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暑くない梅雨

妙な思い込みがあったおかげで、逆にとても快適な梅雨を過ごせている。

私は、中学生の頃から「温暖な瀬戸内海気候」を「一年中蒸し暑くてやってらんない気候」だと思い込んでいたのだが、これはとんでもない間違いだった。
快適指数というものがもしあれば、とりあえず松山は、冬90、梅雨時80を超えると思う。
もうすぐ七月になろうというのに、体感では五月初めの関東くらいの爽やかさだ。
夏はまだ経験してないからわからないけれど、梅雨で80なら相当な高得点が期待できるのではないだろうか。
ジメジメ蒸し蒸しとは無縁で、今は天国のよう。
まだエアコンのお世話にもなっていない。

それにしても、私はいったいどこで瀬戸内を蒸し風呂のようなところだと誤解したのか。
たぶん、中国山地と四国山地に阻まれて日本海と太平洋からの風が届かない盆地のようなところだと思い込んだせいだろう。
暑さが篭る内陸に、湿度を上げる巨大な水たまりである瀬戸内海がくっついた土地を想像したのものと思われる。
子どもの頃の私よ、もうちょっと注意深く学ぼうぜ。

実際の瀬戸内は、梅雨なのに大した雨も降らず、お日様が出ない時はさほど気温もあがらない。
今なんて、窓を閉め切って膝掛け毛布で過ごしている。
つまり、いい塩梅に冷えている。
寒いくらいだ。
信じられない、ここは北海道なんじゃないか?と一瞬思いそうになるが、カーテンを開ければ松山城、やはり瀬戸内だ。

なぜこんなにも涼しいのだろう?
理由は海にあると予想している。
というのも、関東の避暑地、過去100年一度も猛暑日がない町「千葉県勝浦市」が夏でも涼しいのは、近海の海水温の影響によるものらしいからだ。

なるほど、確かにイギリスだってあんなに高緯度にあるのに暖流のせいで、人が住める気温を保っている。
海の影響はすごいのだ。

さて話を戻して、瀬戸内の気温。

気象庁 日別海面水温

図を見ればお分かりの通り、四国の南側が太平洋を流れる黒潮のお陰で海水温26℃に達しようというのに、瀬戸内はまだ23℃にも満たない。
それはそうだろう、瀬戸内の水は温まる暇がない。
干満さが大きく、日に二度も西へ東へ流れが変わり、その流速も場所によっては川のように速い。
結果、海水温は上がらず、日本海側並みに保たれているのだろう。
太平洋側の高温多湿の影響は四国山地で遮られるため、瀬戸内はいつも低温少湿、快適だ。

「こんな冷たい海、泳げなくて嫌だ」と思っていたけれど、悪いことばかりでもない。

少なくとも、涼しい梅雨は体力を温存してくれる。
これから真夏を遊ぶために、暑くない梅雨を堪能しようと思う。

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