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多肉の終活
散歩していた時に、道路の端っこの砂の吹き溜まりに生えているのを見つけて、引っこ抜いてきた名前のわからない多肉植物が、めきめき大きくなっている。
鋸状の葉っぱの、その棘の先端からまた、丸い葉っぱらしきものを伸ばし始めたのである。
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これはどこかで見たことがある
こんな特徴のある植物は、一目見たら忘れるはずがない。
でも名前がわからない。
図鑑を片端からめくって見ていくと、これか?というのに突き当たった。
ベンケイソウ科カランコエ属キンチョウ(錦蝶)。
うまく育てば、放射状に面白い形になるらしい。
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珍しいものを見つけた気になっていたが、沖縄ではすでにその辺に自生しており、繁殖力が強い外来植物とされている。
落ちた葉っぱから育つだけではなく、むかごまで作るらしい。
地球侵略を夢見ている一派に違いない。
キンチョウ以外にも、環境に適応し勝手に繁殖を始めている多肉がいる。
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私が歩き回っている山は、自然とのせめぎ合いに敗れた崩れかけの廃屋がよく見られ、そこにはこんなのが自生している。
アロエとサボテンの金紐か?
たぶん、住んでいらした方が趣味で育てていらっしゃったのだろう。
比較的雨の少ない瀬戸内でなら、多湿を嫌う多肉植物でも生きていきやすそうだ。
これからどんどん増えていくに違いない。
こういうのを見てしまうと、私の死後にうちの多肉たちが外来種として、日本の生態系に悪さをする未来を想像してしまう。
そうならないよう体が動くうちに、自分で処分しなくちゃいけないんだろう。
でもきっと、体が動くうちは「まだまだ世話できる!」と思って、処分なんて考えられないにちがいない。
自分の身の回りのことすら覚束なくなった頃、そう言えば、多肉は?と思い出すのだが、時すでに遅し。
気力、体力ともに衰え、何もできなくなっているのだ。
これは、真剣に今後を考えなくちゃいけない。
**連続投稿844日目**
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