お笑いフライヤーにおけるパロディの話
お笑いライブのフライヤーデザインや芸人さんのグッズデザイン等を生業としています。
長良 鮎武と申します。
お笑いに限らずあることですが、有名作品を「パロディ」や「オマージュ」をしたフライヤーってよく見かけますよね。
自分はそれを作る事が比較的…いや、かなり多いです。
今まで恐らく200近くパロディ作品を作ってきたと思うのですが、思う事が色々あるので良かったら聞いてください。
そもそもパロディとは?
かなり端的に分かりやすく説明していますが、要するにパロディ元を知られている事が前提としてある状態で真似をすること、です。
かなり諸説あるのであくまで自分の考え方です。もっとこれだ!という説明があるのかも。
よくパロディとオマージュとマッシュアップは何が違うの?と言われますがその辺はまぁ調べてもらったほうが早いかもしれません。
結構違いますが似たようなもんです。
今まで作ってきたパロディ作品
お笑いライブのフライヤーデザイナーを生業としていると、「この作品のパロディで僕を描いてください」とか「この漫画と同じデザインのロゴを作ってください」とか本当によくあります。
自分はデザイナーを名乗らせてはもらっています。が、どうやらアーティスト気質ではありません。自己表現が苦手なのです。
なので、自分のセンスを出すより、「こういうの作ってください」と言われたらそれをそのまま作る方が性に合っています。
言われた通りやるのが苦手な方はアーティスト気質と言えるんじゃないでしょうか。
そんな自分が作ってきたパロディ作品をいくつかご紹介します!
まだまだありますがとりあえず。もっと色々見てやってもいいよという方はこちらからどうぞ。
頑張って生きています。
厳しい法務チェック
パロディ作品を作るにあたり「法務チェック」というものと仲良くしなければ生きていけません。
法務チェックとは別名「リーガルチェック」と呼ばれ、法的(具体的には著作権侵害)に問題ないかどうかを専門家に判断してもらう行為を指します。
フライヤーを作ったら、まずご依頼主様に法務チェックをしてもらいます。これは各事務所の方がやってくださるので自分で個人的にしたことはありません。
これが結構厳しい!
それもそのはず、もし後から著作権侵害などに当たればフライヤーはもちろん公演もパア、演者さん並びにお客様にも迷惑がかかるのです。
本来公演を彩るためのフライヤー。そんなところで足を引っ張るわけにはいきません。
ここでマヂカルラブリーさんの単独「もうこれで終わってもいい」のフライヤーを見てください。
かなりパロディしてますね。最高です。
でもこれもしっかり法務チェックを通過したフライヤーなんです。
本当は野田クリスタルさんの髪の毛がブワッと例のゴンさんのように高く上に伸びていたそうなのですが、法務チェックにひっかかりネクタイになったそうです。
こうして掻い潜ってパロディフライヤーを使っているんですね。日々。
幻のフライヤー
大抵のフライヤーは法務チェックにひっかかっても「この部分消してください」「このパーツを描き直してください」程度で終わるのですが、一度だけ「1から全部変えてください」となった事があります。
それが
シシガシラ×トレンディエンジェルツーマンライブ
「新世紀エヴァンハゲリオン序・ハ・ゲ〜新頭皮都市崩壊〜」
タイトルからしてパロディの香りがするでしょう。
フライヤーを発注していただき、その通りに制作し、作家さんのOKも貰いました。
そして恒例法務チェック。
多少引っかかってもすぐ直す気でいました。すると信じられないことが起きます。
タイトルが法務チェックに引っ掛かりました。
タイトルが!?
まじか!そうか!そういうこともあるか!
致し方ありません。こうなった以上誰も悪くないのです。
急いで新しいフライヤーを作成し納品しました。それがこちら。
爽やかですね。かなりクリーンです。
これはこれで気に入っていますが、世に出せなかった本来のフライヤーがあるんです。新世紀エヴァンハゲリオンの。フライヤーが。
勝手に出すのは忍びないのですが、もうどうにもならないものなので。
見たい方にだけ見せたいと思います。
あまり広まらないよう、有料にしていますがもしよかったら顔を見てやってください。
ここから先は
¥ 100
モスの海鮮かき揚げバーガーを食べることができます!