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好き嫌いは人それぞれということを知る
ラーメン大好きなあなたが、
「このお店のラーメン美味しいよね。」
と友達に言ったとき、
「うん。美味しいよね。」と共感する人や、
「私は美味しくないと思う。」と共感しない人もいます。
そんなとき、共感しなかった人に対して、どのように感じますか?
「感性は人それぞれだから、好き嫌いはあるよね。」と納得する人もいますが、
「このラーメンの美味しさがわからないのか…。残念だね。」と相手の考えに理解を示すことができない人もいます。
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相手の考えを理解できないからといって、気にする必要はありません。
実は、人は自分と相反する態度の他者に対して、過度なバイアス(=偏見)を持つと言われているので、それが普通の反応です。
しかし、当然ですが、偏見は無い方が良いと思います。
そんな時は「好き嫌いは人それぞれ」と思うようにしてみましょう。
1.物事を客観的に判断するのは不可能
この内容について、日本心理学会が発行している『心理学研究』の優秀論文賞に選ばれた「態度が相反する他者への過度なバイアス認知を錯視経験が緩和する効果」という論文があります。
その論文の内容を参考に、先ほどの内容をもう少し詳しく説明しましょう。
まず人は自分の認知を客観的な情報をもとに「このラーメンは美味しい」と判断している、と思っています。
客観的な情報とは、例えば「地元の人に評判」や「Webサイトでおすすめされていた」などの情報が挙げられます。
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一見、これらの客観的な情報をもとに物事を判断できていると感じますが、最終的には自分の主観(今回の例だと「このラーメンは美味しい」という感情など)に基づいて物事を判断しているため、客観的に物事を判断することは困難です。
結局は、自分の「好き」「嫌い」で物事を判断しているので、どうしても主観的になってしまいますよね。
2.「好き嫌いは人それぞれ」と思うだけで偏見は無くなる
ここまでの内容で、
人は客観的情報をもとに物事を判断していると思っているので、異なる考えの他者に過度な偏見を抱いていることがわかりました。
(お店の評判など客観的な情報をもとに判断しているので、「誰がこのラーメンを食べても、みんな美味しいと感じるだろう」と思い込んでいるのかもしれません。)
では、どうすればこの偏見を無くすことができるでしょうか?
先述の論文では、
自分の見方が客観的な情報を反映しているわけではない(自分の見方≠客観的事実の反映)ということに気付けば、相反する他者へのバイアス(偏見)はなくなるだろうという仮説をたてました。
つまり、先ほどの例だと「自分の判断は主観的なもので、このラーメンの好き嫌いは人それぞれなんだ。」ということに気付ければ、偏見はなくなるということです。
検証結果はおおむね仮説どおりでした。
そのため、私たち全員が「好き嫌いは人それぞれ」という意識を持つことで、偏見はいずれなくなるのではないでしょうか。
自分と異なる意見や感想を言われた時、一方的に突き放すのではなく、少し踏みとどまって、人それぞれ好みが違うと考えてみましょう。
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<参考文献>
『心理学研究』より
「態度が相反する他者への過度なバイアス認知を錯視経験が緩和する効果」神原 歩(2021)
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