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大河ドラマ「どうする家康」4回 感想 〜ここでも、おいっちゃんはブラコンであったか!〜

北川景子さんって、洋装より和装の方が美しさがひき立つ女優さんだなあと思った今回、まさかの「お市さまの初恋の人が元康くん」設定で、おもしろかった。
「大河ドラマ」のいいところは、こういうあり得ない話を絵にしてくれるところだ。
カップリングに萌えた。

そもそも、信長様とお市様は、13歳差というのが通説だ。
漫画「信長協奏曲」でも、お市ちゃんはブラコンで困る、という描き方をされていたけれど、

右端、おいっちゃん。子ども達はあの浅井三姉妹。

へたしたら親子の方がピンとくる年齢差。
お市様からすれば、明らかに大人な兄に、遊んでほしくてくっついて歩くというのは、正直、想像しにくい。
が、お市さまと元康くんとは5歳差、小学校でもギリかぶる。
憧れのお兄ちゃんになれそうな、いい塩梅の離れ具合だ。
ほのかな恋心を抱いていたとしても、おかしくはない。
実際に会えたとしたならば。

本当のところは、元康くんが、尾張の人質になっていた2年の間に生まれたのが、お市様であり、仮に会ったとしても、お市様の記憶にはないだろう。
しかも、同じ尾張領内にいたとはいえ、居城が違ったらしく、元康くんが保育士志望で「赤ちゃんのお世話がしたい」と言わない限り、二人の接点はまずない。

だからこそ、このありえない初恋ドラマは余計に「そう来たか!」と思わせてくれてよかった。

駿府に残してきた瀬名ちゃんに夢中の元康くんとしては、受け入れがたいお市様の想い。
この状況を素早く察して、自分から振ってみせたのも、お市様のキャラクターがわかる良いシーンだった。
器量の大きな、強い女子である。
そういえば、婚礼衣装はしきたりで決まっているのを、無視して自分で華やかなものを選んでいたシーンも良かった。
兄、信長の影響を強く受けて、自由な発想をする姫様だったのだな、と印象に残った。

NHKより

さらに驚いたのは、秀吉のキャラクター。
「サル」呼びはまだマシで、柴田勝家に思い切り尻を蹴飛ばされてなお、
「皆様方が尻を蹴りたい時に、蹴られるのが、サルめの仕事にございます」
というような意味のことを言っていた。
そんな仕事ってある?!
ここまで、卑屈で鬱陶しい男として描かれた秀吉って、いた?!と、大笑いしてしまった。

NHKより

これはこれで、面白いしハマり役だと思うのだけれど、私の中ではムロツヨシといえば「大恋愛〜僕を忘れる君と」の印象が強すぎて、あのカッコいい真ちゃんはどこへ?と切なくなるのも確かだ。

が、元康くんの決死の大高城への兵糧入れを、最初から信長様の作戦だったのだと、解説してみせる秀吉は良かった。
通説では、信長様は桶狭間の作戦を、敵に漏れることを恐れて、自分の頭の中にしか描いていなかったという。
直前まで、身近な家臣にも、行軍ルートや作戦は知らされていなかったのだ。

それを、織田家臣団の揃いのかっこいい黒服すら着せてもらえない下っ端の秀吉が、全部お見通しのように語ってみせたのはよかった。
家臣達の信長様への恭順具合、熱愛具合が伝わる。

「誰にも言わなかった作戦」は、後付けででっちあげられた作戦で、実はたまたま勝っちゃったのが、桶狭間だったのかもしれない。
なのに、家臣たちは「うちの殿はすごいんだぞ」と心から信じている。
尾張における信長様のカリスマ度合いが、このシーンで伝わった……と思うのは、私が捻くれているからだろうか。
喋る秀吉のプレゼン能力の高さより、喋らない信長様の凄さが滲み出ていた。

そして、肝心の元康くんだが。
4回めにして、ようやく「どうする?」とオロオロする感じがなくなってきたように思う。
相変わらず、信長様の前では白うさぎで、貫禄もないのだけれど、同盟を結ぶにあたって、領地の境目をどこにするか?など、大事な話を臆せずちゃんとできている。
うんうん、成長しているなあ、と子どもの成長を見守るような気持ちだ。
このまま「どうする」感がなくなってしまったら、どうするの?と思うが、まあ当面はそんなことはなさそうだ。

**連続投稿364日目**

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