党員の子として生まれて──共産党二世が見た暗殺事件からの悲喜劇
はじめに
月額版「筋道のタテツケ通信」の第2回です。今回は第1回に収録できなかった過去の取材をもとにした記事です。
関東在住の角田さん(仮名)は共産党員の家庭に生まれた、いわゆる共産党二世の男性です。角田さんに誘われて実家を訪ねると、塀に樹脂板が吊り下げられていて共産党のポスターが3枚貼られていました。どの地域、どの住宅街にもありがちな党員家庭に見えます。
しかし党員ではない角田さんには、安倍晋三元首相暗殺事件からの父親の様子は、そうなることが予測できたとしても異様なありさまだったそうです。
第一声は「宗教二世のことがいろいろ言われてますが、党員の二世もたいへん」でした。
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掲載を保留していた理由
これまで角田さんの証言を掲載しなかったのは、党員28万人中の1例にすぎないにもかかわらず、強烈な印象を残しかねないものだったからだ。
暗殺事件が発生した日に祝杯をあげたという父親の浮かれ具合。好みのタイプであるはずの妖艶な美人女性タレントを、なぜか反共への敵愾心に結びつけて「統一教会の女」と呼ぶ屈折。母親の態度。これらの証言は生々しい。
今春の除名騒動をうけ同党をやめた元党員に聞くと、「すべてではないが、党員の家庭にありがちなパターン」だという。ただし、彼が党の方針に反発している元党員である点に注意しなければならない。
「すべてではない」が、実在する家庭で、証言内に他の党員たちも登場する角田さんの例を、冷静に考えて判断してほしい。
そのうえで、前回の記事「統一教会追及は被害者救済ではなく政治にテロを肯定させてしまった全国弁連の社会運動だ」を読んでもらえば、控えめに言って1家庭の事例だったとしても、「あべしね」と暗殺事件から統一教会追及までを支えていたものの正体を知る手掛かりになるのではないか。
取材から
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