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日記:11/23 首を観てきた

おねむだ。
昨晩はつい夜更かししてしまった。

習慣的に睡眠薬を飲んでいるのだが、効き始めるまでに1時間弱、ピークまで90分くらいなのでちょうどいい時間に飲まないと丁度良い時間に寝れない。
そして持病の薬である利尿薬(的な奴)を寝る4時間前くらいまでに飲んでいないと夜中に尿意で目覚める羽目になる。

昨日は友達と遊んでいてどちらも飲むのが遅れてしまったため、寝るのは遅く、また夜中にトイレに行きたくなり、睡眠が浅くなった。


昨日は北野武の新作映画の首を観に行った。
暴れん坊将軍とか鬼平犯科帳とか、そういうシリーズものはほぼ観てないのだが、黒澤明の作品はいくつか観たことがあり、時代劇自体マイブームなので非常に楽しみにしていた。

感想としてはとっても面白っという感じだ。
構成とか演出とか、相当綿密に練っているのが見て取れる感じで、かなり大衆的な名作だったが、まあ、史実を再考証してなぞる形だったので規定のエンディング以上のことは無く、それがやや残念なところだった。

時代劇は、「その時代」を再現している時点である程度娯楽としての強度を担保できる優れたテーマなので、ストーリーは架空のもので良いと思っている。
それこそ黒澤明は七人の侍であっても、隠し砦の三悪人であっても蜘蛛巣城であっても架空のストーリーに架空の登場人物であり、展開が予想不能で純粋に楽しめた。
今作は予想可能なので、結局見どころはストーリー以外の、キャラクターであったり舞台美術であったりであり、まあ、能とかは演劇とかはストーリーをわざわざ楽しみにして観劇する人は居ないだろうし、そういう映画として作られたと言われたらその通りと言わざるを得ないのだろうが。


一番見どころだと思ったのは、ビートたけしの俳優としての力量だった。
いや、このレベルの映画の監督もしているなら、映画人の力量としても良い。
正直に言ってビートたけしの出てる映画は観たことがなかったのだが、彼は一人で画面を引っ張る力があり、彼の演じる羽柴秀吉が出てくるシーンはぐっと引き込まれた。

浅野忠信演じる黒田官兵衛が常に傍に控えているのだが、そっちもかっこよかったので、二人(三人)が出てくるシーンは単純に楽しかった。

そこまで観衆の心を惹きつけるのは、演技力もあるだろうが、見た目の良さなのか、人間としての含蓄なのか、なんとも言語化が難しい。

こういう一人で画面を引っ張れる俳優というと、他には原田芳雄が思い出される。
ツィゴイネルワイゼンでの原田芳雄はとにかく魅力的で、ツィゴイネルワイゼンという映画自体が、俳優と舞台芸術を愛でる芸術映画という具合だったのだが、彼が中心で登場人物たちをひっかきまわすのであり、つまり原田芳雄を愛でる用の映画だったように思う。

原田といえば他には「祭りの準備」などに出ていたが、あれも最終的には「原田のアニキ」が好感度をすべてかっさらっていく感じで、まあ、すこぶる良かった。


話を戻すが、映画人としての北野武がどうしてチヤホヤされているのかがよく理解できた。
時代劇などというのは、テーマとしては優れているが、時代考証の難しさ、予算の高さなどから非常に実現が難しいとされていて、そして今回は登場人物も多く交通整理がとても難しかったであろうと思われる。

それをここまで上手くまとめ上げられていたのは感嘆という他無く、世界的にも何人と居ない実力であるのは確かだし、時代劇を作れる映画監督はたぶん日本人しか居ないだろうから、まあそういった意味では日本で最高の映画監督である。

個人的にはどうしても隠し砦の三悪人と七人の侍の方が好きなのだが、これはもう個人の嗜好の問題なのかもしれない。


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