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ゴージャス嫌い?

バブルの絶頂期に大学生だった。

その頃「女子大生ブーム」なるものも同時に来ていたと記憶している。
女子大生だというだけで、なぜかチヤホヤされ、テレビや雑誌に取り上げられたりする。(もちろん、綺麗でかわいいことが大前提だけれど)

都会の華やかなお嬢さんたちは、夜な夜なアッシーくん(死語)に車でお迎えに来てもらって、メッシーくん(死語)にご飯をご馳走になり、ジュリアナ東京とかで、朝まで踊って若さと美しさを武器に高価なブランド品を貢がせていたのだ。(偏見)

本日は、カッコが多い読みにくい文章で申し訳ない。
私は、バブル期に大学生だったにも関わらず、そういう華やかな世界とは真逆の、バンカラできったないところで生きていたで、実際のところはよく知らないのだ。
知らないから、又聞きの注釈が多くなる。

「当時のマスメディアが発信していたことを鵜呑みにすると、こうだったらしい」ということを書いているが、事実はしらない。

さて、先にも述べたが、その頃の私は貧乏な学生だった。
大学の寮に暮らし、育英会の奨学金28、000円とアルバイトの家庭教師代20、000円、たまに入る焼き鳥屋のお手伝いのバイト代5、000円で暮らしていた。
だいたい、50、000円でひと月の全てを賄っていたのである。

「私も一応『女子』で『大学生』だから『女子大生』なのに、なぜ、誰からも何も貢がれないのか?」
と思わないでもなかったが、何しろここは札幌、海を隔てた内地で起きていることは、異国の出来事のようで、友達の誰にもアッシーやメッシーはいなかった。

私は思うのだが。
人の価値観というのは、若い頃にほぼ出来上がるのではないだろうか。
若い時は、周囲の皆が価値を認めるものが、自分の中の「これなら間違いない」になりやすい。
無印、ユニクロ、ワークマンのアウトドア用品、IKEAの家具、etc、etc……。
「これであってるのかな?」と自信がないと、特にその傾向は顕著になりがちだ。
また、「ユニクロと無印最強!」という価値観が形成されるのは、ユニクロと無印良品が生まれた時からあるからで、私の若い頃にはどちらも存在していなかったため、そういう価値観は存在しなかった。
代わりにあったのが、華やかに見える若い女性たちの「ブランド信仰」だったのだろう。
価値が価格で測れるため、正解かどうかが分かりやすい。
結局はのところ「正解」を探しているという点では、昔も今も同じなのだろうと思う。

そういう視点で私の学生時代を振り返ってみると、私の周囲にあったのは芋ジャー(ダサいジャージのこと)と半纏と学食の安いランチだった。
ブランドの服や、オシャレなイタリアンや、回らないお寿司は異世界の出来事で、私の周りには存在していなかった。
つまり、「衣食住全て、安く上げること」に最も価値が置かれ、安さこそが正義、ゴージャスなものを味わう機会はまるでなかったのである。

ここまで読んでお気づきの方もいるだろう。
私は自分の貧乏性を、若い頃の環境のせいにしようとしてこの文章を書いているのである。笑

今夜の私は、温泉で有名な観光地「伊東」にいる。
終の住処を探して、伊豆半島を半日見て回ってきたのである。
せっかく伊東にいるというのに、この一泊3,000円の宿には温泉がない。
「イトーに行くならハトヤ、電話はヨイフロ♪」のハトヤも近くにあるのに。
伊豆の海の幸が味わえる立地にありながら、私の夕飯はコンビニで買ってきたタコスだ。
ゴージャスな宿、ゴージャスな飯というものが、心の底からどうでもいいのである。

どうせ、一泊10万円もするスイートルームに泊まっても、やることは今と同じ、スマホでポチポチとnoteを書くくらいのものだろう。
なら、そこにかけるお金をもっと別のことに使いたい。
というか、どれだけお金があったとしても、寝るだけの場所(と思っているもの)にお金をかけることは絶対しないだろう。

私はこれを「若い頃に贅沢をしたことがないから、贅沢の味わい方を知らないのだ」という論調で書いてきた。

それもある面では当たっているのかもしれないが、実は見ないようにしている解釈があと2つある。

①生まれつき美意識が備わっていないため、高級な調度や、洗練されたおもてなしに目が向かない。だから、どうでもいいとしか思えない。

②貧乏生活が長かったせいで、無意識に贅沢を敵視することが癖になってしまっている。

の2つである。

でもなあ。
ほんとにやりたいことには、ポンとお金を出しちゃえるので、②は違う気がするんだよなあ。

①については、かなり怪しいので、今後も検証していくつもりである。

いずれにせよ「贅沢」だから「正解」なわけがない。
「好き」だから「正解」なのだ。

私は、好きでもないところにお金をかけることに意味を見出せないのだろう、たぶん。

**連続投稿285日目**

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