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終の住処を探す旅 四国松山 興居島編

昨日の続き。
愛媛県松山市に上陸した私と夫は、松山城の聳える勝山の上から、海と市街地を眺め、2人とも悪くない感触を得ていた。
夫「都会だ!文化的生活が送れる!」
私「こんなに海が近い!遊べる!」

山の上からは、瀬戸内の島が遠く近くに、いくつも見える。
写真の右端に富士山のような円錐形のシルエットで浮かんでいるのが、松山から最も近い島、興居島(ごごしま)である。

フェリーで10分ほどで渡れる、松山からの釣りや海水浴のベストポイントだ。
大人250円、バイクを一緒に乗せても280円で運んでもらえる。

破格!

興居島が、私の理想的な遊び場として文句なければ、ほぼ松山移住は確定と言ってもいいだろう。
あとは家賃との兼ね合いだけだ。
私たちは意気込んで、島に出かけたのだった。

少年サッカークラブの遠足と目的地が重なっていたようで、電車の中もフェリーの中も、ちびっ子たちで大賑わいだった。

「ねーねー、島のどこに遊びにいくの?」

と聞くと、小さな男の子が、こいつ何にもわかって無いな、という顔で

「遊びじゃないよ、山に鍛えに行くんだよ」

と言った。
そうか、遊びじゃないのか、修行だったのか。

なるほど、遠目にも富士山のように見えた、あの山に登るのだろう。

「すごいねー、あんな高い山に登るの?みんな小さいのに」

というと、付き添いのコーチっぽい人が、

「そんなに高く無いんですよ。標高300メートルも無いんです。ハイキングにちょうどいいんですよ」

と教えてくれた。
へえー。私でも登れるかな。

しかし、今日の私の目的は山ではなく、海である。
適度に岩場があって、根があって、生き物がたくさんいるところを探すのだ。

興居島フェリーを降り、電動サイクルを借りて、島を一周する。

調べてみると、興居島はアップダウンはあるものの一周25kmで、太平洋に浮かぶ、世界で最も小さな島国ナウル共和国(一周17km)より大きい。
しかし、住民の数はナウルの10,000人に遠く及ばず、今はおそらく千人を切っている。

今はもっと少なくなっているだろう

この状態になんとかストップをかけようと、「こごしま株式会社」が、空き家バンクを始め、良い物件を紹介してくれている。

島内の道路は、予想通り超快適で、ほぼ対向車に合うことはなかった。
こういう環境がいい。
海に見惚れながら走っても、まず事故の心配がない。

その海はというと、どこもビーチが美しく、「沖縄か?」と思うほどの透明度であった。

島の周囲は砂浜が多く、遊んで楽しい岩場は少ない。

けれど探せば、岩場もあり、岬の突端のこの辺りは期待できそうだ。

浅瀬の岩場では、ひじき漁が盛んなようで、何人もの方が岩の間でひじきを集めていた。
そういえば、宿泊したホテルの朝食付きバイキングでも、毎朝、ひじきの白和えが登場する。
特産品なのだろう。
美味しい。

島の難点は、これだけ四国と近くても、やはり、船で運んでくる分が上乗せされた「島価格」が適用されているところだ。
全体的に生鮮食料品の物価がやや高い。
おそらく、アマゾンの配送料も離島料金になることだろう。

代わりに家賃はべらぼうに安い。
「この広さでこの価格?!」
と思う物件がいくつもある。

悩ましい。
私はここに住むのもいいな、と思ったが、夫は渋い顔をしている。
やはり、松山市街地に近いところが良いようだ。

「じゃあ、明日は、市街地に近いところの不動産屋さんを覗いてみて、家賃の相場を知ろう」
ということで話がまとまった。

島から戻り、せっかくだから道後温泉に行ってみたのだが、本館は改修工事の真っ最中で、入場制限があり入れず。


別館に回って、無事入湯を果たし、ツルツルになって帰ってきたのであった。

さて、今日は不動産屋めぐり。
午後には敦賀に帰宅の予定である。
住みたくなるような、良い物件があるといいなぁ。

**連続投稿411日目**

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