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離島への旅 島ネコさん

毎日、お昼ご飯を漁協で食べている。

新鮮なお刺身で丼を作ってくれて、その日の予定分が無くなると販売終了となる。
昨日はマグロの漬け丼、その前はイカとマグロの二色丼だった。

今日は、遊んでいたら遅くなり、丼が売り切れていたので、初めて「イカスミ焼きそば」を食べた。

麺にイカスミが練り込んであるのだそうで、私は初めて食べたのだが、これは沖縄の特産品なのだろうか?
病みつきになるうまさだった。

漁協の前には、いい感じの大木が生えていて、その下に「どうぞここで食べてください」と言わんばかりにベンチが置いてある。
潮風が気持ちよく、とても涼しい。

島ネコさんは、そこに誰かが座ると、どこからともなくやってくる。
そして、甘えた声を出すでも、すりすりしてくるわけでもなく、ただじーっと見ている。

見ている、と書いたが、目はあまりよくないようで、片目は塞がっているし、もう片方も白濁している。
だが、顔をこちらに向けて微動だにしないので、なんとなく、独り占めするのが申し訳ない気分になってくる。

そこで
「欲しい?」
と聞くと、二、三歩前に出てくる。
猫という生き物はみんなそうだが、物音を立てず、とても優雅だ。
「施しなんて受けませんわ」という顔をしているくせに、刺身を切り分けて置いてやると、そっと近づいてきて、むしゃむしゃ食べる。

今日は、イカと麺をお裾分けして差し上げた。

シャムの混血かな?
横顔も美しい美猫さんだ。
毎日、漁協でご飯を食べるのは、この方に会いたいからなんである。

**連続投稿810日目**

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