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「ルージュの伝言」vs. 「どろどろ浮気沼」

時々、ほんとにどーでもいいことが気になる。

例えば、ユーミンの「ルージュの伝言」

あの人のママに会うために
(略)
浮気な恋をすぐに諦めない限り家には帰らない

どう聞いても、夫の浮気を義母に言いつけに行く嫁の話なのだが、この解釈で合ってるよね?

だとすると。

この修羅場感の無さはすごい!!

私が知ってるレディコミや小説の世界では、パートナーの浮気を知った女は嫉妬に燃え狂い泥沼にはまったり、「こいつは他の女に触ったんだ」という生理的嫌悪感でパートナーの謝罪を受け入れずに破綻したり、いずれにせよこんなに軽めの扱いでは済まない。

「ダーリンが浮気したから、ママに叱ってもーらおっと♪」

嫁がこんな感じだったら、ほんとに出来心でついつまみ食いしてしまっただけの夫は

「えへへ、ごめーん、もうしないよー」

とさくっと嫁のところに帰って元サヤに収まりそうではないか。
(そのかわり、何回でも浮気を繰り返しそうではあるけれど)

いいとか、悪いとかではなく、幸せそうなのはどちらだろうか?というところだけ見るなら、圧倒的に「ルージュの伝言」の世界の方が「レディコミ界」より精神的苦痛は少なそうだ。

相手に寄せる気持ちが軽いからダメージも少ないのか?と思ったけれど、それだけでもなさそう。
そもそもどーでもいい相手ならママに相談するまでもなく、その場でポイだろうし。なんとかしたいと思うから、わざわざ言いつけに行くのだろうし。

背後にあるのは「自信」なのかな?と思う。
「いろいろ目移りしても、あなたが最後に選ぶのは私でしょ?」
「あなた、私がいないと生きていけないでしょ?」
こんな風に思ってたら、浮気の一つや二つ、子どものイタズラレベルに感じるのかもしれない。

夫は完璧に妻の手のうえで転がされている。

あとは、簡単に傷つかないプライドも大事そう。
パートナーの浮気が辛いのは「選ばれなかった自分」を突きつけられるからだと思うのだが、そもそも「私が選ばれないわけがない、これは一時の気の迷い、私以上に素晴らしい女はいないのだから!」と自信を持って断言できる自分でいれば、仮に浮気が本気であったとしても「バカな奴だなー、こんなにいい女を振るなんて。どうかしてる」と本気で思えるのだろう。「選ばれなかった」のではなく「選ばない相手がバカ」ってことになる。
これは強い。

いずれにせよ側からは相当ドライに見えるだろうけれど、すごく楽な生き方だと思う。

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