海の季節がやってきた!
5月になり、敦賀は夏日が続いている。
今日などは、風が強いのでそれほど暑さを感じないが、海水温は確実に上がってきている。
嬉しい。海の季節がやってくる。
昨年、初めて日本海側の夏を体験したのだが、感染症拡大防止措置のために、ほぼ他県からの観光客を見なかった。
たまに、釣り場にいるくらい。
海水浴場も軒並み閉鎖しており、ただでさえ閑散としている敦賀の海が、「一人占め」状態だった。
ここは、天国か?と思い、ウハウハしながら海に通った。
子どものころから海が好きだ。
田んぼしかないど田舎に育っているのだが、車で30分も走れば海だったので、年に数回は海水浴に行っていたこともあり、海の楽しさは心に焼き付いている。
何もしなくても浮く体。
温泉のようなぬるい塩水。
たまにやってくるビッグウエーブにキャーキャー言いながら、足のつかない深場を冒険する楽しさ。
敦賀の海は、それに加えて水の透明度と、人出の少なさが最高だ。
(多分、私が人の多いメジャーな海水浴場を避けて遊んでいるからだろう)
今年も遊ぶぞ!とフィンを新調した。
さて。
海に潜れるようになる前の今の時期は、海の前哨戦だ。
つまり、海に入らなくても遊べる、釣りの季節。
現在の海水温15度とのことなので、本格的な釣りシーズンにはまだ遠いが、春先の今は、多くの海洋生物が産卵のために、沖の深いところから上がってくる時期らしい。
うまい人は、接岸してくるイカやタイを狙って竿を振っている。
お金がある人は、ボートで少し沖の根(岩礁地帯)に出ている。
私は、うまくもお金持ちでもないので、陸からひたすら地味な釣りをしている。
一昨日は、テトラポッドの穴に住み着いている根魚を狙って、カサゴを釣り上げた。
この時、ずっとお目にかかりたいと思っていた巨大なアメフラシにも会えて、テンションが上がりっぱなしだった。
昨年の夏、小さなアメフラシには出会っている。
泳いでいるとき、目の前をオレンジ色の何かが流れていくので、反射的に捕まえたら、それがクロヘリアメフラシという小指ほどのアメフラシだった。
この経験から、アメフラシもウミウシとサイズ的にはそんなに変わらないのだろうと思い込んでいたのである。
だが、仲良くなった杉津の海のおじさんたちは言う。
「アメフラシは、もっとでっかいだろ。これくらいはある」
そう言ってドッジボールくらいの大きさを手で作る。
それは何か別の生き物じゃないのか?と半信半疑で聞いていたのだが、
「カタツムリのような角があって」
「足の方は貝みたいにビラビラしていて」
「でも殻はついてなくて」
聞けば聞くほど、特徴が同じだった。
そんなでっかいアメフラシを一度、肉眼で見てみたいものだと思っていたら、一昨日貸しボート屋のおじさんが、私を見つけて声をかけてくれた。
「昨日から何匹もいるぞ」
消波ブロックをぴょんぴょん飛んで歩きながら、こっちこっちと手招きする。
海藻の下に、本当に両手でないと持てなそうなアメフラシがうにょうにょ動いていた。
デカい。
ウミウシの100倍くらいありそうだ。
ウミマンモスって名前でもいいくらい。
これは確かに、海藻をものすごく食べそう。
こんなに大きなアメフラシが、小さな杉津の港で何匹も見つかるのに、ある時期を境に、さぁーーーっといなくなるのだそうだ。
そのあとに残るのは、中華麺のような黄色い卵。
なるほど、アメフラシも夏に向かって餌が豊富になる時期に子どもが育つよう、春先の今、産卵に来ていたのだな。
もうじき、おそらく産卵期。
まめに観察に通って、ラーメンのような卵を見逃さないようにしたい。
**連続投稿97日目**
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