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ターンエーガンダム感想 10話ずつ

ターンエーガンダムはかなり異質で毛嫌いされているきらいがあるが、内容は全作品の中でも上位に来るくらい面白い。

自己紹介がてら好きなシリーズtop3を挙げるとすると、1位ターンエー 2位Zガンダム,00同率 3位ファーストだ。
要するに富野の作風が好きだということで間違いない。


1話~10話

ロラン達地球探索先遣隊が地球に到着、追って月人の襲来、交渉上手く行かずからのコレン襲来

冒頭でロラン達が各々歌を口ずさみながら地球に向かうシーンが良い。ロランはメリーさんのひつじを歌っているのが素直で良い子なんだろうなと思わせる。あとそんなに殺伐とした話にならないだろうという安心感が伝わってきて気楽になれた。

ポゥ少尉はあほすぎる。核のくだりあたりまでずっとあほだが上官が更なるあほだから仕方ない。管理問題だ。

ロランがなんとなく女装させられるが異常に可愛い。この時代(1995年)に黒人を主人公に据え、しかも可愛いショタにして女装もさせるという発想は異常に先進的すぎる。
しっかりめちゃくちゃ可愛い女装になるので製作陣のただならぬ気合を感じる。

コレンはドラゴンボールみたいなデザインでかっこいい。


11話~20話

キエルとディアナが入れ替わる。ミリシャ軍大佐の暴走によりキースが住んでいたノックスが陥落。ディアナの想い人の末裔ウィルとの出会い。宇宙船獲得。ギャロップも獲得。ディアナに扮したキエルが建国宣言をする。

序破急の破だろう。ソシエがあからさまに差別意識が強すぎて非常に鼻につく。これくらいわかりやすく強調したキャラクターを出すというのは富野氏が子供に理解しやすいように配慮したのだろう。

ディアナは初登場時どう見ても超越人類の出で立ちだったが、めちゃくちゃ人間味が演出されてギャップ萌えを大いに感じる。
入れ替わったなら入れ替わったで政治活動もがっつり行うキエルの気合の入りようがすごい。よく考えれば大学に行きたくないというような話もしていたしもともと政治家向きの自立した性格だったのかもしれない。


21話~30話

ディアナ野戦病院勤務、テテスという女がディアナ暗殺未遂。ミラン、フィルたちがミリシャの宇宙船攻撃、核爆弾炸裂。

野戦病院で働くディアナをロランがガンダムで手伝う名シーン。
破壊の化身みたいな扱いをされ続けるターンエーだが、結局使う人次第だと訴えるシーンだろう。

黒歴史は何万年かわからぬほど昔とされているが、こういうところから戦争をやっていたり想像できぬ時代を生きていた人たちも同じ人間だったのだと暗喩しているように思う。コックピットがスモーと共通なのもそういう意図を感じる。

すっかりメインキャラクターになっていたギャバンが、主人公のひとりソシエに求婚するというガチのフラグ建築をしてそのまま核に巻き込まれた。
富野作品は仲間が死んだ後を描くのが上手い。戦争中だから仕方ない部分もあるし、明日には自分や違う仲間が死にうるのだという前提をもとに上手く空気感を演出している。

またウィルが死んで(恐らく)手だけになるシーン、人が死ぬと本当にものいわぬ肉塊になるのだということを端的に示していて良い。死体を映せぬアニメでそれを演出する名シーンだ。

ターンエーガンダムはテーマの9割が反戦だということもあり、死者を敢えて絞ることによって人が死ぬ悲しさに上手くメリハリを付けている。

あとアニスはかなりジブリの登場人物寄りだ。
んで僧になったコレンはあまりにも良いキャラ過ぎて癒された。

31話~40話

ディアナカウンターの暴走、マニューピチ攻略、月にGO

ターンエーが胸に核爆弾を収容して土で固定するシーン、リアリティがありすぎて良すぎる。
ターンエーは胸に色々入れられる穴が開いてるのが開発者たちの技術力故の余裕って感じがして良い。

大した立場が無い割に独立国家の王になろうと本気で考えたフィルは相当のいかれポンチだ。こいつが公私混同してポゥに手を出していたからポゥも結構つらい思いをした。まあ結局幸せそうだから別に良い。ポゥはあほだがスタイルが良い明らかな美人だからおれは許した。軍人にもそういうヌルさがあるのが月の平和さを物語っているし月の良いところでもある。

ギンガナムも甘くないだけでかなりヌルくて魅力がある。

宇宙に出たあと、樽に詰まって脱走しようとするやつらが出てきたりしてかなり飛ばしたギャグが散見されるようになる。まあ宇宙すら知らぬだろう人間達を無理矢理大気圏外に放り出したら、そのストレスは計り知れない。


41話~50話

ターンX起動、黒歴史が明らかになる。グエン裏切り、最終決戦

アグリッパを止めたことで大局的には解決したのか?正直よくわかってない。でもラスボスっぽいやつが出てきて最終決戦をするのでもやもやしたりしない。これはなにげにガンダムの恒例だろう。

グエンが裏切った時かなりショックだったが、大義だけを愚直に求めるグエンは理想的なリーダーであり為政者だろう。
正義やルールや状況が常に変わる戦場においてブレないのは指揮系統の混乱しづらさでもあり、ミクロな戦力よりもマクロの戦況が重要な戦争時には最も貴重な財産だと言える。まあ戦争状態にはなっていないが。

ターンXはかっこよすぎる。
セル画だからこその高い彩度であの色彩は非常に映えるし左右非対称だったりマニピュレーターがぐわっと開いたり胸が虹色に光ったりロマンがありすぎる。
溶断破砕マニピュレータ…涙が出てくるほどかっこいい名前……

モビルスーツだけだと、Zガンダムのギャプランが一番好みだが、あれもセル画ならではのかっこよさであった。模型ベースだとそんなに映えないのでプラモデルは買っていない。

ハリー中尉はなんだかんだずっと強力な助っ人であり続けていたので良かった。適度に女たらしなのも本人の優しさ故だろう。リアルで良い。
ユニヴァァァァァァァァァァス!!!!を初めて聞いた時、これこの後死ぬやつやん…と思ったが死ななくて良かった。
チームワークでぇ!など声に出したいセリフが多い。

ギンガナムは明らかに周囲から浮いてる超越武人で、同じ超越者としてはディアナの対局になっている。
ギンガナムはビジュアルも思考回路もセリフもすべてが超越しているので、最終版はみんなキャラクターが霞んでしまっていた。でも良いよね。
このターンXすごいよぉ!!はゲームのセリフよりも落ち着いた言い方だったのでちょっと残念だった。
そしてコックピットにわざわざ決闘用に日本刀を2本携帯しているところ可愛い。子供の頃、きっと友達の家に自分がやりたいゲームを持って行っていたはずだ。

最後の決闘はよく見るとロランが負けそうになっている。
でも逃げられそうだと思った瞬間に脇目も振らず逃走しているところを見ると、ロランにとっては本当に勝ち負けとかどうでもよかったのだろうと思う。

ロランは良い子だぜ…良い子だけど甘くないしはっきり考えてるしそれこそ全宇宙破壊の力を秘めたターンエーガンダムを「使い方次第だ」と体現しうる人材だったのだろう。



おわり

次はイデオンを観たい。

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