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日記:09/28 VANQUISHというゲームが好きだった

眠い。でも余裕だ。今日は仕事が暇だから。

アーマードコア6が面白すぎて、もう三周クリアし、クリア後要素も大体やりつくした。
アーマードコアの6以前の作品は一切知らないので何にも比較しようが無いが、同社製品のエルデンリングと比べると、テンポが良くギュギュっと凝縮されているゲーム性なので、何度もプレイしやすい。

発売元のフロムソフトウェアは、ゲーム業界の中でもかなり独自のテーマを貫く姿勢であり、どの作品にも類似した性質がある。
例えば、ストーリーに対して全然説明がなく、なんかようわからんうちに進んでいく、であるとか、初期装備がやたら強いであるとか、世界観重視であるとか…だ。

アーマードコア6はその点説明が多くて、ストーリーの合間合間に、登場人物が物語の現状をわかりやすく説明してくれるパートがある。
これによってどういう物語なのかがとてもわかりやすくて良いのだが、あえて説明しない部分もある。

ライトなフロムソフトウェアファン向けに大筋だけ説明し、細かい裏事情とかそういうのは敢えて伏せることで、考察が大好きなコアなフロムソフトウェアファンも満足させる二層構造なのである。

それで、通常のゲームプレイも執拗に、異常なほど作りこまれた高難度設定なので、私と同じようなアーマードコア6好きと出会ってしまったら恐らく30時間くらいは語ってしまうだろう。

常々このメーカーの作品は世界観を大切にしているので、奥行きのあるタイトルが多いのだ。


今年プレイしたゲームで他に面白かったのは、バイオハザードRE:4だが、あれはまあ、そんなに語る余地はない。人生でも最高レベルの素晴らしいゲーム性だったのは確かなのだが。


○○○


個人的に思い出に残っているゲームといえば、PS3で2010年に発売されたvanquish(ヴァンキッシュ)という一人用TPS(三人称視点のシューティングゲーム)が挙げられる。

たしか、発売直後は、当時勢いのあったファミ通の裏表紙を飾っていて、メカメカしいパワードスーツを着たキャラクターが火花を散らせてスライディングしているCGイラストに心を躍らせたのだった。
2010年といえば、暦少年は思春期を迎え、そろそろニンテンドーはこどもくさいかなと思い始めた時期だった。
ゲームはほとんど買ってもらえなかったため、兄が兄の友達から借りたガンダムのゲームなどをプレイしていた。

お小遣いのない小学生にはPS3はあまりにも高価だし、持っている友達も居なかったので(皆PSPかDSだった)、仮に買えたとて話も合わなさそうだし…
でもパッケージのキャラクターがかっこよすぎて、憧憬の対象だったのだ。


それから7年くらいして、19くらいの頃に、GEOのワゴンセールでヴァンキッシュが100円で売られていたのを発見したのだった。
2017年頃にはPS3は同世代にすごく普及していた。のでその頃には私も持っていた。

中古でも100円はいくらなんでも安すぎるので、子供のころに憧れていた気持ちとは裏腹に、これは実はクソゲーと呼ばれるような駄作だったのでは…という思いが脳裏をよぎったが、結果から言うとすごく面白かった。


2010年といえば、コールオブデューティーを始めとした対戦型───戦争シミュレーション?のシューティングアクションが大流行し始めた時期であり、そんな中で一人用モードしかない本作は時代遅れの冷えたゲームだったわけだ。

私もその頃、友達の家で生まれて初めてそういったゲームをプレイし、あの面白さはもう衝撃的で、今も鮮明に思い出せるほどだ。
メダルオブオナーというFPSだった。父親が単身赴任のその友達は、母親の部屋にPS3があり、母親がパートタイムに出ている平日昼間は、代わりに遊んでもいいよとされていた。
その友達の家で、皆がPSPでモンスターハンターをプレイしている傍ら、ひとりそのゲームに熱中していた。

