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瀬戸内のウミウシどこだ?②

毎日暑い。
外を歩くと日焼け止めが、汗で流れて目に入り痛む。
こんな季節には、冷たくてもやっぱり海だ。

今日は「人が多い海水浴場なら、きっと水温も高いはず」と考え、松山から西へバイクで1時間弱の海水浴場へ向かった。

島のプライベートビーチも素敵だけれど、子どもで賑わうビーチは癒される。
砂浜も水も綺麗だし、更衣室とシャワーが無料で使えるところが最高だ。

到着13時。
この灼熱感。

それにしても、周り中、家族でキャッキャしているところに、ウエットスーツをきてフル装備で潜っていくのは、なかなか異物感があって面白い。
あちこちから視線を感じる。

カメラのチェックをしていると
「何してるのー?」
と5歳くらいの男の子に声をかけられたのだが、ささーっとやってきたお母さんらしき人に、手を引かれてズンズン連れて行かれてしまった。

「知らない人に声かけないの!」
と怒られていたけれど、私、そんなにヤバそうに見えるのだろうか。

さて。
本日のミッションもウミウシ探し。
私が素潜りで行ける水深3〜4mの範囲にウミウシを見つけてみせる。

大潮でも海面下にありそうな岩場を探すところからだが、何しろ干満差の激しい海なので、満潮に近い時間に行ってしまうと、浜から相当遠くまで泳がねばならない。
人工の突堤に沿って沖まで行く間に、フグの赤ちゃんの群れに出会う。

たぶんフグの群れ

人工の岩場には、小魚はたくさんいるのに、ウミウシはいない。
餌になるカイメンも付いてないし、そりゃそうだろうな、と思う。

沖に張られた遊泳区域を示すロープに辿り着き、丹念にロープとブイを調べる。

このブイの裏側に、クロコソデウミウシがくっついていることもあると教わったので、目を皿のようにして探しまくったがやはりいない。

代わりに見つかったのが、親指の爪くらいのカワハギの稚魚と、小指の爪ほどのカニの幼生だ。
カニはたぶん、メガロパ幼生というものだろう。
写真では見えないが、尻尾が残っていた。
初めて実物を見て興奮した。

ちびっこカワハギ
カニのメガロパ幼生

ブイには、流れ藻が絡みつき、そこから卵が飛んだのか、ところどころロープから芽が出ている。
先日、ダッシュ海岸でリーダーたちが苦労して育てていた「ノリ」っぽいものもたくさん付着している。
瀬戸内は本当に海藻が豊かだ。

ブイを見ながら、反対の突堤まで泳ぎついてしまった。
そこで初めて気づいたことがある。

遊泳区域を示す白いブイの2メートルほど外側にも、大きな赤いブイがあり「なぜ二重になっているのか?」と思っていたら、反対側の突堤で2つのロープがまとめられて鉄の棒に固定されていた。

そこでわかった。
下図の①から②まで、広範囲のネットが張られていたのである。
赤いブイは、サメよけネットを支えているブイだったのだ。

噂には聞いていたけれど、実物は初めて見た。
サメ避けネットがあるということは、サメが出るということなのだろうか?
調べたら、かつては瀬戸内でサメに襲われる事故もあったらしい。

1992年3月、愛媛県松山市の沖合で潜水中の漁師がサメに襲われ、行方不明に。地元の漁師らが豚肉のえさや網などを仕掛けましたが、捕獲は難航・・・。

瀬戸内海にもいた… ホオジロザメ 山口・周防大島付近で捕獲 30年前は騒動も

なんと、松山沖!
だから、今もこんなにしっかりした防護体制がとられているのか。

人間の思惑をよそに、イシダイの子どもたちは、網の隙間を気にせず行き来している。

さて、反対側の突堤はコンクリート製の壁になっている。
こちら側の方が期待できそうだ。
何度も潜るうち、2箇所で卵らしき物を見つけた。

なんだろう?巻き貝のたまご?
これは、ウミウシじゃない?!

ウミウシっぽい卵は、コンクリート壁ではなく、海底から生えている昆布のような海藻にくっついていた。
ということは、この子のお母さんは、海綿ではなく藻食性なのだろうか?
同じ種類の海藻を、くまなく探せば見つかるかもしれない。

瀬戸内のウミウシの手がかりをゲットできた!
次回は、他の生き物に気を取られず、ウミウシだけを探そうと思う。

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