症
▶心疾患
▶糖尿病
【マグネシウムの吸収】
成人で平均摂取量が約300〜350 mg/日の場合は約 30〜50%
(腸管からの吸収率は 40〜60%程度)
【マグネシウム過剰摂取による症状】
▶下痢
一日に必要なマグネシウム
実際に厚生労働省にかかれている摂取推奨量は下記の通りです。
成人の推奨摂取量は300mg前後必要です。
そして男性は121mgから217mg程度不足しており、女性は71mgから85mg程度不足しております。
【日本人のマグネシウム摂取量】
推奨:🚹280-310mg🚺270-310mg
🚹121-217mg不足
🚺71-85mg不足
また必須・主要ミネラルという内容は厚生労働省では表記はなく、
必須ミネラルは多量ミネラルと微量ミネラルで分けられており、全部で12種類あります。
【必須ミネラル】
[多量ミネラル]
▶カリウム
▶ナトリウム
▶リン
▶カルシウム
▶マグネシウム
[微量ミネラル]
▶亜鉛
▶マンガン
▶銅
▶ヨウ素
▶セレン
▶モリブデン
▶クロム
▶鉄
マグネシウムの働き
本書で書かれているマグネシウムの働きは、
①丈夫な骨や歯を作る
②筋肉をスムーズに動かす
③血圧をコントロールする。
とありますが、やや誇張されています。
実際に効果があるのは以下の2つ。
血圧のコントロールに関しては現状科学的な根拠は不十分です。
【マグネシウムの効果】
▶乳酸が溜まった状況下でこむら返りを緩和する
▶腸管で吸収されなかった場合、下痢を引き起こす
大量摂取すると、死亡するケースもあるため、飲みすぎには注意が必要。
マグネシウムが多く含まれている食材
一時期ブームとなったチアシードに多く含まれています。
1食あたり111mg(28g)も摂取できるため、チアシードドリンクなどで補給可能ですね。
それ以外にもナッツには多く含まれているためカシューナッツ・アーモンドなどが入ったミックスナッツなどもおすすめです。
同時にナッツには良質脂肪が含まれており、ダイエットにも最適です。
日本食に限定すると、豆腐がおすすめです。
豆腐を生成する際に、マグネシウム(にがり)を用いています。
ただし、粗製海水塩化マグネシウム(天然のにがり)が含まれているものを選んだほうが健康的です。
マグネシウム不足の理由
本書で記載のある理由としては以下のとおりです。
【マグネシウムの不足の理由】
▶軟水であること。
▶玄米などの雑穀の消費量が減ったこと。
▶塩が精製塩になったこと。
マグネシウム不足による疾患
2009年にWHOは「Calcium and Magnesium in Drinking-water(飲料水中のカルシウムとマグネシウム)」という内容のものをWebで公開しています。
上記の報告によると、
▶タンパク質と核酸の合成
▶正常な血管張力
▶インスリン感受性の維持
のためにマグネシウムが必要と記載があります。
血管拡張ができなくなるため、内皮細胞の機能不全・血管反応の増加がおこり、高血圧であったり、冠状動脈硬化性心疾患、そしてインスリン感受性の不全による2型糖尿病およびメタボリックシンドロームに関係しています。
この中で、高血圧に関しては臨床データが不足しています。
糖尿病に関しては厚生労働省から出ている内容でも取り上げられています。
【糖尿病】
マグネシウム摂取量と 2 型糖尿病との関連について検討した 13 の前向きコホート研究のメタ・アナリシスでは、マグネシウムの摂取量と 2 型糖尿病の罹患リスクは負の相関を示し、100 mg/日のマグネシウム摂取量増加は、相対リスクを 0.86 に低下させた
その他、起こり得る疾患についてまとめています。
【マグネシウム不足による主な疾患】
▶高血圧
▶不整脈
▶動脈硬化
▶冠状動脈硬化症心疾患
▶妊娠中毒症
▶糖尿病
▶骨粗鬆症
上記に加えてNIH(Natinal Institutes of Health)によると偏頭痛にも関与している可能性が示唆されています。
偏頭痛のある人の血中マグネシウム量が低いケースがあり、市販のマグネシウムサプリメントを摂取することで程度が減ったという研究があります。
まだこちらも臨床データとしては不十分ですが、今後に期待がもてますね。
筋トレの効果にもマグネシウムは影響する
先程、マグネシウムの不足でインスリンの感受性が低下するという話をしました。
筋肉を生成するために1番か2番目ぐらいに大切なのはインスリンによる同化作用です。
いくらタンパク質と糖質をとってもインスリンが働かなければ筋肉は作られず、そればかりか糖尿病へのリスクも高まってしまうということが今回わかりました。
骨粗鬆症にもマグネシウムは影響する
骨を形成することはわかっていますが、柔軟性に関与するかは調べましたが不明でした。
ただし、骨粗鬆症の患者はそうでない患者に比べてマグネシウムの摂取量が少なかったという研究があります。
同時にリンに関して言えば、厚生労働省よるとあらゆる食材に含まれており不足することはまずありえない。とのこと。
むしろリンのとりすぎは、カルシウムの吸収を阻害してしまうため注意が必要です。
まとめ:マグネシウムはいる。リンはいらない
ストレスによりミネラルが失われている
抗ストレスミネラルで検索しましたが、いい結果は得られませんでした。
国立健康・栄養研究所の研究によると、
①寒冷曝露と②精神作業の負荷をかけた大学3年の女性12名を被験者とした尿中Mg排泄量を測定した結果、①と②のストレスをかけた場合のほうが、かけていない時期に比べて尿中Mg排泄量が多くなったという研究があります。
女性のみでしかも人数が12名というちょっとあれな研究です。
しかも増加量は多いところでその差は1μmol程度時間帯によっては、ストレスをかけた場合の方が少なくなっており、なんとも言えません。
個人的には、あんまり参考にならないかと思います。
主な生活習慣病との関連
【高血圧】
55 歳以上の高齢者を対象としたオランダの研究では、100 mg/日のマグネシウム摂取量増加は収縮期/拡張期血圧の 1.2/1.1 mmHg の有意の降圧を伴うことが示されている。
サプリメント等の摂取によるマグネシウムの降圧作用について、科学的根拠が十分ではなく、耐容上限量との関係もあるため、サプリメント等の摂取は推奨できない。
【糖尿病】
マグネシウム摂取量と 2 型糖尿病との関連について検討した 13 の前向きコホート研究のメタ・アナリシスでは、マグネシウムの摂取量と 2 型糖尿病の罹患リスクは負の相関を示し、100 mg/日のマグネシウム摂取量増加は、相対リスクを 0.86 に低下させた
2016 年に発表された同様の解析でも、100 mg/日のマグネシウム摂取量増加により、2 型糖尿病の発症を8〜13%減少させると報告されている 132)。
日本人を対象とした報告では、マグネシウム摂取と糖尿病発症の間には関係は見られていない
【慢性腎臓病】
慢性腎臓病では、低マグネシウム血症(1.8 mg/dL 未満)を呈する患者は、死亡率が高く腎機能低下速度が速いという報告がある。
特に糖尿病腎症の患者では血清マグネシウム値が低下しやすく、そのような患者で腎機能低下速度が速い。一般に、腎機能低下とともに血清マグネシウム値は上昇するが、目標量は科学的根拠がなく不明である。