やはりゲーム業界、そして当時思春期の世代では、カプコンか任天堂がゲームの代名詞であって、だから海外製のリアル指向のゲームは半端な衝撃では無かった。

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せっかくなので、FPS、TPS、つまりシューティングゲームの歴史をざっくり説明しよう。
2010年をちょっと過ぎた頃、メダルオブオナーはコールオブデューティーとバトルフィールド、カウンターストライクといった他類似タイトルに競争で負け、新作が出なくなった。
その後コールオブデューティーシリーズが最盛を迎え、たぶん2012年くらいにコールオブデューティー ブラックオプス2が発売された時には当時の中高生男子の98.56%がプレイした。クラスの男子のほとんどがプレイしていたはずだ。普段ゲームしなさそうな奴も一緒にプレイしていた。まずWi-Fiが流通し始めた直後だったし、自宅でSkypeで通話しながら通信プレイというのが死ぬほど新鮮だった。しかし、このシリーズはゲーム性が単調なのでだんだんと飽きられ、これもオワコンとなった。


で、2020年にAPEX legendsというCODの進化兼、新世代モデルのバトロワFPSが台頭し、これは更に流行した。中高生、いや大人や女性も含めて99.967%がプレイした。これを読んでる人たちも全員プレイしたはずだ。

それまでは、こういう対戦系のゲームはキモ・オタク・男子がプレイするものと相場が決まっていて、やればやるほど女の子にモテなくなる悲しいコンテンツだったが、APEXは、基本プレイが無料だったりいろいろと便利だったので、それはそれはもう、たくさんの女性プレイヤーが参入してきた。
若者の世代では、APEXが上手ければ女の子にモテる時代であった。これは比喩では無く、マッチングアプリのプロフィールに「APEX プレデターランクです」と記載していれば必ずAPEX女とねんごろになれたのだ。しかしながら、高いランクに到達するためには、日常生活の97%をAPEXに捧げるほどの努力をしないといけなかったため、そういうレベルのプレイヤーは、ねんごろになったAPEX女に構う余裕とか無く、そのうち別のAPEXプレデターに寝取られてしまう… そんな情景が当たり前であった。私は、まあ、APEXプレデターには絶対なれなかったのだが…………………………………………………………………………….

しかしそんなAPEXもなんやかんや皆に飽きられ、

そしてエルデンリングやアーマードコア6が爆発的な成功を収めた─────
つまり、時代は一人用のゲームに再帰したのである。


私は、AC6でアサルトダッシュをするたび、不遇の名作、vanquishに思いを馳せる。
時代に恵まれなかった名作。
そもそも一人用TPS(FPS)は、少なくとも海外ではすごい規模の市場であり、FPSの原型たるDOOMをはじめとして正統かつ王道なゲームとなる予定だったのだ。日本に一人用TPSを最初に持ち込めば、vanquish2,3と続いて、そのうち妊娠検査キットでvanquishをプレイされることもあったのかもしれない。


vanquishは、一人用TPSに必要な要素をすべて含んでいた。爽快感、ストーリー、非対称アクションだ。

同じシューティングゲームながらにしてコールオブデューティーが単調なゲームだった理由は、敵と自分が対称だったことにある。つまり、敵プレイヤーがいきなり時速100kmで突っ込んできたら対戦どころではないし、体力が30%を切った途端に、密着してカットインありの爆裂連続パンチ必殺技をしてきたら、どうしようもないのである。
そして、敵も派手な巨大ロボットではない。こういう対称性は、まあ、スポーツ的なのだが、今は食傷である。

vanquishの主人公のサムは、マジで強い。強いし、パワードスーツもマジで強いので、もう、爽快感マシマシだ。


なんだろうねぇ…この正統派なかっこよさは… 2010年を体現したかのようなメカ・スーツ
こういうTPSっぽいTPSも今思えば少なかったかもしれない。同時期に、同じような一人用TPSが発売されていたが、あれも爆死していた。しかしファミ通は絶賛していた。



ダッシュ機能が良い。ダッシュといっても、全力疾走ではなく、背中のブースターを最大噴射して、膝をザリザリ火花散らしながらビューンと行くのだ。で、そこからその勢いのままドロップキックとかもできる。

膝擦るとアチアチになりそうだが、まあ大丈夫そうだなって思っていた。

特筆すべきは、スローモーション機能で、ゲーム中任意に時間の進行を緩めることができたのだ。だから、素早い敵を確実に狙えるのはもちろん、そのドロップキックの瞬間にスローにしたりして、見栄を切ることもできる。

とにかく良いゲームだった。

先日、たしかPC版も発売されたはずなので、是非プレイしてみてください。





終わりが見えないので詩で締めます。



vanquish いと尊し、その魂 受け継がれれば うれし


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