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「まなびのさき」で学んだこと

約1年間続けたまなびのさき(旧マナビノバ)の講師を先日卒塾しました。
京都の西院にある個別指導塾。「学んだ先が見える塾」というコンセプトの下、大学生が講師も教室運営もする塾です。


この塾には授業前に「立礼」という時間があります。そのコマの授業の担当の講師が、5分間最近自分が学んだこと、感じたことを話す時間です。
この時間はとてもおもしろくって、講師仲間の考え方や価値観が垣間見れるので、私も毎回楽しみにしていました。
そんな立礼の時間や、大学生が集まって勉強会を開いたりして、自分のことや社会のことを語っている横で、小中高生が勉強しています。小中高生も勉強会に参加して、一緒に語り合う時もあります。そんな結構カオスな場所です。笑

留学生活が終わりに近づいてきた頃、フィンランドから帰国したら何をしようかな、とネットで検索している時にたまたま見つけたところで、お問い合わせメールをしても返信が返ってこず、そのままになっていました。(笑) 帰国後ひょんなことから教室におじゃますることになり、そこから講師をさせてもらっていました。

まなびのさきでの1年間は、本当に人生で一番泣いたんじゃないか、というくらい、泣いてばかりいました。
それだけ苦しいことがたくさんあったけど、その分いろんなことを学ばせてもらった場所です。


できない自分を認めること

わたしは今まで、なにかが飛び抜けてできるわけでないけれど、何事もなんとなくある程度できるような子どもでした。(運動は除く)
できないことがあっても、時間をかけたり、少し頑張ったらできることが多かったので、今までそうやっていろんなことを乗り越えてきました。
だけどまなびのさきにきて、自分にはできないことがあるということを、めちゃくちゃ痛感させられました。

できないことを「できない」と言えない、
「わからない」と言えない、
「困ってる」と言えない、
「助けてほしい」と言えない。

できない自分を認めるのが怖い。
できない自分をさらけ出すのが怖い。
そんなこともできないんだって思われるのが怖い。

自分の中の変なプライドが邪魔をして、自分のできなさを認めること、そして、人を頼るということを、私はずっとできずにいました。

夏のキャンプのリーダーになりました。キャンプ以外に2つプロジェクトを進めていて、いっぱいいっぱいになりました。
わからないこと、できないことが溢れかえって、抱えきれなくなって、みんなの前で泣きながら「助けてほしい」と伝えました。
そしたら、みんながそれぞれのやり方で助けてくれました。
キャンプ中、勝手に焦って勝手に孤独になっていた私を、みんなはちゃんと見てくれていて、「もっちゃんの顔がだんだん曇ってきてるのがわかったから、笑顔になるように考えて動いてた。」って、キャンプ終わりに言ってくれたあの言葉は忘れられません。

今まで自分が我慢すればいい、自分でどうにかすればいい、そう思って生きていたけれど、それはすごくしんどいことなんだと知りました。

自分にしかできないことは全然自分じゃ気がつかない

私には何にもできることがないと思ってました。みんなあんなことこんなことができてて本当にすごいなあ、それに比べて私は… そんなふうに思ってました。
そんなことを講師仲間に相談したとき、「もっちゃんにはもっちゃんの素敵なところがいっぱいあるよ。もっちゃんの空気感、話し方、笑顔、ご飯会を企画してくれたのも、講師同士が仲良くなるきっかけになったと思うよ」って言ってもらいました。
ご飯会も、自分が好きでやりたくてやったこと。それが結果としてみんなのためになっているなんて、私が笑顔でいることが、誰かのためになっているなんて、考えたこともなかったけれど、そんな嬉しいことってあるでしょうか。
自分ができることは、自分が無意識にやっていることすぎて、そこに対して自分だけでは価値を感じられにくいのかもしれません。
だけどみんなきっとそれぞれに、それぞれにしかできないことがあるんだと思います。
それを改めて言葉にして伝えてくれて、すごく嬉しかった。


学校の中では常にどの教科も100点を目指すことを求められます。
何事もバランスよくできることがいいこと
できないことはいけないこと
勉強は自分の実力で、人を頼ったりするのはカンニング扱いになるからいけないこと
なんとなくそう教えられている気がします。
でも、社会で生きるために必要な力ってちょっと違うのかもしれないと思うのです。
できないことがあってもいい。
できるようになる努力ができることも素敵なこと。
自分1人でできなくても、誰かを頼ったり、助けてもらいながら、結果できたらそれでいい。
一番辛いのは、できないこと自分を責め続けて、誰にも頼れなくて、孤独になっていくことだと思います。

まなびのさきで学んだことを胸に、これからは違う環境で頑張ってみようと思います。

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