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「マミートラック」は女の塩漬けなのか

マミートラックとは、子どもを持ち働く女性が仕事と子育ての両立はできるものの、昇進や昇格には縁遠いキャリアコースに乗ってしまうこと
https://www.kaonavi.jp/dictionary/mommy-track/

既に死語になりつつあるのかもしれないが、世の中ではネガティブな意味で使われている言葉だろう。検索すると「抜けたい」「悔しい」などのワードが出てくる。実際私も入社10年目だが(産休+育休+私傷病休職)✕2回で昇進なし、時短勤務で給料カット賞与もカットで新人のような給料で働いている。親として初心者になると、なぜか給料まで初心者にリセットされてしまう驚きのシステムである。

もちろん、体力気力能力その他が揃っていてマミートラックに無縁な方もいる。それはそれで素晴らしいので、そのまま突っ走ってほしい。でも多くの人間はそれらが揃ってないので、マミートラックと言われるものに乗っているように見られてしまうのだが、別に乗ってるわけではない。普通に生きてるだけである。

マミートラックの代表選手として「時短勤務」を取り上げよう。私も以前は「時短勤務」に関して、生産性を上げた上に給料を減らされる罰ゲームと考えていた。なので第一子出産後は時短は取らず、当然のフルタイム復帰、残業ゼロでプラス評価という我ながら超人だった。しかし、第二子出産後フルタイム復帰したら簡単に限界突破し心身が壊れ、時短勤務を選んだ。そこで気付いたのだが、頑張るから罰ゲームに感じるのであり、生産性を最低レベルまで下げることで、罰ゲームとは思わなくなった。会社は「生産性向上がー」などと言ってるわりに生産性で評価しないので、仕方ない...こっちが合わせてやるか、という歩み寄りの姿勢である。むしろ感謝して欲しい。
現在の目標は「雇用の維持」であり、それ以外(昇進、評価、給与など)は正直どうでもよい。優先度は自宅のトイレ掃除のが高い。もちろん仕事はするし、メンバーに迷惑をかけるとか職場の雰囲気を悪くするようなことはしない。良くも悪くも、私はいわゆる日系大企業に勤めているので「雇用の維持」に関してはかなり楽で、日々の社員懲戒のお知らせを見る限り、犯罪クラスまでいかないと解雇にはならないらしい。出勤停止10日なんてただのご褒美じゃないか。

話を戻して、時短勤務になった分、時間に余裕ができて趣味のバイオリンレッスンに行ったり、会社帰りにちょっとお茶したり、毎日の1-2時間でQOL爆上がりで「この生活悪くないな」と感じている。給料カット賞与カット昇進なし転職のタイミングを逃すなど、生涯年収2000~5000万円くらいの差が生まれるらしいが、毎日のQOLと何よりも自分の心身の健康を考えるとその分の価値はある、と私は思う。新人も人間なので、新人の給料でも生活はできる。

そこで思うのは「マミートラック」ってそんなに悪いことなのか、ということだ。それは会社の中で「昇進や昇格には縁遠いキャリアコース」"かもしれない"だけで、人生全体がそうなったわけではないじゃないか。「同期入社の男性社員はもう管理職なのに...」といったように、分かりやすい指標で比較するから悔しいのであって、個人の力では変えられない会社や社会のレールには乗りつつ自分のトラックを歩こう。女の塩漬けとは言い得て妙、中々腐らず熟して旨い(逆にマジで腐る場合もある)ということで、この期間を面白がると人生で本当に大切にしたいことが見えてくるのではないだろうか。(と思って面白がることにしました)

参考)出産後の「マミートラック」で塩漬けにされる女たち
「女子力を磨くより、稼ぐ力を身に付けなさい!」上野千鶴子さんが描く、働く女の未来予想図 から
https://woman-type.jp/wt/feature/171
参考)マミートラック、三者三様の選択~それぞれのメリット・デメリット
http://work-switch.persol-pt.co.jp/mammytruck/



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