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非常時の情報発信 ──ある被災者の一言から【短信】


はじめに

 能登半島地震から5日後、被災地に住む人から無事を伝える連絡が届いた。あたりまえだが、命は無事でも多くのものを失い、インフラが破壊された影響で生活は不自由極まりない状態だ。
 半島の付け根に比較的近い地域であるため、駆けつけボランティアや思いつきで届けられた物資を目にする機会が多いという。情報が長らく途絶していただけでなく、テレビなどを目にする余裕さえないため、この人は「もしかして、無秩序なボランティア行動を報道が好意的に伝えていないか」と疑っていた。
 疑念の通り、石川県知事自らがボランティアに来ないよう呼びかけているにもかかわらず、一般人が援助物資を寄付する話題が好ましく報道されるなどしていた。
 情報発信には公的な機関からのもの、報道機関からのもの、個人や政治家からのものに大別できる。これら3者について、非常時の情報発信のありかたを考えたいと思う。

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