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車検が無いって、怖いことなのね

バイクに乗るようになるまで知らなかったのだが、排気量250c未満の二輪車には「車検」というものが存在しない。
私の愛車は、ホンダのPCX125。
区分で言うと「原付2種」という扱いなので、自動車専用道路を走れないし、ましてや高速道路なんて論外なのだが、おかげでいろいろ安く済んでいる。

車検は不要、自賠責保険は年間2.5万ほど、税金は0.5万以下だったと記憶している。
駐輪場に停めているので、駐車場代もかからない。
洗車も楽ちん、貧乏の友、良い相棒だ。

しかし、車検が無いということは、どこか悪いところがあっても見つからないということだ。
がんと同じで、検診をサボっていると知らぬ間に不具合が大きくなり、ある日突然痛い目を見る。

それはいくら何でも怖い。

なので、買ってから毎年一回は、ショップに持ち込んで点検をお願いしてはいたのだ。
しかし、バイクは新しくなるほど機構が複雑になるらしく、買ったショップでお世話になるならともかく、私のようにあちこち転々と引越してきた者には信頼できるメカニックもいない。

なので、これまで頼んだショップではおそらく、目視点検とオイル交換くらいしか、してもらえていなかったんじゃないかと思う。
実際、点検料金は破格だったし、代わりにトラブルも多かったし。

それで、今年はできればオーバーホールして、部品まで細かく見てくれるところを探していたのだ。
すると引き当てましたね、さすが私。
家から近くて、
「うちで買ったバイクじゃなくても見ますよ」
と言ってくれる、親切なショップを一発で見つけてしまった。

今日はそこへ、愛車を持っていってきた。
最近タイヤがよく滑るなあと思っていたので、
「空気圧も見てください」
とお願いしようとしたら、その前に
「タイヤがツルツルやね」
と指をさされた。
まだ買ってから4年、10000キロしか走ってないのに、そんなに?と思ったが、たしかに後輪にはほとんど溝が残っていない。
どうりで滑るはずだ。

「ブレーキオイル、ずっと交換してへんでしよ?この中に気泡ができたら、ブレーキが効かんようになって、どんだけレバー握っても、スッカスカで手ごたえ無くなりますよ」
「この調子だと、〇〇も××も劣化してるやろな。分解して交換がいるかもしれへん」
もはや、何語を話しているのかわからないが、とにかく親切なプロに巡り会えたことは間違いなさそうだし、今まで死ななくて本当によかった。

もろもろ交換して、だいたい5万円でお釣りが来るくらいだろう、と見積もりをいただいた。
新車だって3年目からはそこそこ車検代がかかった記憶がある。
安全が5万で買えるなら安いものだ。

「バラしてみて、他にも悪いとこが出てきたら、都度都度、いくらかかりますってお電話しますわ」
とショップの方はおっしゃった。
これもガンの手術のよう。
「お腹を開けてみて、細かい転移があったら、予定外のところも切るかもしれません」
ということだ。

愛車を手術室に送り込み、代車をお借りして帰ってきた。
心配だが、早くよくなって帰ってきてほしい。

**連続投稿845日目**

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