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よく見れば全然違うのに、入力をさぼるとわからなくなる

漫才コンビ・オードリーの若林正恭さんが大好きで、1日1オードリー摂取のため、ランチタイムはオードリーの番組を観ていることが多い。
先週の「あちこちオードリー」には、金属バットとまゆりかの2組がゲストに来ていた。

金属バット

それを見ていて、私は二つの違和感を感じていた。

一つ目。
若林さんが、金属バットに対して壁があってやりにくそう。
おかしい、この人たちは、同じ「ケイダッシュステージ」所属の後輩芸人さんじゃなかったっけ?
前回、ヤーレンズと一緒にゲストに来て、和気あいあいとトークしていたはずだけど?

二つ目。
そのヤ―レンズと一緒に登場したのが、たしか3月のことだったはず。
そんなに間を置かずに呼ばれるゲストは、常連の板倉さん以外思いつけない。
金属バットって、そんなにあちこちオードリーと親和性あったっけ?

番組は進み、金属バットに若干腰が引けていたように見えていた若林さんも、いつもの調子を取り戻して楽しくトークが進んでいた。
やりにくそうに見えたのは、気のせいだったのか?

見終わって、金属バットがどんなコンビなのかを検索すると「吉本興業所属」になっている。
あれれ?
前回の収録からわずか3か月あまりで、事務所を移ったのか?
いやいや、だったら、ひとことぐらい番組で触れただろう。

おかしいなあと思いながら「ケイダッシュステージ所属芸人」を検索してみると、答えがそこにあった。

トム・ブラウン

3月にあちこちオードリーに出演して、ヤ―レンズと一緒に楽しくトークをしていたのは、トム・ブラウンの2人だったのだ。
私は「長髪+坊主頭」というアイコンだけで、この2組を取り違えていたのである。

よく見れば、彼らの違いはたくさんある。
長髪の方の立ち位置(金属バットの友保さんは、向かって右。トム・ブラウンの布川さんは向かって左)。
長髪に前髪を作っているスタイルかどうか(金属バットは前髪アリ。トム・ブラウンには前髪ナシ)。
ネイティブランゲージ(金属バットは、こてこての関西弁。トム・ブラウンは、東京弁)。
2組が並んでいれば確実に違いに気づけるのに、別々に登場していたため、髪型の強烈さに引っ張られてしまっていたのである。

思い返せば、この手の間違いは本当に多かった。
私は、昔から人の顔と名前を覚えるのが超苦手で、途中でもういいやと、覚えることを放棄してしまっていた。
しかし、さすがにそうも言っていられない場合もある。
子どもの学校のPTA活動などは、同じ委員会の人たちの顔を覚えていないと、月に一回の活動がやりにくくて仕方ない。
困り果てた末、一番目立つパーツだけでも記憶しようとして、失敗した。
スーパーなどで、よく似た髪型の全然違う人に声をかけてしまっていたのだ。
覚えてないなら、気付いた時点で気まずくならないように、そっと避ければいいのに、なぜわざわざ自分から墓穴を掘りに行ってしまうのかと我ながら不思議だが、声をかけに行くときは、「絶対あの人だ!」と自信を持っているからたちが悪い。
無駄な自信が憎い。

話が逸れた。
今の私は、金属バットとトム・ブラウンを間違えない。
それぞれのネタをYouTubeで浴びたため、声と顔と話し方がきっちりインプットされている。
意識して覚えようとしなくても、相手にピンスポットを当てて、接する回数を増やし、入力を増量すればいいだけだった。
つまり、日常の場面では、1on1の雑談を密に交わせば、頑張らなくても記憶できたはずだということ。
それを惜しむから、いつまでたっても覚えられなかったのである。

もう10年以上も昔、子どもの授業参観に行くと、参観そっちのけでずっと喋っているお母さんの一団がいて、その存在がとても不思議だったのだが、今になって気付く。
なるほど、あの人たちは、あそこで入力を増やして記憶を強化していたのか。
私が特別記憶力が悪いわけではなくて、コミュニケーションをさぼっていただけだったのだ。

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