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スケーターへの道 超初心者編①(つづく、かもしれない)

予告通り、スケートを始めた。

敦賀に越してくる前に住んでいた相模原にも、「銀河アリーナ」というスケートリンクがあった。
子どもを連れて行ってみたりしたこともあるのだけれど、どうやら私にはスケートの才能はないようで、まったくうまくならずに、転んでケガばかりしていたので、あきらめた。

私は人より平衡感覚が鈍いらしく、平均台のようなものも苦手。
目を閉じて片足で立つなんてことは、子どものころから10秒以上キープできたことがない。
そんな人間が、つるつる滑る氷の上を、一本歯のスケートシューズで滑るのだ。
絶対無理に決まっているじゃないか。

けれど、「できるようになったら楽しいだろうなあ」というあこがれはずっとあった。
そこで私は「せっかくリンクの近くに住んでいるのだし、敦賀にいる間に滑れるようになろう」と決めた。
そして、1年かけて、スケートに適した体にすべく、準備して今シーズンを迎えたのである。
まずは、その話からしたい。

体重を落とす

最初に断言する。
スケートの上達に、一番効果があったのは減量だ。
私は、夏に始めたダイエットで、昨年の冬より体重を10kg落としている。
これだけで、足裏への負荷のかかり方が全然違った。
スケートは、全体重をあの刃だけに載せている。
今より10kg重かった時、スケート靴を履くだけで、足裏が縦に割けるかと思うほど痛かった。
それは、まるで足つぼマッサージを受けながら運動するような感覚で、痛みが気になり、体の動きに気を配るどころではなかった。
しかし、今日は痛くない。
痛くなければ「動いてみよう」という気になるものだ。

実際に減量してみて、スポーツには、それに適した体重があることが理解できた。
過体重では滑れない。
もっと正確にいうと、滑れるようになってから太った人は滑れるが、適正体重をかなりオーバーした人が、そこからスケートをマスターしようと思うと、いばらの道だってことだ。
転んだ時の痛みも、重い方が痛そうだしね。
モデル体型になる必要はないけれど、「ぽっちゃり」くらいに抑えておく方が、短時間でスケーターになれると思う。

ちなみに、ダイエットは、個人的にはこれが効いた。
食事制限が苦手な人は、どうぞ。

股関節を柔らかくする

これはもう、本当に長いこと、いろんな整体師さんやマッサージ屋さんに言われ続けてきたのだけれど、私は股関節が硬いらしい。
あぐらもかけなかったし、180度開脚なんて、夢のまた夢であった。

けれど、スケートをする際の足のポジションは、基本、こうだ。

リンクに貼ってあった、初心者向けの注意書きにもそう書いてある。
つま先を45度に開いて立つのが基本だ、と。

でも、私の足は、何も考えないで立つと、基本、こうなのだ。

スキーをするなら、かなり有利なポジションだと思う。
これなら、スピードも出ないしね。
そのかわり、ボーゲンよりうまくはならないと思うけど。

これを、一年かけて改善した。
YouTubeの「股関節ストレッチ動画」を見ながら、毎日少しずつ可動域を広げ、今では、何とかあぐらがかける。
スケートの基本ポジションも取れる。

オーケー、オーケー、やったね、私。
ここまで来たら、あとはもう、滑って慣れるだけじゃないか。
そうして、喜び勇み立ち、リンクに出かけたのである。

靴の履き方に注意する

イメトレに「織田信成のYouTubeチャンネル」で靴の履き方を予習してからいったので、自分ではばっちりだと思っていたのだけれど、意外なところに落とし穴があった。
シューズの紐を「絞るべきポイント」というのがあったのだ。

それを知らずに氷の上を歩きだした私は、なんだか、靴の中で足が泳ぐ感覚に襲われた。
ぶかぶかしている。
これは変だ。
慌てて、リンクを出て、靴紐を締め直そうとベンチに座ると、目の前にこの説明書きがあった。

「土ふまずの部分で、強くしめ」??
おおお?!そうだったの?
信成君、そんなこと言ってたかなあ。
きっと私が忘れてるだけなのだろうが、とにかく、このぶかぶかした感じは、ひもの締め方がよろしくないらしいことはわかった。
そして、実際に書いてある通りに締め直すと、足にぴったりフィットして、靴と足の一体感がぐんと上がったのだった。

ひもは、強く締める所と弱く締めるところがある。
それを間違えると、足の変なところに力が入って、動きにくい。
大事なポイントである。

地上の歩き方を忘れる

あとはひたすら、手すりを掴みながら歩く練習なのだが、ここで1つ気づいたことがあった。
氷の上を、地面と同じ感覚で歩くと、必ず「刃先のエッジ」が引っ掛かるのだ。
これは、普段は、足を後ろにけり出すように歩いているからだ。
スケートでこの歩き方をすると、必ず転ぶ。
ではどうすればいいのか。
信成君は「足を高く上げて、上から刃を氷に押し付けるように歩く」と説明していた。
一歩一歩意識して足を高く上げれば、その分、カロリーも使うのでダイエット効果も高いが、疲れるのも早い。

もうちょっと楽な方法はないかと、周りを見回すと、リンクには、私のようなど素人から、トリプルアクセルができそうな上級者までいろんな人がいる。
そこで私は、観察の鬼になった。
リンクに歩きに来たわけじゃない、すべりたいのだ。
だったら、滑ってる人を見て、それを真似すればいいじゃないか、という理屈である。

うまい人は、重心をどこに置いているのか。
うまい人は、膝をどう使っているのか。
うまい人は、足をどの方向にけり出しているのか。

最初は、そういう目で、プロっぽい人たちを見ていたのだが、彼ら彼女らは、うますぎてまったく参考にならない。
そこで、私よりちょっとうまいけど、プロレベルじゃないな、という人を観察した。

結果、彼らは、前傾姿勢で、膝をやや曲げ、足を真横にけり出していることが分かった。
なるほど、最後の「真横に蹴る」がポイントらしい。
45度に開いた足のポジションを、そのままキープして45度後ろに蹴らなくてはいけないのかと思っていた。
そんなの、無理だ。

そろりそろりと「横に蹴る」を真似してみると、おおお、進んでいる!?
これって、滑れているんじゃないのか?
すっごいスピードですいすい進むわけではないけれど、「刃を氷に押し付けるように歩く」より、ずいぶんとスケートをしている感じがする。
なるほど、これか!とコツをつかんだ気になり、休み休みしながら、リンクを20周くらいして帰ってきた。

スケート、楽しいじゃないか!
「よーし、これから通うぞー!」と思ったんだけど、入場料と貸し靴代で1900円。
週一回のお楽しみがいいところかな。
それまで、毎日イメトレと、股関節ストレッチを続けようと思う。

**連続投稿355日目**

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はんだあゆみ
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