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髑髏先生の妄想解釈

ピース又吉さんのYouTubeチャンネル「渦」のインスタントフィクションシリーズが好きです。

インスタントフィクション小説を題材に、髑髏万博先生(ピース又吉さん)が妄想解釈を解説してくれるシリーズで、毎回又吉さんフィルターを通した作品世界が立ち上がってそこにどっぷり浸かれるのが魅力。

作品の中の言葉、句読点、人称、描写、構成、時間、といった「描かれてある事実」と、その事実に対する又吉さんの「解釈」を確認しながら読み進める事で(又吉さんの思考をなぞることで)、自分ひとりで読んでいたらたどり着かなかった光景に出会える嬉しさがあるなぁと。まるで蜃気楼をみられた!みたいな感動なのです。

これって、私が対話型鑑賞が好きな理由と共通する点でもあるのですが、作品中に描かれている要素、例えば色、形、描写、描かれているモノ、構成、etcと、それらの解釈を、複数の視点を介して確認しながら観ていく事で、気付いていなかった要素を拾えたり、自分とは異なる解釈を知って、そこから新たな発見があったり、思いもよらない作品世界が現れます。

多様な視点で作品に近づいていく事で、作品から立ち上がる世界。対話型鑑賞の場では、そのおぼろげな世界の輪郭をみんなで確かめ合うような優しい時間が流れます。

読書は作家と読者の共同作業。アートは作り手と鑑賞者の共同作業。対話型鑑賞では、鑑賞者同士の共同作業もあるかな。

インスタントフィクション妄想解釈シリーズを観ていて、対話型鑑賞と楽しみ方が重なるなぁと思ったので、書き留めてみました。

なかなかね、日常生活の中で他の人の思考をトレースできる機会ってないと思いません?





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